PB5300に思う

私のPB5300は「リワーク」からの出戻りです。


どういうことかというと、このマシンは初めてのPowerPC搭載の ノート型マシンとして、いろいろなハード的な問題が出ており、 それに付随するOSなどのソフト的な問題も出ていました。それを fixするために、今年の6月から、アップルで一度ユーザーから 預り、中身を交換して、OSのアップデーションも行なった上で 送り返してくれるというものです。これを「リワーク」と呼んで います。
私は問題を含みつつも、日常の使用には致命的な問題となるほどの 状態になっていなかったので、とりあえず周囲の人々に「リワーク」 そのものの評判を尋ねつつ、8月に申し込んだところ、9月17日 必着が一番速い受付日になるということで、そこにあわせて料金 アップル持ちの宅急便(黒猫ヤマトの用紙もちゃんとよこして くれる)で送りました。


でも、これ、本来なら、販売店での無償交換みたいな形にするのが 筋なんじゃないですかねぇ。確かに、RISC-chipでのノート型マシン で、値段もなんとかそこそこに抑えるために、かなり無理したの だろうけど、もう少しましな措置にしてほしかったです。 アメリカではこの措置は、もっと迅速に行なわれていました しね。
ちなみに、リワークそのものは約1週間で戻り、まずまず とはいえるのですが、その間、ユーザーは何もできなかったわけ です。あんまりだよなぁ…。


速度の点に関していうと、7200/7500/7600/8500/9500といった PCI-BusをもったPowerMacに比べて、ずいぶんと遅いです。これは、 CPUが603eである上に、2次キャッシュを持てばだいぶ速く なるのに、持っていない点があります(デスクトップのPerforma のPowerPCシリーズは、すべて2次キャッシュを持っている)。
こういうのは、ハード的なものだから、次の製品では改善される だろうし、私も覚悟の上で使っています。しかし、問題なのは、 ソフト的な部分です。
最初に出荷されたPB5300添付のシステムは、IDEハードディスクの ドライバが、ちゃんとPowerPCに最適化されていなかったのです。 このために、起動から何からメチャクチャ遅く、しかもDOSフロッピー をマウントさせると2回に1回はハングアップし、ネットワーク 経由のプリントは10ページに1回はハングアップし…
もちろん、これらの問題はリワークでロジックボードを交換し、 液晶をつけかえて、システムをアップデーションしたので、 きれいになくなりました。でもね、これがちゃんとしたメーカー のやることかね?


漢字Talk7.5.3が、10月に出荷されます。この版になると、 いまだに68kのemulationで動いている Resource Manager など が PowerPC chip に最適化されるでしょうし、その他の部分も かなり安定・改善されているので、少しはよくなるでしょう。 でも、日本人にとって(というより、アメリカ以外の人間に とって)重要な TextEdit ルーチンが、PowerPCに最適化されて いないと聞いているので、日本語入出力の反応が遅いままです。これは 極めて重大であり、いまだに「ハードに余裕のないノート型では、 PB190のような、68kマシンの方が日本人にはいい」という状態に なっています。
MacOSに関しては、68k Mac は、無理して新しくする必要がない ですが、PowerMacは、新しいバージョンの方がPowerPC chipへの 最適化度が高くなり、より速くなっている可能性が高いです。 でも、OSのマイナーアップデーションを急ぐために、安定度が 犠牲になっているケースもあるようです。坂本龍一はこの問題に 巻き込まれてMacからWintelへ乗り換えたそうですが、Appleにはもう少し しっかりと出してもらった方が、ありがたい。

95年の秋から来年にかけて、コードネームHooper/Epicなる新しい ノート型PowerMacが出ます(後に、PowerBook1400/PowerBook3400として出た)。拡張性を飛躍的に 高めた構成のマシンになるようですが、従来の問題点や不安定度を排除した 形でのリリースになれば、もう少しMacを使うと思います。
ハードでは、PC-AT互換機で有名なアキアがMac互換機市場に 乗り出すそうですし、IBMがハード開発を受け持つサブノートMac も出るそうです。こういうものの方が、きっといいものになり そうに思えます。でも、肝心のMacOSがきちんといい形になって いくかどうかは、けっこう見ものです。
むしろ、BeOSの方がいいかもしれない。


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