猫時間通信

2002年1月17日〜2002年1月23日

 

■2002/01/23■ 神保町いもや

久しぶりに神保町で少し資料を漁ってから、夕食にいもやを選んだ。天丼のいもや。学生時代から実に世話になった店。

中に入ると、まったく変わらない。厨房にいる方々まで変わっていない・・・いや、少々お年を召されたか。天丼が中盛で550円。そのまま頼む。

辛いタレも、上に乗っているネタも変わらない。そして、ここは安い丼の店にしては、ご飯がおいしい。それも変わらない。

一粒残さず食べると、50円引いてくださる。それも変わらない・・・ごちそうさまでした。

昨日とは正反対の経験であった。


 

■2002/01/22■ 新宿コタニ閉店

大雨の後は、気温が異様に高い。


新宿のコタニの前を通ったら、閉店セールをやっている・・・

え?!閉店?!

そう、閉店すると書いてある。2002年1月31日が最後。現在、在庫処分セール中で、新品がみんな20%引きだそうだ。輸入楽譜は50%引き。一部、定価商品もあるが、レーザーディスクの在庫は1,000円からあった。


ここで初めて買い物をしたのは、中学生の頃だろうか。現在のコタニは、店舗の1階にすべての商品を陳列しているが、1980年代までは違っていた。1階はレコードやCDの売り場、中2階に音楽教室のスタジオがあって、3階が楽譜と楽器売り場。そこそこ規模も大きく、私は時々楽譜や5線譜ノートなどの買い物をしていた。初めてフランス・ブリュッヘンが編曲したバッハの無伴奏チェロ組曲/リコーダー版を買ったのも、ここ。

新宿で大きな音楽の店と言えば、ここだったのだ。新宿に出たついでの買い物は、ここでするものだった。そういえば、丸井や追い分け団子のあるあたりに、ブラザーのお店があって、そこでもレコードを売っていたなぁ。ブラザーって、そう、電子機器やミシンのブラザー。今は新宿の無印良品の入っているビルの地下には、帝都無線(という名で音楽ソフトを売っている店)もあったなぁ。

コタニは長いこと総合音楽店舗だったが、1990年代前半だったろうか、3階を全部払って、1階に統合したことを覚えている。現在の店舗の形態だ。それでも、その後は安定したいたようだが、やはりHMV、Tower、Virgin Megastoreと巨大企業が争って拡大していくのにはかなわなかったのだろうか。

入り口の紙には、創業以来50年と書いてあった。50年ですか・・・新宿3丁目の再開発計画のために、店を閉めるとも書いてあった。どういう計画なんだろう?

それはともかく、時代を感じる出来事。


 

■2002/01/21■ 大雨、Samba for MacOS X

昨日、あんなことを書いたからなのか、今日は大雨になった。しかも、湿度も高く、梅雨のようだ。

午後、ひっくり返るような大雨と雷にびっくりする。これでは春の嵐。


MacとWinのファイル共有を行っている。最近はMacOS XがSambaクライアントになれるので、MacOS X側をクライアントにすることが多かった。

その前に一時期、SharityというソフトをMacOS Xに導入していた。MacOS Xを楽にSambaクライアントに仕立てるもの。MacOS X 10.1以降はそのままでのSambaクライアントになれるのだが、かなり面倒なので導入したもの。

ただし、先にWindowsを終了させてしまうと、接続を切った場合でも、MacOS Xの終了時にずいぶんと待ち時間が生じる…終わってくれない。つまり、サーバを見にいって「終わるよ」と切りに行くようなのだ。うーん、正しい、正しいんだけど…結局Windowsを起動させて、もう立ち上がる頃に、やっとMacOS Xが終わってくれたりする。律儀にサーバの様子を見に行くのは確かに正しい設計なのだが、律儀すぎて困ってしまった。

それで、仕方なく、Sharityは切った。MacOS Xの「サーバに接続...」メニューから、「smb://ワークグループ名;ログイン名@サーバ名/共有フォルダ名」と手入力する方向に戻す。しかし、これはいくら何でも長くて面倒すぎる・・・

いい加減、うんざりしてきたので、ちゃんとSambaを導入することにした。インストールも何も単純至極で、すぐに共有できるはず…いや、久々にやって、はまってしまった。仕方なく、SambaXのサイトを見に行くと…何のことはない、smbpasswordを設定していなかったのである! これじゃ、初心者だぞ!

と、この文だけ読んで、十分に理解できる人は、まぁ間違うことはないのでしょうけど。本当に久しぶりだった(2年ぶりくらいかなぁ)のだが、あぁ、はずかしい。


 

■2002/01/20■ 家事の中で一番・・・

・・・嫌いなものは、皆さん、なんでしょうかね。

私は実は、文句なく洗濯なのだ。

普通に考えれば、洗濯機が全自動でやってくれるし、あとは干すだけ、手間いらずで、洗濯機の動作中には他のこともできる、こんな素敵な家事はない、というところではないだろうか。

私の場合、まず洗濯物を干すという作業があまり好きではなかったりする。そりゃ、パーンと音を立ててシャツを干せば、まぁ悪い気分はしない。だけど、靴下、その他の肌着類、シャツなどをあれこれと干してゆく作業が続くのが、いい気持ちがしない。

しかも、外に出すから、天候が不安定な場合は精神衛生的にもよくない。いつ濡れるかと心配になる。そもそも、私は湿度や臭気に過剰に反応する(神経質というより、カナリヤと言うほうが正解かも)から、自分が身につけるものが一度でも雨水をかぶるのがうれしくない。そういや、雨で濡れることも大嫌いである。

というわけで、今日は夕方帰宅したら、すぐに洗濯物を中に取り込んだ。生乾きなので、ついでにエアコンの近くに吊るしてしまう。


夜中、雨が降ってきた。いやー、取り込んでおいて正解。生乾きだからと外に出しておいたら、自分のその選択に立腹して不機嫌になるところだった。

って、なんでそんなことでイチイチ不機嫌になるわけ>自分


 

■2002/01/19■ Suicaカード、車谷長吉

JR東日本が発行している、運賃精算システム用ICカードを、Suicaカードと呼んでいる。一昨日の日記でも触れたが、定期とプリペイドカードの2種類ある。これ、結構東京では使っている人を見かける。

私もまぁ、ICカードはどんな使い心地を提供するもんかのぉ、などと思いつつ買って、使っている。皆さんはどう思ってるんですかね。

私は現在定期券を使っていないので、プリペイド型のほうを購入した。だが、はっきり言って、従来のIOカードとそれほど変わらない。カードフォルダーから取り出す手間がなくていいじゃないか、という人は多いだろうと思う。そうは言っても、私個人はわざわざIOカードから移行するほどのメリットに思えないのだ。

だって、あらかじめお金を突っ込む点も同じ。自動改札に触れるか、リーダーに直接読ませるか、という違いはあっても、1秒程度の処理速度の差をゴチャゴチャ言う気もしない。あらら、これってすっかりジジイになったってこと?

ポストペイドカードになっているなら、かなり評価に値するが・・・(それはないものねだりなの?)


車谷長吉が文学界に出した短編「神の花嫁」を読む。

この人の文章は、最初からなんかまがまがしい気配が漂う。そして、美しい女性と知り合って素敵な会話を交わすくだりも、なんだかまがまがしい。そして、まがまがしさは途中から哀しさに流れ込むが、当然のことながら感傷を拒絶して、ぱたりと流れが止まる。言葉そのものの転調ではなく、情緒の転調とでもいうのかな。

ストーリーを紹介しても仕方ない話なんで、読むしかない(短編だからそう時間はかからない)。私はこの作家は好き嫌いでいうと、そう好きなほうではないが、やはり目前にあれば読んでしまう。


 

■2002/01/18■ MacLifeが休刊

もはや旧聞に属することだが(ほんとにネット世界は数日経つと古い情報に成り下がってしまうね)、1月11日に「MacLife誌を編集していた会社が倒産、MacLifeは編集中の1/18発売の2月号も出ない」と報道されていた。

Macintoshを草創期から支えた雑誌だろう。最初、MacWorld日本語版という雑誌が1986年に、季刊で出た。3号が出ず、がっかりしていると、MacLifeという名の雑誌が登場。当時は河出書房新社が販売を担当していたが、やがてBNNがきちんと自分で流通させるようになった。BNNは80年代にBugNewsという名雑誌の発行に関係していたはず。余談だが、この雑誌の連載は本当に面白かった。

Mac+Cyberという同じ版型の雑誌も登場。少し経つと、MacJapan(技術評論社)、MacPower(ASCII)と、続々と雑誌が創刊される。世間はDOS、MacintoshのGUIが素敵に見えて、UNIXの世界はエンジニアリング・ワークステーションと呼ばれ、パソコンとは別世界だった頃。Mac+Cyberだけはすごく変なテイストの雑誌で、TRONとMacの比較などという妙な連載もあったが、月刊化されることなく消えていく。

MacLife、MacJapan、MacPowerと月刊3誌の時代に市場が拡大していくと、ソフトバンクがMacUserの日本語版を出し、毎日コミュニケーション(MyCOM)はMacFanを出した。MacUserは月刊だったが、MacFanは月に2回の隔週誌。これは斬新だった。ネット時代は情報が速くなるし、それをフォローするのによかったのだろう、ノリのよい原稿とともに、急速に読者を獲得していく。技術情報に偏っていたMacJapanは休刊、技術評論社はMacintosh Developers' Journalを季刊で続行する。

1996年あたり、急速にアップルが業績を悪化させた時期には、MacUserも紙媒体を停止して、MacWEEK日本語版というWebサイトに注力する。これは現在のMacWireの原型。しばらくすると、Macintosh Developers' Journalも休刊。

残った紙媒体はMacLife、MacPowerの月刊誌、MacFanの隔週誌になった。Macintoshユーザは少数派である現実を認識せざるを得なかったし、次世代OSがうまくいくかどうか保証もなく、まぁひどい時期でもあった。この頃、アメリカでは既に各種紙媒体の統廃合などがあった。結局、アメリカではMac情報はWeb中心にシフトした。

日本にその波が遅れてきた、という見方もあるだろうが、私はちょっと違うと思う。MacUserがなくなり、Webに活動を移行した段階で、既にリアルタイムにやってきた波だから。それに、MacLifeの読者は、かなりMacFanに流れていた(そのMacFanは、Web情報も盛んに出している)。しかも、MacPowerに部数で抜かれ、他の会社と違ってPCやPDAに関する独自の雑誌や媒体が少ない。アスキーなどはWindowsでそこそこ稼いでいるし、MyCOMも同様。Macintoshに絞り込んでの雑誌は、きつかったのかもしれない。最近のMacLifeは、かつてのMacPowerよりも遥かに辛口になっていたが、それも読者離れの一因だったのだろうか。


BNNが出す書籍は、一定のレベルを維持していて、私は評価していた。お手軽そうに見える入門書も、一応は次のステップへ上がるための配慮がなされていたものが多い。もっとも、そんなものを考えたくない、iMac以降のユーザには、あまり売れなかったのかもしれないが。

おじさんの繰り言になっちまうが、Bug News以来の出版社が消えるのは、やっぱり残念だなぁ・・・


 

■2002/01/17■ ICカードの権益、可と不可の境目

ヨドバシでCD-Rメディアを買おうとして、ポイントカードが出て来ない。急いでいたので「ポイント、いらないから」と言って出てきたが、見つからん・・・いくらたまってたかも思い出せない。

10年くらい前から、ICカードに様々な店のポイントなどが一括して管理できるようになれば、という話はあったけど、なかなか実現するもんではなかった。ところが、JR東日本がSuicaカードを導入して実用化したあたりから「ICカードは一括運用できないかなぁ」という希望が実際に聞かれるようになってきた。

昔から問題になっているのは、これが通貨として振る舞えるため、どの会社も握りたい権益であることだ。クレジットカード、銀行、流通、国まで含めて、みんながほしい権益・・・本当に昔から、何度もこのことが言われてきた。

通貨に関しては、ドルがあまりにひどい動作をするので、ドルから離脱を希望する動きもあるし、現実の通貨をどうにかしたい、という話も聞かれる。アルゼンチンには物々交換から始まった交換単位が、通貨並みの発展をしたりしたそうだし。日本でもNAMがある。権益からの離脱。

どういう方向がよいのだろうね。


久々に会った知人と、夕食とお茶。東京大飯店はいつの間にかこぎれいになっていて、感じもよくおしゃべりしやすい店になっていた。

お茶は、新宿の東口に近い面影珈琲店というレトロ調の店を選んだ。私はこの店については、ちょっと造り込みが甘いなぁ、という印象もあったのだが、おおむね好評。まぁ、みなさんそこそこ突っ込んでましたが、基本的には感じのいい店、という印象を持っていただいたようです。可と不可の境目という気持ちで紹介したけど、喜んでもらえるなら何より。

新宿の駅近くで感じのいい店、少ないしね。なぜ駅の近くを選ぶか。ぎりぎりまで話し込んで「あ、終電!」という時、駅の近くが有利だから。(苦笑)

 


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