起き抜けのミルクティー


●朝、起きて飲むもの

朝、起きて何を飲むだろうか。

コーヒーもいい。この場合は、トーストにサラダとか、買い置きのサンドイッチとかを食べる場合。コーヒーメーカにセットして、顔を洗っている間に自動的に作ってもらえる。奥さんが和食を作ってくれる場合は、好みの日本茶を淹れてもらう人もいるか、最近はそんな旦那様はいないか。「私、自分でいれて旦那に飲ませてるから、たまにはいれてほしいわ」という方もいらっしゃるだろうか。

私は牛乳と水を1対1で鍋にいれて、沸かしながら紅茶の茶葉で点てるミルクティー。喫茶店ではロイヤルミルクティーと呼ばれている。

牛乳と水の比率は好みに応じて。何となく牛乳を多めにいれることもあれば、水を多くさっぱりさせることもある。口当たりがよくて、ほのかによい気分になって、今日も一日元気に過ごす気持ちになる飲み物。


●なんでと言われましても

「なんで?」といわれることもある。私の場合、真夏でもロイヤルミルクティー(もちろん冷やさないよ)だから、驚かれる場合があるからだろうか。

もっともらしい理由はいくらでもつく。起き抜けはコーヒーはちょっとヘビー。また、効率よく栄養も取りたい。牛乳のたんぱく質と、紅茶のビタミンCが同時に摂取できるし、脂肪分もいい具合にこなれやすくなる(私は冷たい牛乳が苦手)。これに、やはりパン。もちろん、野菜があるとうれしいが、たいてい時間がなくなる。で、登場するのはバナナ。とりあえず、朝食3点セット。

「なんで?」というのは、洋食指向なら、なんでコーヒーじゃなくてわざわざ手間のかかるミルクティーなの?ということが質問の趣旨なのだろう。好みの問題としか言い様がない。なんで、といわれましても、好きなものは好きとしか答えようがない。好みは、一応理屈がついても、最終的に論理的な解答が得られる保証などどこにもないし。


●ミルクティーの効用?

インドは、17世紀以降イギリスの植民地だった。中国のお茶はおいしい、しかし、強大な中華帝国(当時は明)の独占産業になっている(注意:お茶は中国発祥であり、紅茶も元々中国にあった)。どういうわけか、苗木が渡り、ダージリン高原などで栽培が始まった。よいお茶を売れば儲かる、しかも、自分達も飲みたい、この情熱がイギリスを紅茶大国に仕立て上げたのか。

インド人の中には、イギリスから使役されて紅茶の栽培の仕事に従事する人々がいた。彼らの間でミルクにお茶をいれて沸かすことが風習になって以来、病気や餓えが減ったと伝えられているそうだ。伝説なのかどうか、しかし、これはインド経験の長い方から伺ったお話。チベットの山奥でも、山羊の乳に、固めた茶葉を砕いていれるお茶があるし、高地で栄養を効率よく採取するのに適しているのだろう。

実際、お茶はもっとも効率よくビタミンCを採取する方法でもある。(もちろん、これだけでは繊維質が取れないため、野菜が必要なのは言うまでもない。)


ただし、こうした薀蓄は正直言って、自分がロイヤルミルクティーを飲んで「はぁ」といい気分でため息をつくことを、補強するものでしかない。とにかく、飲んでいい気分になれることが大事。そういうものは、たいてい身体にいい。身体によくないものが心地よいときは、どこか変調をきたしている、それが私の中の経験則。

ただ、難点が一つ。コーヒーメーカーのように自動化できない。吹きこぼれないようについてなきゃいけない。さらに、鍋にミルクがこびりつくから洗わないといけない。

でもね、そうまでしても、朝はこれで始めたい。

というわけで、今日もガッシュガッシュと、ミルクティーを入れたミルクパン(鍋ね)をたわしで洗うのである・・・


目次へ戻る