• [種別]寺院
  • [名称]銀閣寺(正式には東山慈照寺)
  • [宗派]臨済宗相国寺派
  • [地域]洛東の有名観光コースでは北端。ただし、洛東全体を見ると、真ん中よりやや北。
  • [特徴]室町時代の将軍家第5代の足利義政が創建。足利義満の金閣寺を受けての創建、ともに室町幕府の全盛期を伝える。背後に如意が岳が控え、五山送り火の「大文字」が灯ることでも有名。
  • [拝観料]2002年、500円。
  • [+α]言わずと知れた名建築、名園。でも、最大の見どころは、後世への影響の大きさ、ここを見たらぜひ他の禅寺へも。

概略

正式には東山慈照寺。金閣寺とともに相国寺派に所属しています。足利全盛期を伝えるお寺でもあるし、如意が岳を控え、五山送り火の「大文字」でも有名ですね。銀閣寺垣と呼ばれる有名な垣根の道を通って受付を済ませると、入ってすぐに見えるのが銀沙灘、そこから右手の池越しに銀閣(観音堂)。通路にそって方丈と東求堂。L字型に広がる建物を前に、池泉式の庭園が広がり、観光客が次々と流れ込んできます。経験上空いていたのは、雪の降る真冬、朝一番だけ。他の時期はどの時間帯でも混雑しています。

私の見たお庭の変遷

1980年代後半から見ると、実は境内散策の様子は随分と変化しているんです。昔はお茶の井を見ると下っていく、という感じのコース。ここも昔の石垣の跡などが発掘されたりする。やがて市内が見おろせるコースが。確か建都1200年の祝典ムード(1994年)の頃だったと記憶しています。現在のきれいな境内散策コースは、その頃のものがベースのはず。

なお、方丈と東求堂は、春と秋の特別拝観で中に入ることが出来ることがあります(別途拝観料が必要)。出会ったなら、見ることをお勧めします。床板が驚くほど広く厚く、これほどの木材は今ではまずお目にかかれません。もちろん、現在の書院造りの基になった建築を確認することもお忘れなく。この建物があってこそ、あの豊かな庭なのだと実感できます。

銀閣寺を巡ると、ここが室町以降の寺院建築に対して甚大な影響を持っていたことを、強く実感できます。現代の日本人にとって和風の代表のように感じる色遣い、貴族様式とは一線を画する庭。金閣寺と銀閣寺、加えて大徳寺と妙心寺を押さえることで、日本の近世の美意識の変遷を、短時間で凝縮することが可能とさえ言えるかもしれません。それが可能な京都だからこそ、面白いのかも。

周辺の情報

ちなみに、夏は門前の銀閣寺ラムネが人気。また、市バス銀閣寺路の停留所から歩いて行く途中には、橋本関雪記念館(庭園)があります。美術に関心がある方にはいいかも。