MacOS Xの運用状況

2002.04.30


●たいへんに安定しています

MacOS X 10.1は、順調に版を10.1.1から10.1.4まで上げてきている。私のところでは、もうひどく安定している。カーネルパニック自体の経験もなければ、妙な動作で困ったこともない。不満な点は、G3 400MHzではさすがに遅く感じられる(iMac TFTで動かすと速いね)ことと、Classic環境で起動しなければならないアプリケーションがあること、PHSデータ通信カードが使えないことの3点くらいか。

昨年までは周辺機器環境の対応が今一歩遅れていた。しかし、今年に入って沖データ通信がモノクロレーザプリンタ(Micoroline ML12n)のプリンタドライバのベータ版を出した。特殊な印刷をしない限りは、印刷にも困らない。デジタルカメラ(Olympas C-40zoom)にはUSBですぐに繋がる。iPhotoですぐに画像管理に移れるし、単にデータを転送してブラウザソフトで眺めてもいい。LAN環境も極めて快適であり、ネットワーク処理の反応のよさと粘り強いカーネルのおかげで、インターネット経由の情報収集・調査からドキュメントの作成までが極めて気持ちよく、一貫性ある作業になる。それを美しいヒラギノフォントで印刷できる。うまく印刷すれば、文庫本のような印刷も出来る。

細かい不満がないわけじゃないが、少なくとも私にとっては快適だ。


●ネットワーク環境

ネットワークがどうなっているかを詳細に記すことは出来ないが、ADSL接続によりそう不満のないネットワーク環境が手元にある。もちろん、複数台マシンがあるから、LANで共有している(プロバイダもそれを許可するところ)。プリンタもこうしたEthernet接続の輪の中に入っている。ML 12nはもともとネットワーク接続用のプリンタであるから、このあたりは楽である。

大切なことは、ほとんど素のMac OS Xのままで使っていける点だ。ルータとの接続からファイル共有、その他がすべてIPベースで楽に進む。この点でMac OS 9.Xよりスムーズだ。

素のMac OS Xを使っていない部分としては、ウィンドウズマシンとのファイル共有環境がある。私はSamba for Mac OS Xを使っている。SambaはUNIXマシンをウィンドウズ用ファイルサーバ・プリントサーバに見立てることが可能なソフトウェア環境だ(参考までに、ここが公式サイト、日本ユーザグループはここ)。このMac OS X版がSamba for Mac OS Xである、ってわざわざ解説するようなことぢゃないな。公式サイトはこちら、ただし英語。その日本語関連情報はこちらで扱われている。


●素の状態でウィンドウズとのファイル共有

別にSambaがなくても、ウィンドウズ側でファイル共有をオンにしておけば、Mac OS Xをクライアントマシンにすることは出来る(つまり、ウィンドウズ側がファイルサーバになる)。ウィンドウズマシンで共有したいフォルダの設定をして、ファイル共有をオンにしておく。そして、Finderの移動メニューにある「サーバに接続...」を選び、ダイアログの「接続するサーバ」に、以下のように入力する。

  smb://ワークグループ名;ユーザ名@コンピュータ名/共有フォルダ名

このとき、ワークグループ名、ユーザ名、コンピュータ名はウィンドウズマシン側のもの(この内容は、ウィンドウズのファイル共有に関する本や記事を読むべし。ここでいちいち取り上げない)。共有フォルダは、自分で設定したウィンドウズ側の共有フォルダの名前。

ここまで入れて次へ進むと、パスワード入力を促される。ウィンドウズのユーザ名に対応するパスワードを入れれば、Mac OS Xにウィンドウズの共有フォルダがマウントされる。

このファイル共有では、Windows 98/Meなどの日本語ファイル名が、Mac側から正しく見えないそうである。私はWindows 2000とMacで行っているが、問題なく見えている。内部でUnicode化されていて、外部とやり取りする際のコードも考えているWindows NT系カーネルは、Mac OS Xからもうまく見えるようだ。


●やっぱりSambaは便利

このやり方でしばらく使っていたが、やはり面倒。たとえば、DHCP環境ではコンピュータ名にIPアドレスを入力することになる。毎回変わるIPアドレスを調べて入力するという、トホホな話になる。しかも、こっち(=Mac OS X)はUNIXであり、Sambaで弾力的な運用が可能であるにもかかわらず、である。

Samba Xを導入することで、非常に便利にファイル共有できる(インストールなどは、先に紹介した日本語サイトにきちんと掲載されている)。Mac側で一度きちんと設定しておけば、あとはウィンドウズ側からネットワークコンピュータを探しにいくと、Mac OS Xマシンがサーバとして見える。ウィンドウズ側がクライアントになる。好みの問題だが、私にはこのほうがなんだか操作しやすい。

昨年から使っているが、特に今年出た「Samba Sharing Package」は設定が楽になってきた。これから導入する場合は、「Samba X 日本語版」よりも「Samba Sharing Package」のほうがよい。設定をシステム環境設定のパネルから行えるようになったからだ。特に素晴らしいと思った点は、UNIXシステム上のユーザに対して、Sambaユーザをきちんと設定する画面を作ってくれたこと。これ、意外に忘れがちで、たまにしか設定をしない人がはまりやすいポイントだったりする。作業された方々に大拍手を送りたい。


●まだネイティブになっていないもの

MacromediaのDreamWeaver & FireWorks。これは一応Classic環境で動くが、遅く感じられる。これが移行すると、日常的に使うものに関してはほとんど移行が済む。(実は古いNifty環境が残っていて、Classic環境で無事に動いているが、もうバージョンアップなどないだろうと思う。)

それよりも気になっていることがあるのだ。


それは、VirtualPC

エミュレーション環境の動作速度が問題なのではない。いや、問題じゃないというのは言い過ぎだな、でもそういうことはまぁ、無難に動いてくれれば我慢する。

私は、バッテリの消費量が気になっているのだ。

エミュレーション環境は、CPUの代わりを勤める。これは無限ループをしながら入力を待つ形態で動作している。消費電力を考慮した仕組みを導入したり、プロセスの優先度を下げたりすると、激しく動作速度が落ちる性格のソフトウェアでもある。つまり、PowerPCの省電力機構をあまり利用しない形態にしているんじゃないかと想像している。

PowerBookやiBookなどで使うと、電池切れがやってくるかも・・・これが、なかなか購入に踏み切れない理由。外出時に作業を行う際に使って、あっという間にバッテリが減っていったら、目も当てられない(そうなったら、2.9kgの重りを持ち歩くだけになる)。

実際のところ、どうなんだろうか。今まで使ってきたSoftWindowsはとうに開発が終了してしまった。この後継環境も、それなりに必要なんだが、たぶんその前に、G4に移るかどうかほうが問題なんだろうなぁ。

ところで、今日発表されたPowerBook G4の新シリーズ、三次キャッシュが1MBもあって、速そうだね。(まだ買わないけど。)


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