2000年07月の猫時間通信


●2000.07.27〜31 -- 京都旅行

京都旅行中でした。いま、別に日記を書いてます・・・はい、記憶がさめないうちに書きますです。


●2000.07.25〜26 -- 出張

大阪に出張。会社からそのまま新幹線で大阪へ行き、1泊して早朝(朝の7時に集合だから、6時前には起きていた)から出発、夜までお仕事。でもまぁ、6時半には終わったからよかった。そのまま7時過ぎの新幹線で再び東京へ。
中には1泊せず、26日早朝の新幹線で現地合流した人もいる。最近の出張は忙しい。

私はこの翌日から夏休みで京都に行くのでそのまま残る選択肢もあったのだが、やはり家に戻って寝て、仕事を落としてから休みに入りたかったので、戻ることにした。


大阪には夜の9時に到着して、9時半過ぎにはホテルに入った。翌日の朝食を買いに(朝の7時に集合して動き始めるのでは、ホテルのモーニングなど食ってる暇はない)出たのだが、京橋のあたりって、有楽町裏手みたいな汚い飲み屋街があるのね。妙な親近感が出る。ただ、驚く程キャバクラねーちゃんが立ってて、邪魔。

京都でもそうなのだが、大阪でもコンビニは標準語だった。あれって、指導なのだろうか?現地の言葉を聞きたいよ。旅情とかそういうんじゃなくて、まさにふだんのやりとりが出る場じゃないんだろうか、こういうお店の商売というのは。マクドナルドとコンビニは確かに日本を均一化したが、それはとても妙なことだ。大阪くらい、コテコテでいいんでない?


●2000.07.22〜24 -- PowerMac G4 Cube続編

更新をさぼっていたので、何をしていたのかもう忘れてしまった。


なんかえらく盛り上がってますね、G4 Cube。私もあの形は好きだが、実物を見てみないことには何ともいえない。

で、私は形だけを見るとYAMAHAのルータを思い出した。これはライターもWeb上で指摘していた。けど、あれは黒いしでこぼこもあったりして、デザイン的に一致点があるというのとは違う。
一方で、Cobalt CubeがPowerMac G4 Cubeをデザイン盗用で訴えそうだ、という話が上がっている。eMachinesのマシンは明らかにiMacを連想させるデザインだったけど、Cobalt Cubeはどう考えてもG4 Cubeから連想はしにくい。確かにOSを積んだコンピュータであの形をしたものではあるんだけどね。

この手の話は今後も増えるのだろうか。


むしろ、私が注目しているのは、アメリカのアナリスト達(何のアナリストかというと、要するにアップル株に投資すべきかをアドバイスするアナリストだ)が「PowerMac G4 Cubeは、CPUスペックから連想される拡張性がなく、誰を想定して作ったのか理解に苦しむマシンだ」という意見が少なからずある、ということだ。

アップルは「業務ユーザなのに、iMacのコンパクトさを評価して買う人々がいる。彼等はディスプレイを選択できるiMacを必要とするだろう」と考えて作った、とインタビューで言っている。現に日本ではえらく好意的に迎えられそうな空気だ。
むしろアナリストが「ハイエンドとローエンド」という考え方に凝り固まり過ぎているように思えるが・・・まぁ蓋を開けてみたらよく売れたのは日本とフランスくらい、という可能性もある。

実際の発売は8月中旬。どんな結果が出るか、楽しみだ。


出張準備と、それ以外の仕事との兼ね合いで忙しい・・・


●2000.07.21 -- PowerMac G4 Cube

ちょっと会社の仕事でキレそうになる。書くと立腹しそうなので、書かんが。


「文學界」に掲載されている村上龍と小熊英二の対談を読む。最近「希望の国のエクソダス」が話題の村上龍と、気鋭の学者との対談。話が進むに連れて、淡々と尋ねる村上龍に対して、小熊英二がどんどん説教っぽくなっていくのがなんともなぁ、というのはさておき。

けっこう面白い内容を語っているのだから、どんどん話題の細部に入っていって、文学の話なんかしなければいいのに、妙に便利に文学に話を連結させてしまおうとするのが、なんか姑息。せっかくなのだから、編集部の意向など無視して、突っ走ってしまえばいいのに!

その村上龍の最新作は、最初のページを立ち読みして買わないまま、なんとなく今に至っている。


ところで、久々に面白い製品に出会った。AppleがMacWorld Expo N.Y.で発表した新しいデスクトップ「PowerMac G4 Cube」だ。

この形は思いつきそうで、思い付かないんじゃないだろうか。写真で見る限りでは、ディテールまで実に美しく考えられているように見える。G4のような発熱量の大きいチップで、よくファンをなくすことができたものだ。これだとPowerBookよりも静かなのではなかろうか。

このような清潔感ある製品は久方ぶりのような気がする。私には初代Mac登場以来の衝撃だ。iMacなどよりずっとインパクトがあると思うのだが。

いいなー。ただ、この間、PowerBook G3 / 400MHz (2000年モデル)を買ったばかりだし、じゅうぶん満足しているので、買わないだろうけど。


●2000.07.20 -- 高い・・・

とりあえず休みだが、なんだか不調。

お昼は近所のビストロ。ポークのソテー、梅肉ソース添えはおいしかった。桃のスープもおいしかった・・・ここは値段を倍とってもやっていけるのではないか、という味だ。

でもでも、付け合わせの、米をカレー風味で軽く炒めたあれは何?
聞いてみたら、黒米だそうだ。白い米と、黒い米をあわせて炊き上げて、エスニック風に味付け。本当はランチのために買ったものではないそうだ。

むーん。それじゃ、赤字では?でも、おいしゅうございました。


その近くに、焼肉屋がオープン。入ろうとすると、全体に中に働いている人がトロくて、出る人のレジ打ちに夢中になり、入った私達の案内にいたらない。その間、フロアの人達は自分の仕事をしているだけ。

アホじゃないだろうか。挨拶などはファミレス並みにやるが、それ以外は、仕事を見ずに、マニュアルだけで動いている。確かに開店したばかりのバイトがそうそうちゃんと働けるとは思わないが、あれはなんなんだ?!

腹が立って、高い別の焼肉屋に赴く。まともな応対。まともな、いや、東京で有数の味(だと思う)。ごちそうさまでした。


しかし、ストレス解消に、エンゲル係数の高い1日にしてしまった。


●2000.07.19 -- Palladian Ensemble

暑い。睡眠不足。会社の仕事はたまる。旅行に向けて、がんばらねば>自分


7.15に買ったCDの、3枚目。

「Palladian Ensemble / held by the ears」(LINNレーベル)

これは古楽グループ。イギリス出身の4人組、笛(リコーダーなど)、高音弦楽器(ヴァイオリン)、低音弦楽器系(ガンバ、フィドル系)、撥弦楽器系(リュート、ギター系)。古楽といえども広いけど、初期ルネッサンスからバロック盛期までを手掛ける。

デビューアルバム(盛期ルネッサンスから初期バロックのイギリスやイタリアの音楽)は新鮮だった。その後は、バロックのトリオ・ソナタのアルバムが楽しかったが、佳作程度。
今回は、イギリス近辺の原典に戻ったもので、18世紀初期の出版物を中心に、スコットランドのトラッド・ミュージックなど。

たぶん、この分野をあまり聞かない人々は「あ、ケルト音楽だ」と思う人も出るような、やさしい響き。爽やかだが、これが73分続くので、やや退屈か。もうちょっと幅やメリハリがほしいが、これはイギリスの音楽の特徴かもしれない。パーセルの曲を集めたガンバのアルバムも、よくそうなる。
でも、とにかくバロック音楽はお高くとまった貴族の音楽だけではないことが、よくわかるものだ。

私は、料理の準備中にかけていた。そういう時にはすごくあう。


ところで、今さらながら、アーノンクールとレオンハルトが手掛けた「J.S.Bach 教会カンタータ全集」(テルデック)がほしい・・・アルバムが再編成されて、1枚ずつ単体買いできるようになったのだ。1ヶ月に2枚ずつ買っていくと、なんとかなるかな?

その前に、どこに置くんだ、というツッコミが入るのだが。


●2000.07.18 -- 平野公崇

蒸し暑い。朝、暑くて起きてしまう。睡眠不足・・・


7.15に買ったCDの、2枚目。

「Masataka HIRANO / Millennium」(TRITONレーベル)

コンクールで勇名をはせたサックス奏者の、デビュー盤。全編サックス。すべて現代音楽。

これは聞けない人もけっこう多いだろう・・・しかし、彼はまぎれもない天才なのではないだろうか。こういうの、実演を聴くまでは評価を控えるべきだろうが、それにしてもすごいもんだ。
循環呼吸(ご存じない方のために:これは吹きながら吸う技術)、澄んだ美しいハイトーンやフラジオレット(倍音奏法)、重音奏法などの超絶技巧を駆使しながら、音楽はまるでグレゴリオ聖歌の単旋律の美しさをトレースしていく。そのひたむきさ、真摯さ、それなのにどこから力が抜けて浮遊するような軽さ。
とにもかくにも、まるで矛盾しまくるものが、1枚の盤に渾然一体となって注ぎ込まれ、全体としての矛盾はまるでないように聞こえる不思議。

音楽はやはり、年齢ではない(もちろん、年齢で得られるもの−−−成熟、枯淡などはそうだ−−−が多々あるのは承知の上で)。彼は1970年生まれである。

久々の、ショック!


●2000.07.17 -- 開店記念日

梅雨が明けたそうだ。


今日はよく行く喫茶店の開店記念日。お祝を持って駆け付けるために、会社を早く出て、デパートでお惣菜を買って(自分で作らなくてごめんなさい)、辿り着くと大混雑だった。

20年以上お店を続けるのはたいへんだ。お酒とつまみがふるまわれ、最後にケーキ。たまにはこういう日もないと。


●2000.07.16 -- Bachのコンチェルト

もう梅雨があけたんじゃないのか、この暑さは?


昨日買ったCDのほうから、1枚。ビオンディがロ・ヴァイオリンを奏でる、エウロパ・ギャランテの「J.S.バッハ/協奏曲集」。少し前に出た、バッハ・コレギウム・ジャパンによるヴァイオリン協奏曲集(BISレーベルからバッハのカンタータ全集があるが、バッハ没後300年を記念して、いつもと違う盤を出したのかな)とどちらにしようか迷って、D-mollのヴァイオリン協奏曲ってなんだろう、というのでこっちにした。

4曲入っているけど、最初のc-mollのヴァイオリンとオーボエの協奏曲だけが正規の曲。他は編曲である。

つまり、この手のイタリア風協奏曲は弦楽器ソロの原曲があったはずだ、とよくいわれる説をもとに再構成した曲を奏でる。一方で、弦楽器の協奏曲は、あえてチェンバロ版を出す。そして、相互の特徴や互換性、効果の違いなどを耳にする、という一風変わったアルバム。私の英語に誤読がなければ、そんな感じの内容がライナー・ノートにもある。

しかし、それより何より、ビオンディのソロが楽しい。あと、1曲目のオーボエのソロを受け持つベルナルディーニがいい感じ。ビオンディとよく掛け合っていて、とても楽しい。この有名なc-moll(モダン楽器ではよくd-mollで演奏される)の曲、CDは1枚もなかったけど、いい拾い物になった。


●2000.07.15 -- 音楽DVD

あっつーい。暑くて目がさめる。


バリウムが出切らないので、下剤を飲んだら(食事中で、こういう話題が苦手な人、ごめん)、今度は止まらーん。極端だな。

食欲はあまり落ちてないけど、なんだか元気がない。いわゆる「腹に力が入らない」とゆーやつ。


CD2枚とDVD1枚を買ってきた。DVDは音楽もの、カルロス・クライバー指揮の、アムステルダム・コンセルトヘボウによるベートーヴェン/交響曲7&4番。1983年の記録、いまやもう古典である。

再生マシンはPowerBook G3 400MHz (2000年モデル)。DVD-ROMを内蔵していて、いままで活用したことがなかったので使ってみた。

感想。音が悪い。画質もいまいち。これ、ソフトですべてを再生しているせいなのか?特にでっかい画面にすると、動きがカチカチになって、微妙な指揮者の動きがまったく見えない。音も想像以上に悪い・・・

これが待望のメディアなわけ?かなりがっかり。ソフトによるのだろうか。そういえば店頭でやってるマトリックスなどはうまくやってるもんなぁ。


●2000.07.14 -- 人間ドック、丸山健二

朝からめちゃくちゃ暑い。


今日は会社指定の人間ドックの日。検診のセンターへ直行する。検査は混雑していて、待ち時間が長い。週間文春を読む。が、ただの暇つぶしにしかならん・・・高橋源一郎が書いている読書コーナーのコラムに、丸山健二のことが出ていた。


実は、今月の「新潮」には、丸山健二が320枚書いているというので、買ってみた。自伝である。この作家が自伝を書くとは・・・と半分びっくりしながらも、結局読んでしまう。

私は、この人の文章の、訴えかけの強さにちょっとなぁ、と思いつつも読んでしまうことが多い。今回もそうだった。
あれこれ考える文章ではある・・・でも、丸山健二なら、もうちょっと違うものを読みたいなぁ、単なる読者としては。そんなことは百も承知だ、と書いてあるわけだが。


人間ドックでいつも思うのは、毎年こんなバリウム飲まされて、身体がかえって悪くならんか、ということ。いつも翌日まで腹部不快感が残るんだが。
終わると食事がつく。食べ終えても、問診までは1時間以上ある。近くを歩き、適当な喫茶店を見つけて本を読む。気がつくと時間ギリギリで、戻るしかない。

陽光の中を歩くのは久しぶりだ。汗を流しながらゆっくり確実な足取りで歩く。やはり、今は人間としてどっか間違った生活をしているように思う。


夜の10時半に自宅最寄り駅に到着。早いほうである、最近では。

書店で漫画や雑誌を見てから、パスタのおいしいカフェに入る。ちょっと待たされたが、おいしい夕御飯にありつけた。


●2000.07.13 -- ハタネズミ、そごう倒産

夜になってもむしむしと暑い。


地下鉄の階段、あまり人が通らないところで、ねずみを発見。いわゆるドブネズミによくいるような馬鹿でかい(20センチを超えるようなやつを見たことがある)ではなく、ハタネズミというハツカネズミに近い系統のやつ。ちなみに、ドブネズミは性質も凶暴だが、ハタネズミは大人しい。

なんだかのろのろ歩いて、あちこちふんふん鼻をあてている。私が見ていると、気付く人がいて皆一様に「わぁ!」とか声をあげて大仰な動作でよける。意に介することなく歩くネズミ。けっこう可愛いんだけどね、やっぱり地下鉄のネズミだ。
ぎだない。毛並みがほんと〜〜に汚い。

まぁがんばってくれ。


そごうは倒産した。まぁ、ある意味では当たり前だろう。

この後にやってくるものは何なのだろう。税金で民間企業を救う特例を作るのは、とんでもない。戦前の鈴木商店(GNPの1割を売り上げた大正時代のおばけ商社)だって、救済されなかったんだし(まぁ鈴木商店を比較の対象とするはヘンだけど)、潔く倒産は筋が通っている。
しかし、倒産した場合に、回収できない債券が大量に発生し、それはそのまま金融機関を直撃し、ゼネコンに回っていって、公共投資がフイになる、という連鎖になる。それが怖いから救済しようとしたわけで、そごうを救ってゼネコンを救い、それで日本は救われる、と思っていたのだ。
筋が通っていないのは政府の方針なのだが、そんなわかりきったことを書いていても仕方ない。
というか、私は情けなくなってきてる。バブル崩壊以後、2次大戦で日本陸軍が「作戦は間違っていなかった、実行が間違っていたのだ」などとほざいていたのと似た状況に何度もった。その都度「俺は間違ってないぞ、俺が間違うくらいだから他の誰もいずれにせよ解答は出せない」と言う経営者は、日本の人材や資産を食いつぶしていった日本陸軍と同じような状況に陥っているのだ。
その一方で、選挙では国民が「もう不景気は疲れた、とにかく安定して、これさえやっていれば安心って暮らしに戻してほしい」という人々と「このままじゃ世の中はダメになる」という人々の間で票が割れて、結果らしい結果が出なかった。

昨年の東海村。今年の雪印。インターネットを巡るお役所のサムい縄張り争い。
若者が荒れるのは、明らかに(自分も含めた)成人(大人とは書かず、単に成人に達した者、とする)のせいである。
その理由はいちいち書かないが、話自体はちっとも飛躍はしていない。


●2000.07.12 -- うなり

夜に涼しくなるので、いくらか楽。でも、若い頃は絶対に耐えられなかった。冷房に対して年々弱くなっていくようだ。


ここ最近、関東はずいぶんと揺れている。何がって、地震。
しかも、夜中に帰ってくつろいでいると家全体がミシッといってから、床に振動が伝わってくる。しかも、同時に音がする。こう、「ごぉぉぉぉん」というような、地下が空間を埋めていくような音。嘆くような。うなるような。

なんともいやな気分になる音だ。


●2000.07.11 -- ちょっと疲れ?

今日も晴れ。いい天気。まだ夜になると気温が下がる。

最近、ちょっと疲れ気味か、日記の密度が薄くて散漫。気を引き締めねば。

なお、鳥子さんの「鳥小屋」リンクをはります。


帰り、ちびねこくんに会う。ちょっと目があったので、声をかけたら遊んでほしいらしい。と通り過ぎるようにみせかけてしゃがむと、一目散に寄ってきた。「餌はないんだよ」というが、そばを離れずくつろいでいる。

間近に猫を見たのは久々。夜の電灯に毛並みが反射して美しい。みゃーとか細く鳴いて、茂みに歩いていった。


●2000.07.10 -- 公演翌日

しかし、よく晴れていますね。梅雨はもう明けるのだろうか?


公演翌日、パパタラの知人に会う。「春昼」は、もとは5人でやる演目で、今回は日本のための拡張バージョンとして合計12人で演ずる大きなものになった。そして、このコンパクト版は世界のあちこちで上演して、たいへん好評だとか。

直観的に、そっちのほうがいいのではないか、と思った次第。

なお、この演目は非常に海外でウケるとか。日本らしいエキゾチックさは、やはりあると思う。


●2000.07.09 -- パパタラの公演

前日に引き続き、晴れ。今日は「パパ・タラフマラ」の公演を見に行く日。
天王洲アイルにあるアート・スフィアの、マチネだ。知人が出演。前回も楽しかったので、今回もわくわくと見に行く。


天王洲アイルは初めて行く。浜松町からのモノレール、久しぶりでえらく新鮮。乗りながら「このへん、こんなに緑が多かったっけ?」と思う。

きれいな建物、なかなか整った大きな小屋で、公演が始まる。
しかし、どうも様子がヘン。子連れが一組いて、この子が時々パフォーマの真似をしてしまう。まぁ小学校に入る直前くらいだと、このようなアートっぽいパフォーマンスはじっとしていられないだろう。子連れが悪いとは言わないが、公演は選んだほうがいい・・・もしも前からとっていたのに、だんなが急に接待ゴルフになって、連れて行かざるを得なくなったのならまぁ、気の毒ではあるが。

今回の公演「春昼」は、泉鏡花の同名小説に題材をとっているそうだ。パパタラにしては台詞や概念のはっきりした内容。笑いもあって面白いのだが、どうも怖いはずのシーンがいまひとつぞくっとするような怖さにならず、結果的に萎んで終わったような印象を持ってしまった。

なんというか、のどかな春、早すぎる妙な海水浴など、各シーンは面白いし、動きも美しい。ちょっと能を思わせるような身振りや歩きも含めて。
ただ、それをぶったぎるはずの、暗転した怖いシーン、顔のスライドによる大写しと、それに伴う人の歩みの妙な怖さが、泉鏡花らしい日常の一齣に裂けて現れる恐怖が、ない。
春を貪る今の日本が持つ怖さが、パンフレットに書いてあるそれが、結果的に出ない。舞台はあんなに美しいのに。

いや、本当に面白いのだ。
でも、一番大切なことが、伝わってこないような、もどかしさのちょっと残るものだった。なんというか・・・残念。


●2000.07.08 -- 宴会デー

朝の7時に起床。雨風のすごさに、思わずテレビをつける。

今日は秋田から知人が訪れるので、通信上の知り合いを集めて宴会をする日なのだ。前日から心配だったが、こんなことになるとは。

しかし、9時に家を出る頃になると雨風が納まり始め、10時半を過ぎると晴れてきた。午後には快晴、そして、夜のビアガーデンは台風一過のクリアな空を仰ぎつつ、乾いた風で最高の日和となった。

それにしても、この夕方のすばらしかったこと。夏至を過ぎてもまだゆっくり暮れてゆく空を見ながら、ネオンがゆっくりと夜の帳に浮かび上がる様を眺めつつ、話に興じる。風が時々吹くとそれだけで気持ちよく、汗もかかない。まるでヨーロッパのようだ。

秋田からわざわざやって来て、この快晴。やはり雨の被害を受けたのは、前日の夜だったそうだが、晴れてよかった、よかった。


ちなみに、東京での家賃の話になり、目玉を本当に飛び出して驚いていた。

こちらは、家を建てる費用の安さに驚いていた。

当たり前だが、いざ目の当たりにするとやはり新鮮である。


●2000.07.07 -- 雨、PS One

七夕だが、雨である。もっとも、七夕は旧暦のはずで、本来は今ではないはず。そういえば、御盆も東京では1ヶ月早い。


台風が近付いているそうな。夜からとんでもない雨になってきて、9時半頃に会社を退散する。覚悟を決めて泊まる者も出そうな雰囲気ではあった。

案の定、どんどん雨はひどくなり、家に着く頃にはコットンパンツの裾がぐっしょりとしていた。帰宅後、ひっくり返したような大雨。でも、まだ風は出ていないようだ。


そして、この大雨の中、同居人がPS Oneを買ってきた。初めてのゲーム専用機。しかも、ファイナルファンタジーIXを一緒に買ってきた・・・ゲーム初心者が、そんな長大なゲームを買うとは。

案の定、生まれて初めてのバトルシーンに戸惑っている・・・そういう私もゲームは初心者である。昔、パソコンでSimCityをやったことくらいしか記憶にない。運動神経の極度に鈍い私。

しかし、PS Oneは小さいですね。ただし、びっくりするくらい熱くなる。


●2000.07.06 -- 縦書きとOKI ML12n

ぼーっとしたまま、なんとか頭をクリアにして、仕事を片付ける。


ところで、OKI Microline 12nというレーザープリンターを私は使っているのだが、やはりこいつは日本語縦書き印刷の時のみ、おかしくなる。それも、MacOS 8.5.1までは確実に動いていた。8.6ではもうダメだから、何かあったのだろう。

面白いのは、NiftyのFOKIでも誰もこのような報告がないことだ。メーカーの窓口に問い合わせないと。しかし、みんな縦書きをしないのだろうか。


会社の帰り、家の近くまで来ると「きずねこくん」が座っていた。地べたがひんやりして気持ちいいらしい。

にゃーにゃーいうが「この袋に入っているのは(帰りにコンビニの袋をぶら下げていた)、君の餌じゃないんだよ」と言ってしばらく見ていたら、そそくさと数歩離れた。きっと誰か、餌をあげているな・・・


●2000.07.05 -- ドビュッシー、ルイス

あんまり調子よくないし、今は集中しないとできない仕事があるので、会社にヘッドフォン(オープンタイプ)とCDを持参。テスト中の機器がピッピッとうるさくなると、音楽をかける。


音楽といえば、ちょっと(というかだいぶ)前に買ったドビュッシーのCDを時々かける。
ARCANAレーベルの、"Claude Debussy / La Musique de Chambre"。つまり、言わずと知れた晩年の室内楽集(1曲、弦楽四重奏は違うけど)。クイケン家族で演奏している。つまり、子供達が合奏に加わるようになったのだ、クイケン一族も。

でも、このCDはお気に入り。クイケンだからまぁオリジナル楽器ではあるのだが、それ以前に自然にすっと身体に入り込んでくる響きがよい。

そのドビュッシーは、今月のすばるに掲載された、沓掛氏のピエール・ルイス評伝で取り上げられている。なかなか芽が出なかったドビュッシーを励まして、やっとドビュッシーの芽が出たら仲たがいしてしまう。
しかし、この評伝を読めば読む程、ルイスは不思議な人だ。人を見い出すことにおいて天才だったのは作曲家ではリストなどがいるが、それとは別の意味で不思議だ。熱烈なワーグナー崇拝者(当時のフランスの文人に多かった)でありながら、ドビュッシーをリアルタイムで見出せるのがまず不思議。そして、二人の共同作業はほとんど破綻している点も、実は二人の本質的な好みは違っていたと想像させるに十分だ。
むしろ、ルイスは人をとらえて鼓舞する天性を持っており、充分な理解以前に相手を見い出して保護できる才能の持ち主だったのだろう。ただ、この世話好きはちょっと異常だ。
やはり、不思議な人である。


●2000.07.04 -- 大雨

調子最悪。朝、起きられず、這うようにして会社へ。あらかじめ、夕方6時には会社を出てしまう旨を電話で告げてから、出社した。


帰り、マッサージで調子を整えにいったのだが、そこで大雨に降られた。あと100メートル、というところでひっくり返したような大粒になり、道が白く煙り、やはりずぼんの裾が濡れました。昨日の雷もすごかったけど、今日の大雨もすごかった。もちろん、今日も雷がゴロゴロいってましたが。

マッサージで少し身体がほぐれた。頭痛と吐き気が少しよくなった。

書きたいこともあるけど、今日はここまで。


●2000.07.03 -- 久々の出社

丸四日休んでから出社。メールが300通溜まっていた。10時について、すべてを処理し終えたらもう12時半を過ぎていた。ふぅ。


ところで、すごい雷ですね。でも、私は雨にはあわなかった。

同居人の妹夫婦がやっている高円寺の喫茶店に立ち寄る。調子が悪いので、夜の9時を過ぎたら会社を出た。ここで少し落ち着こうと入る。
結果的に、イラストレーターの人達との会話に加わる。でも、楽しかった。PowerZaurusのお絵書きツールを見せたら、興奮してすぐに私の似顔絵を書いてくれました。楽しい!プロはすぐに自分の世界に入れるね。


●2000.07.02 -- 学習会

下北沢で、通信関連の知人達と学習会。そして、その後に歓談。日曜の夜でなければもっと燃え上がるところ。

17世紀の英国の書物を読むんで、けっこうたいへん。こういうのは仲間とやるのはいいことかもしれない。


下北沢に早く着き、ふらふらしていたら、ピンとくる喫茶店を見つけて入る。

無口な親父が一人でやってる店。コーヒーは、コクよりもきれいな味が出ていることを重視している感じか。端正な味わい。時々寄ろう。


●2000.07.01 -- 元町・金明堂

朝、起きると暑かった。でも、ひどく部屋がきたないので、思わず掃除。ほこりが片付いて、とりあえず一安心。汗だくになる。


この日は金明堂(横浜は元町にある)という眼鏡屋から招待状をもらっていた。新作発表である。l.a.eyeworksやTheoらの新作を、日本で一番最初に見ることができる。今年の冬にホテルで行われた大規模な発表会では、私は特にほしいものが見つからなかったので、今回は出かけた。(ちなみに、私は伊達眼鏡である。)

夕方に石川町に到着すると、東京都内より涼しい。武蔵野の大地よりは海寄りだからか。

今回はl.a.eyeworksの新作はあまり惹かれるものがなく、Theoのえらくレトロな、しかし、ちょっとキッチュなモデルを発見。エンジのマット処理されたメタルフレームがちょっとかっこいい。これを購入。
用意されていたバーのチーズとサラミがとてもおいしい。イタリアからの直輸入、というか、新作のために買い付けにいったお店の人が買ってきたもの。お酒をなめにいったのか、眼鏡を買いにいったのか、わからん。

帰りに中華街の、最近贔屓のお店に。ここは香港人のための日本の中華料理店ガイドに、中華街で唯一載ったという店らしい。安い、そして、味が簡素、でも、おいしい。新宿の随園別館(新宿2丁目)もそうだが、こういうお店が繁昌するとうれしい。

帰りに中国茶で和む。そして、行き帰りの電車の中で洋書を読む。すばらしい休日!



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