・・・・・・―☆・・・・・・―★ ■Cherubの「独り言」■ ★―・・・・・・☆―・・・・・・


小旅行(2004年9月24日)

  9月の三連休を利用して安曇野を連れ合いと小旅行に出掛けた。 本当に久しぶりで、小躍りしながら旅行の準備も満足にしないまま安房峠へ車を走らせた。 運転も久しぶり、疲れたら1泊してもと、軽い気持ちで出発した。 安曇野といえばわさびとそばで知れている。 先づは、美味しいそば所として評判の「そば上條」に向った。 昼時でもあったためか先客で一杯。足立、横浜、京都、神戸からの車が目立った。 20代の若者カップルが多いのに驚いた。 小1時間ほど待って漸く食べることになった。 そばのつやといい喉越しの良さは評判どおりで胃袋も心も満足した。 名に負うそばをあちこちと食べ歩いているが、「そば上條」は心に残るそば屋である。
*上條は、1年間更埴にある"つる忠"というお店で修行して'97年11月23日に開店。ソバは細めでコシがよい。水ソバが付いてくる。ツユは甘めで辛み大根が良く合う。
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長野には美術館が多い。 中でも安曇野には19もの美術館がある。 はじめての子が生れたとき、そして二番目の子が生れたときにも、義母から誕生祝いの一つに「ちひろ」の絵本がプレゼントされた。 子よりも大人の私たちが、霞がかかったようなぼんやりとしたタッチ、愛らしい表現、優しさあふれる雰囲気を放つちひろの絵に惹きつけられた。 30数年前のほっとした感動がいつの間にか私たちをちひろ美術館へ向かわせていた。 そして、今回もちひろの描いた女の子に思わずうっとりとしてしまった。 孫が大きくなったら一緒にもう一度行くことにしよう。
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気持ちは少しも年を取らずに若いのだが、体の方は確実に衰えており無理は利かない。 一泊することに決め、早々ビジネスホテルに投宿した。2人一緒ならとフロントのお上さんが安くしてくれた。 有り難いことだった。 二日目は水野美術館へ。 まだ新しい美術館で、私のカーナビには登録されてなく、標識と勘に頼っていくことなった。 カーナビのなかった頃は迷わずに目的地に辿り着いたものだが、いまはカーナビの便利さに頼り切っていて勘がもう働かなくなったのだろうか。 市内からの標識がないこともあって通りすがりの人に尋ねてやっとこ着いた。 連れ合いと二人きりの鑑賞。 奥田元宋の「秋渓淙々」の壮大で美しい作品を思い切り堪能した。真っ赤に染まる紅葉に心が震えた。 横山大観の「無我」を見ることができなかった。見たかっただけに心残りであった。
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最後に訪れたのは池田満寿夫美術館。さまざまな分野で名を成した満寿夫の世界に触れ、自らの才能の無さにうな垂れてしまった。 画家、彫刻家、書家、音楽家・・・といったように〜家といわれる人々は特異な才能を持って生まれた人なのであろう。 自らの世界を創るには才とエネルギーが不可欠だ、と。無から有を生む出す彼らにははっとする一瞬があるのかもしれないと思った。満寿夫もそうした一人であろう。
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美術館めぐりとなった安曇野の小旅行で久しぶりに気分がリフレッシュした。帰りは車の窓から入ってくる風も涼しくて心地よかった。 私は、今回の美術館めぐりで作品をつくる人達の飽くなき向上心に震えるような感動を覚えた。 彼等の作品に共通するのは威厳があり、美しさがあり、情熱がほとばしっていることだ。 日頃、広い空間の清閑さの中で考えたり思いふけったりする時間があまりないだけ、こういう時間はとても貴重に思われる。また、連れ合いと二人で出掛けたい。


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