PB G3がやってきた

(注)この記事は、2001年2月に書いています。


2000年の5月、ある日突然、それは起きた。
いつものように夜、自宅でPowerBook 2400cを使ってメールのやりとりをしている最中だった。それが一段楽してから、Adobe GoLive 4.0を起動して別の作業に入ろうとしたその時。

妙な、なんだか突っかかるような滑らかさのまったくないマウスポインタの動作とともに、 急に元気のない動作になった。と、その直後、フリーズした。
おやおやと思いつつ、再起動する。そして、もう一度GoLiveを立ち上げて作業をしようとすると、今度はちょっとウィンドウを開いた瞬間に完全に固まってしまった。
どうしたんだろう、珍しく不安定だと思いつつ、再起動をもう一度行う。

起動しない・・・

こういう事態はあまりない。というか、非常に珍しい。何度か試みて無駄であることが判明したので、大人しく寝るしかない。
しかし、翌日、PowerManagerのリセットから何から、考えられるあらゆる手段を講じても、一度微かに立ち上がっただけで、もはや二度と起動しなくなった。

さすがにこれは、ハードウェアだ・・・多分、電源か、メモリか・・・


仕方なく、週末まで待ってから、急いで日本NCRの秋葉原クイックガレージに持ち込む。ここまで厳しい事態に至ったのは初めてなので、専門家に見てもらうしかないと考えたのだ。(注意:現在は、PowerBookシリーズ全機種はアップルの回収修理が前提になっている。昨年秋からだ。従って、持ち込み修理は受け付けてもらえない。ちなみに、Amuletはどうかというと、あそこは修理ではなく、パーツの交換をやっているのである。)
ドキドキしながら待っていると、先客はPowerMac 8500を担いできたおじさん(多分デザイナーじゃなかろうか)、PowerBook G3を持ち込むおねーさん。みんな不安そうな表情から、対処法がはっきりして活気が戻ってくるのがわかる。

自分の順番が来ると、頼もしい感じの職人さんに呼ばれる。この人が、PB 2400cのオペ担当医。いそいそとカウンターに腰をかけて、症状を告げるや否や、細かい質問をしつつ、どんどん開腹手術していく・・・ものの10分で、すっかりバラバラになってボードを見せたまま通電可能な状態になった。速い!
ちょっとチェックをして、通電してみる。ダメ。起動せず。
続いて、担当医が手許に用意してきたドータボード(PB 2400cはマザーボードに載っているドータボードがCPUボードである。このために、アップグレードしやすいのも特徴)に付け替える。通電してみる。
お、動いた・・・おおぉ、起動した!

「メモリも大丈夫ですね。これはCPUボードです」
「えぇ、そんなこと、あるんですね」
「いや、熱の問題もありますしね、この機種はたまにあるんですよ」

で、担当医の話。純正のCPUボードは、保証期間も短い上に、熱も持ちやすく、それなのに8万円もする。できればアップグレードカードがいいのだが、今は在庫がない。それに、いずれにせよ高い。本当はオークションや知人経由で割安のものがあるといいのだが、とにかく持ってくればつけてあげる、とのこと。

結局、私のPB2400cは購入時の1GBハードディスクをCitiDisk(PCMCIAカード経由でATA企画のハードディスクを読ませるケース)に突っ込んで、内蔵を4GBに拡張している。まずはこの救出が急務なので、4GBハードディスクを取り出して、こちらを逆にCitiDiskに入れる。そして、購入時の状態に戻してもらった。
要するに、手許に適切なCPUカードもないし、いったん冷静に考えることにした。


帰りにお店を覗いて歩くと、確かにG3アップグレードカードを在庫している店もあった。しかし、いずれにせよ、8〜12万円。今、この価格を出して、へたったキーボード・青白い古い液晶と数年つき合うか?それとも、新しいマシンにしたほうがいいのか?しかし、新しいマシンは30万円を超える。その出費が痛くないわけはない・・・

結局、私の決断は「10万円以上出すならば、買ったほうがいい!」

翌日、再度秋葉原に赴いて、PowerBook G3/400 FireWireを購入。
メモリは128MBのものを追加して、合計196MBにした。これで、PB 2400cの倍のメモリ容量である。

買ってきたその日のうちに、私はあまりの快適さにうなってしまった・・・ここ数年、iMac、PowerMac、PowerBookの製品ラインを相次いで新しくしてきたアップルは、伊達に持ち上げられていたわけではなかった。


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