Factory Mail for NIFTY-SERVE

96年12月初旬、やっと Factory Mail for NIFTY-SERVE が出荷されました。 MP130は基本的にメールのやりとりができるはずなのですが、日本語の 通るメーラーがなかったので、これは多くのユーザーが待ち望んで いたものです。
これでやっと、日本語のメールを(とりあえずテキストだけですが) やりとりできます。

メーラーとはいっても、そこはNewton。やっぱり、コンピューター そのものとはちょいと印象が違います。
もともとNewton系の製品は、In Box と Out Box を持っています。 NotesやDates(スケジューラー)やNames(名刺カード)などの 様々なデータをBeam(赤外線通信)したり、Faxしたり、メール したりできるのですが、これらは I/O Box を経由してやりとり されます。だから、サードパーティがメーラーを作る時にも、 この I/O Box に適合するように作ります。もちろん、今回の Factory Mail もそうです。


メールを送信してみましょう。
Notesでもなんでも、とにかくデータをつくっておきます。そして、 ルーティング・アイコン(画面上で封筒の形をしている)を押すと、 Beam/Fax/Mailなどのメニューが出てきます。ここで、メールを選び ます。
すると、封筒が実際に画面に現れます。このメーラーをインストール しておくと、切手のすぐ横の配送サービス会社に「NIFTY-SERVE」が 現れます。封筒の左肩に、発信人の名前(つまり所有者)が入って います。「To」の欄は空です。
「To」を指定するために、ペンでタップすると、Namesに登録されている 人名帳が出てきます。Namesには電子メールアドレスを登録できるよう になっているので、登録済みなら表示されています。ここで、 NiftyかInternetのアドレスが表示されているユーザーを複数名 チェックして、スリップ(ダイアログのこと)を閉じます。
そして、送信ボタンを押します。すると、今すぐに送るか、 後で送るかを聞いてきます。モデムと電話線がつながっていれば、 ここですぐに送ってもいいですが、電車の中などで無理なら、 後で送るにしておきます。こうすると、Out Box に入ります。

モデムを接続できる環境になったら、Out Box を開いて、 Niftyへの送信を開始すると、それまでたまっていた Nifty宛のメールを一気に送出して、回線切断までして くれます。
もちろん、同時に受信も可能です。

受信は、In Box を開けて、ここでNiftyと接続すると、 新しいメールだけをとってきて、回線切断までして くれます。
受信箱に入ったメールは、そこで中身を確認して、 保存の必要なものはみんなNotesのデータにできます。 こうすると、後で普通のノートとして読み返せます。


これは素晴らしく自然です。なんだか、使うのがずいぶんと楽しく なりました。
私は、あのパソコン通信のメールはいまだのテキスト垂れ流しの 世界のままで、あんまり好きではないのですが、こうなると 使用感覚ががぜん変わります。
昔、アップルが自前のネットワーク・サービスとして、Macと Newtonを対象にした eWorld というのを実施していました(これは 96年3月一杯で廃止されました)。ここが標準のメール環境 だったのですが、これがなくなり、アメリカでは CompuServe 用の メーラーと、America Online(アメリカ最大のパソコン通信会社) のメーラーが標準的になっていました。日本でも、ようやく Niftyがその受け皿になりそうです。
惜しむらくは、テキストの送受信しかサポートしていないこと。 なんとか、Newtonの「絵と文の自然な混在」を、そのままメール したいですが、これについては Factory Mail Pro で対応の 予定だそうです。

なお、本当は私は、e-mail(つまり、世間でいう Internet の メール)に対応したソフトが欲しいのですが、これは Newton Internet Enabler という機能拡張ソフトがまだ日本語を通さない 状態で、来年初頭くらいには、なんとかなるようです。
現在のNewton日本語環境を作成しているEnFourが、Aloha(America Online用のソフト)日本語版と、Internet Mailer の日本語版を 作成中だそうで、私の待ち望んでいる本命はずばり、こちらです。


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