97年2月末頃のNewton事情

2月といえば、MacWorldExpo in 幕張(東京ぢゃないぞ)。
今年はけっこう盛り沢山なイベントがありました。Newtonの 赤外線ビーム(光線を発射して破壊したりするのではない、通信をするのだ)を 使ったNewtonスタンプラリーだの、FactoryMail の新版のデモだの、MP2000のデモだの、ユーザーグループによる速報NewtonBook の配布(直にNewtonに入れてくれる)だの。
eMate300に至っては、御本家アップルのブースにはなかった のに、日本語環境を担当したEnFour社のブースに2台確保されて いました。これは、えもんちゃんがデジカメで写真をとっています。 いいデザインだったなぁ。MP2000より話題になるのも、道理だ。

そういえば、この速報NewtonBookの配布の最中に ASCIIのMacPowerの取材がやってきて、 私のNewtonでデジタルビデオにデモを収めていきました。 その横で、ライターの林さんという方と、5分ほど会話をしました。 がんばってRhapsodyの記事をまとめてください、時々はNewtonの ことも書いてね>林さん

ま、これはお祭りです。楽しめればそれでよし。


この2月にあったいくつかの出来事は、このExpoにあわせて Newtonのシステムで日本語を通るようにするApple純正の パッチJ-Enablerの最新版が、Web上で公開されたことだった でしょう。あれほど秘密主義だったアップルが、最近は ひどくユーザーに歩み寄るようになりました。
また、アメリカでは Newton Internet Enabler (NIE) の 最新版も公開されました。今までのNIEはログリンスクリプト が必要だったのに対して(いまどき、ですぜ!)、今回から やっとPAP, CHAPに対応。最新のJ-Enablerとあわせると、 なんとか日本語を通してくれるそうです。ただ、漢字コード 変換が必要なので(JIS/SJIS/EUC <--> UniCode)、NIE-Jが 出てくるまで実用的とはいえないようですが。
これらはいずれも、私はまだ試していないですが、MP2000 のことを考えると、近いうちにNewtonの上でまともなスピード で、日本語でのe-mailのやりとりを行なえる環境は整って きつつあります。

そのMP2000ですが、このデモはアゼンとしました。文字認識が 速い、速い。他の動作も含めて、あらゆる動作がビュンビュン 走っていく…今までのMP130でのNewtonの動作から想像して見ると、 信じられない速度で動いていました。逆にいうと、やっとまともな速度に なったのですが(単なるNewtonScript Interpreter Machine が、コンパイラを介さずにリアルタイムにインタープリットして がんがん動作していくのは、ちょっと感動ものです)。
あの速度があれば、やっと日本語もまともに動き…って、 やはり、これはMacPlusからMacSE/30になった時の感想と 同じなんですよね。薄くて、画面も広くて、Webも見ることが 出来ればe-mailもOK、その上手書き認識もキーボードも使えて、 画面も16階調で見やすくなって、あんまり値上がりがなくて… といいことづくめですが、日本では値段の方はあまり期待できない かもしれないですね。

さて、他にも、パソコンとのデータのやりとりが可能になる X-Portの日本語版の発売、赤外線通信を利用してMacで入力した 文字をNewtonに送り込む(つまり、MacをNewtonのキーボードに してしまう)ための周辺機器「び〜エモン」の発売など、 かなり賑やかな状況です。
アメリカ本社では、Newton部門は縮小傾向にあるようですが、 火を絶やさず、きちんと製品は出してほしいなぁ。


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