Macを買ってから、
興味を失うまで

88年末、すぐに Mac Plus を買いました。
すでにMacII, MacSE などは出ていましたが、お金の関係で、 40万円で買えるPlusに落ち着いたのです。RAMは2.5MB、ハード ディスクは20MB。OSは漢字Talk2.0。時代を感じますね。(^^)
でも、これは使ううちにすぐ、速度不足を感じるようになります。 つまり、漢字表示には遅過ぎたのですね。89年夏に、漢字Talk 6.0.2が登場し、ちょっとだけ速くなりましたけど(初めて フォントキャッシュが搭載された)。店で見る、出たばかりの SE/30の速さに、家でのイライラがつのります。あまりの 遅さに、SweetJAMによる英語OSの日本語化でごまかしていました。

89年末、思い切ってSE/30を購入!
Macintoshの全盛期といえる この頃は、IIcx, SE/30, IIciと、立て続けに使いやすく寿命の 長いマシンが登場した時期です。
買ってきてすぐに思ったのは「なんて速い!」。自分の机に 32bitマシンがあるのはもっと先だと思ってましたから。これから数年、速度的な不満はあまり出ませんでした。安定してきた漢字Talk、独特のセンスのSimCityのようなゲーム、 ワードプロセッサーやかな漢字変換の向上、各種ユーティリティソフトの続々の登場で、環境的にも楽な時代が続きました。 同人誌の原稿も、手紙も、HyperTalkでのお遊びも、みんなこれ1台で済ませることができ、原稿の美しさは周囲の羨望の的でもあり、とても楽しかった。
この頃は、まだ日本語の通るTeX(UNIX発祥で、マルチプラットフォームになった組版ソフト)もなく、レーザープリンターで きれいに出そうと思うとMacが一番の選択肢だったため、会社にも導入されたので、家でも会社でも使っていました。
SE/30は96年まで動いていました。ハード的にはノークラッシュで、 きましたが、96年10月、眠りにつきました。


System7登場時には、GomTalkで疑似日本語化して、漢字Talk7.1登場 まで日本語も使えていました。
しかし、この漢字Talk7.1を使っている最中から、急速にMacintoshへの興味が 薄れていきます。
便利になった分、複雑になっていくMacを見ながら、何か違うような 感じがしてならないのです。同じ複雑なら、がっしりしたUNIXの上でX11を動かした方がいい。自由度もはるかに高いですしね。
また、会社でのjunet環境の充実(いまでいうInternet環境の前身にたあたるもの)、日本語の通るTeXの登場を見るうちに、 Macの築いた文化とは違う文脈で、より大きな流れがあることに気づいたことも、それに拍車をかけていたかもしれません。

PowerMacが登場する頃には、正直いうと、家のSE/30がぼちぼち動けばよく、これ以上Macを買うことはないだろうとまで思っていました。


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