概略
日本の臨済禅の中でも、政治の庇護による僧侶の堕落を嘆き、自ら巷に身を置いた大燈国師の系譜を引いて、南北朝時代、後醍醐天皇などの帰依を受けました。足利時代には衰退し、応仁の乱で一度全焼するも、一休禅師らが復興。むしろ現在では、豊臣秀吉の信任篤かった古渓和尚、さらに千利休らとの関係から、大名と茶道に縁の深い寺として有名です。
妙心寺と同様に、白壁に黒い瓦の並ぶ寺院町。ずらりと並ぶ塔頭の中には、戦国大名達が菩提寺として寄進したものも多数あります。
有名な三門、仏殿、方丈
バスを降りると、すぐに白壁に囲まれた大徳寺が見えます。降りて、駐車場の側(総門)から入ることも、北大路通り沿いの入り口(南門)から入ることも出来ます。観光バスの多い駐車場ではなく、北大路通りに面した入り口から入ってみましょうか。境内は無料、早速数多くの塔頭を左右に進みます。
総門からの通路と、進んできた道との交点付近に、境内案内図が見えます。そこからはもう勅使門と三門が見えます。この門から、仏殿を経て、大徳寺方丈まで一直線に堂宇が建ち並びます。妙心寺と並ぶ禅宗様式の大寺院の伽藍です。
三門は、千利休が自分の像を安置したことで秀吉を怒らせて、切腹の直接の原因となったことでも有名。門自体はくぐれませんが、その横を通ってきちんと仏殿まで参拝できます。入り口までですが、禅宗様式の典型的な仏殿もぜひ見ておきましょう、その力強さは三門に劣らず見応えがあります。
なお、方丈は一般公開されていません。昭和の頃、過激派の火炎瓶テロの対象となり、それ以降は指定の観光バス定期コースで、ガイドに従っての拝観となります。
塔頭
広い寺域の中で、4つの塔頭が通常拝観を受け付けています。三門からほど近くに、瑞峰院、龍源院があります。また、大徳寺方丈の向こう側(裏側)に回ると、大仙院があります。さらに、大仙院から西へ巡り、もう一つ南北に走る石畳の通りから、高桐院を拝観できます。
また、JRが企画する冬の京都の旅、あるいはテレビや映画で大徳寺と縁の深い内容のものが公開される際などに、特別公開があります。
たとえば、2002年に放映された大河ドラマ「利家とまつ」に縁のある芳泉院の特別公開や、「冬の京都の旅」で真珠庵の特別公開を見たことがあります。出かける前に調べておくと、何か特別公開があるかもしれません(山と渓谷社の「歩く地図」シリーズが毎年出す「京都・歩く地図」というムックなどが便利)。
周辺の情報
大徳寺の近くからは、今宮神社が徒歩圏内。また、バスに乗って金閣寺方面へ行くか、鷹峯へ赴いて江戸初期の文化人村を歩くか、といった選択肢があります。
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