闘病通信


98年5月から98年10月までの経過


以下は、リアルタイムに書いたもので、一度休職を 終えてから、再度休職するまでの記録。

●98.10.01

結局、いろいろ医者と相談したり上司と話し合った 結果、しばらく休職することにした。食欲が戻らない ために体力が回復せず、痩せていっている点を 医者が心配しており、いったん雑事から離れて 静かにして体力を回復させ、そうすれば様々な 事態に対処する気力も蘇るだろう、というお話 である。

会社の皆さんにはご迷惑をおかけしますが、 医者と相談しながら半年ほど休職して、 様子を見ながら復帰したいと考えています。 手続きはすでに始めているし、仕事の引き継ぎ などは行なっているので、事実上休職が始まった と思ってください。すみませんが、お願いします。

●98.09.24
今週は中休みが1日あって、よかった。なんというか、 原因不明の調子の悪さで月曜〜水曜(水曜は祝日) まで、頭痛がずっと続いていた。今朝はいくらか 緩和しているが、まだ続いてはいる。食欲は、 前の風邪以来、あまり戻らず。
今日の夕方に医者へ行くのだが、こういう「原因の はっきりしない、しかし、はっきり自覚症状のある 病気」というのは、みんな自律神経失調症と名づけ られる。その原因は心的な部分もあるし、この症状の ために体力が落ちて二重にひどい目にあう部分も ある。
本人はきちんと直してがんばる気でいるだけど ねぇ・・・医者に言わせると、焦るのはかえって よくないそうだ。難しい(苦笑)。
●98.09.09〜11
3日間、熱とひどい下痢でダメージを受けまくってしまった。 なんというか、体力が落ちている状態で風邪をひいて、 喉ではなく胃腸のほうにゆくと、簡単に感冒性胃腸炎として ものすごい症状になってしまう。

どうも8日(火)に調子が悪いと思いつつ会社に出ていた。 座っているのがやっとだなと思っていたら、下痢がひどく なり、体がごわごわなのでとりあえずマッサージを受けて、 帰宅。帰宅途上あたりで体がどんどん熱くなり、家で熱を はかるとすでに38度を越えている。バファリン飲んで、 とにかく、寝る。
翌日、9日(水)は39度の高熱。近所の内科で診察して もらうのだが、熱がひどくて全身がきしんで痛み、 立ち上がって着替えるだけで難儀する。なんとか這うように して医者へ行き、薬をもらう。家に戻るが、何も食べられず、 とりあえず薬を飲んで、水を多めに飲んで、寝る。もう 寝ることしかできない。水を沸かして飲むことさえ億劫で、 水ばかり飲んでいた。お腹が痛む。
さらに、10日(木)、熱は微熱程度に下がったが、 便意で起きる。午前中だけで6回のお通じ。医者へ再度 かけこむ。通常ではじゅうぶん効果が出るはずの 下痢止めがまったく効果がなく、少し強いものに 交換して処方。前日は熱で寝過ぎたせいか、この日は 眠くても眠ることができず、かえって難儀する。 お腹の痛みはなかなかよくならない。
11日(金)、この日も出社は不可能な状態。 ひどいだるさ。まだお腹が痛むが、夕方くらいに ようやく安らいでくる傾向が見えてきて、少し 安心する。強度の頭痛。熱はやっと落ち着いて きたが、立ち上がると空間が回る。これは、 自律神経失調症の症状そのものだ。風邪で体力と 生活リズムが乱れて、再発した模様。
土日は家で静かに過ごす。やっとちょっとずつ 回復。ただし、くるくる回って頭が痛いのは 消えない。月曜日には再度医者へ行かないと・・・。

●98.08.18〜21
夏休みがあけて、1週間かけて始動していくうちに、なんだか 妙な体調になってしまった。
休みあけの1週間が過ぎて、その翌週に月曜日に出社して、 一応仕事はできたのだが、翌日から吐き気。食物をあまり とれない。風邪っぽい感じもする。実は休み中に風邪をひいた こともあって、少し体が過敏になっていたのだが、それが 極端になったようだ。4日間も休む。(そのあとが土日 だった。)
医者に相談して、吐き気止めや胃を守る薬などを処方して もらいながら、面診をする。疲れとストレス・・・
ストレスって、自分が好きなことをしていると、かなりきつい スケジュールでも感じないんだよね。また、元気なときは 少々のストレスにも耐えられる。どうも、やはり過敏に 反応している状況。

こういうのは、自分で自分がもどかしい面がある。なる前に 知識はあっても、なってみないとわからないことが多い ものだ。

●98.08.12
まさか夏休み中まで闘病通信ネタが発生するとは・・・

夏休み前は、少しずつ体力も戻りつつあったし、医師とも 相談のうえで、京都旅行を計画していた。散歩中心の 旅行ならむしろやったほうがいい、という話でもあっ たし。
ところが行った旅行先で、気持ち悪くなってダウン。 症状としては、お腹に巣食った風邪に非常に近く、 その線でホテルのお医者さんに投薬を受けたのだが、 戻ってからもはかばかしくない。

夏休み明けの初日に、心療内科で相談したら、 血圧が異常に低くなっている。やはり、 体の内部から来る症状で抵抗力が極度に落ちていた 模様。消化器を守る薬や吐き気止めで一時的に 体を維持する状態を作って、気持ちを安定させる ように気遣う指示をもらう。
しかし、休んでもこれではひどいものだ。 最悪の休み明け。しかも、これから忙しいんだ よなー。どうしよう・・・。

●98.07.22
早いもので、もうすぐ夏休みなんですね。

7/10に某学会でソフトの展示に立ち会ってきたのだけど、 やはりいろいろと体調が最悪で、ひどかった。それでも、 学会だから発表の間とかはそこそこ休む時間もあるの だが、ずっと緊張していなければならない。しかも、 夕方からの懇親会にも出席することになっていたので、 実は相当きつかった。頭はがんがんするし、やや吐き気が する。
学会や懇親会では、大学が同じ人たちが数人にて、その人たちに なんとか笑顔を作りながら話をしていたから、まだ どうにかなった。けど、懇親会は一通り話をしたら 帰ってもよい、ということを私は知らなかったため、 最後までいなければいけないと必死になっていた。 そうしたら、山下さんは先に帰ってしまったそうな。 がっくりきた。そういうことは、早めに教えてくれよー。

翌日は土曜日で休みだったが、顔色が真っ白でほとんど 血の気がない状態。確かに休みだからどうにかなる ともいえるが、回復しないまま翌週に入り、しかも マニュアルを仕上げねばならず、地獄の2週間だった。
こういうの、ほんとうに、体力がちゃんとあるとき なら、そんなに堪えないんだけどねー。

ちなみに、これを書いている現在も、血管性の頭痛が 出ています。うーむ。
自律神経失調症というと、なんだか調子が悪いときには みんなそう呼ばれるのだけど、ほんとうに自律系がおか しくなると、鼓動とか呼吸とか、時には体温とか、 いろんなところに出ます。
最近、それでも夜は寝て、朝は起きて、というリズムを 体が思い出し始めつつある。うー、やっとここまで の進歩かー。

●98.06.19
風邪は直りつつあるが、首の筋の凝りが全然直らない。 これはたぶん、マッサージが必要みたい。

ところで、5月の下旬から6月の中旬にかけて、 なんだかどうも体がままならない状態が多かった のだが、この時期の自分を振り返って、仕事が あまりはかどっていないこともわかった。4月は リハビリがかなり入っていたので、5月くらいから 徐々によくなることを期待していたのだが、 そうもいかなかったみたい。
この仕事が進むがのろい件だが、普段なら自分の 体調から仕事の状況から私生活まで、自分で状況を モニターして、自分で出来事を調整しながら、様々な 事柄がみんなはかどるようにもっていくものだ。 それが、自分をモニターする機能さえ満足にいって ないような状態。
一言でいうと、自分の体調に足をからめとられて、 先へ進まない感じなのだが、現実にはこれだけ ではない。皆さんなら、「それならちょいと気合いを 入れればいいじゃないか」と思うし、私だって そう思う。そうしようとして、力が入らず、 はっと気がつくと15分くらいはボーゥっとした まま過ごしてしまう、といった状態。
肉体的な原因は、一言でいえば血圧の上限と 下限が近過ぎる、つまり血管が弾力的にきちんと 体を活性化させるようになっていないこと で、つまりあんまり進展はなかったらしい。
風邪が直ってきて以降、少しずつよくなって いるような気がするので(立ちくらみや不活発さは まだ残っているが)、回復基調にいくと願いたい ものだ。

ま、こんなとこでこんなことをタラタラ書いても 単なる愚痴で、先へ進む何かになりそうもないが、 書かないよりは書いた方が気持ちをまとめるのに いいみたいなので、書いてみた。
単なる一人言みたいなもんです。

●98.06.17
6/15(月)の1日と、6/16(火)の半日を、休む。
土曜日に大学時代からの友人の結婚式があり、 頭痛がしていたのだがお祝いごとなので出た。 その後、ゼミの先生やらとお茶をしていたのだが、 調子悪いので帰ることにした(結局、みんな飲みに 行くのはやめてしまったようだが…)。
で、日曜日は家でおとなしくしていたが、どうも 食欲もわかないし、頭痛も消えない。早めに 寝たのに、翌日の月曜日、めちゃくちゃ気持ち悪く、 朝食自体を食べることができない。電車に乗る こと自体が無理と判断して、近所の内科へ行く。
前に往診してくれた先生で、ずいぶん丁寧にみて くれて、結局風邪が悪化した胃腸炎と診断された。 投薬が早かったのか、これはどうやら割合順調に 回復しそうだ。(まだ回復途上だし、頭痛も 消え去ってはいないので、油断はできない。)

いずれにせよ、久々に「少しずつ回復する」という 気分を味わって、ちょっとだけうれしい。風邪とか だと、とらえどころのない病気ではないために、 回復していく様子が目に見えてわかる。
血圧やその他のほうも、こういう具合になれば いいのだが、心因性と疲労の蓄積によるのものは そう簡単にはいかないのだなぁ。

●98.06.10
6/8(月)〜9(火)にかけて、休んでしまった。
月曜日は、体が重い。医者にいくのに、いつもの3倍の 時間がかかる。歩く途中で老人に追い抜かれて、ショックを 受ける。おいら、まだ30代なかばなのに…(;_;)
医者で血圧を計ったら、上が98で、なんと100を切っていた (下は72。これもたかすぎて、総体的に幅が少な過ぎる)。 これくらいだと、なんというか、世界全体がぼーっとしていて、 まともに刺激に反応できない。会話のテンポが遅くなって、 ついてゆきにくくなり、聞きたい音楽も思い浮かばない。 個人的には重症。医者の待合室で、私があまりにつらそう だったのか、和らげようとしてくれる人が出たくらい。
医者とカウンセリング。まぁ快方へ向かう対策を 立てる。それしかやりようがない。

以前に書いた血液検査の結果だが、貧血症になるほど ではないが、どうも一部の値がちょっと通常より高過ぎる。 いずれもストレス性のものらしい。(これは、5月末に 通院した時に告げられた。)
これは、薬で助けながら、生活と体のバランスやリズムを 思い出すようにしていくしかないようだ。

火曜日は状況はあまり変わらない。ただ、午後から 医者のいった対策にそっていろいろやり、少し 気分が上向く。とにかく、部屋にこもってふさぎこむ のが一番よくないので、少し近所をゆっくりと歩く。 木の葉を見ようとして、焦点が一瞬合わない。かなり 目が疲れていたことに気づく。体の疲労感が、目に きている形だ。
夜に、少し元気づけるために、アーノンクール/ ベルリン・フィルによる、ブラームスの大学祝典序曲 を聞く。この曲が格別に好きなわけではないのだが、 アーノンクールによるこの演奏は、ひどく高揚した 劇的なもので、解放的で雄大、高いところから見下ろす ような感じがする。オケの音も「こっからさらに クレッシェンドするか」つー底力のある音がする。 元気になるが、少し心臓がドキドキしすぎたので、 フォーレのレクイエムを聞いて中和する。 ジュリーニのこの曲の演奏は、アンコール・ピースの ようにラヴェルの「亡き女王のためのパヴァーヌ」 が入っている。うれしい終り方だったりする。

●98.05.26
23日の土曜日に、通院。状況が好転しないために、 念のために血液検査。食事は、一応最低限の量は 食べられるので、一応だいじょうぶだとは思うが… しかし、現実には、たちくらみなどがいまだに 頻発している。

このために、25日の月曜日は会社を休んで しまった。何もしないのはかえってつらいので、 モーツァルトのピアノ協奏曲を聴く。22番と23番を 連続して。
音の描くアーチが美しいラインを出現させ、 しみいるような音色でかけあいが続いて いき、そのたびにそよ風が頬をなでるような やさしい音が吹いてくる。健康なら、どんなに 心を弾ませて聴くだろう、と思ったりする。 それでも、今の私には、最上の慰めの音楽かも しれない。風を感じさせてくれるだけでも、 とてもうれしい。
こういう心境の時には、クラリネット協奏曲 みたいな音楽は、あんまり聴く気になれない かも。


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