98年・夏の京都旅行

大原


●大原への出発

大原へは2日目に出ました。この日は1泊した日本旅館から ホテルへ宿を移る日で、ホテルのチェックインが正午からだった ので、たいした場所へは行けないだろうと、適当な街歩きを するつもりでした。
ところが、11時前に到着したらすぐにチェックインできて、 すごくスムーズに事が運ぶので、少し遠出をしようかという ことになったのだけど、雨が降ってきてしまいました。 ホテルのラウンジでウェルカムドリンクのサービスを 受けつつ、雨が小降りになるのを待ちます。鞍馬山は 雨上がりだと山歩きがきついので、パス。となると、 大原あたりは涼しくてよさそう。
というわけで、行き先は大原に決定。

外へ出ると、梅雨明けがまだのせいか、天候がえらく 不安定で、しかも、暑くないのはまだしも、 湿度がすごく高い。
ホテルから京阪三条バスターミナルまで歩いて、 大原行きのバスに乗り込みます。さぁ、出発! 川端通り沿いを北上して、八瀬遊園 から山に入っていく。ゆるい山道が続き、 徐々に山間の里の風景になってくると、 もうすぐ大原。

久々に到着した大原は、ぼろぼろだったバス停が とてもきれいになっていて驚き。まずは寂光院 方面へ歩きます。

●寂光院

寂光院への参道は、この時期は人も少なければ お土産屋さんも休みで(7月下旬から8月上旬は 休むことが多い。かきいれどきはお盆らしい)、とても 静か。ただの農地と住宅街の並ぶ山里を、 ゆっくり歩きます。途中、とんでもないことに 一回降られますが(雨宿りできそうな場所はない!)、 少し木陰で雨をしのいで、道を更に進みます。

私にとっては3〜4年ぶりです。下の門からあがって いくと、どうも以前と入り口がちょっと違っていま した。山門の脇から上がるようになっていたのが、 山門自体を通って上がるようになっていました。
そして、本堂の脇にあるお堂は工事中で、そこから 覗き見ることのできる庭とお茶室は、見えないように なっていました。むーん、つまらん。
でも、あちこちをきれいに作り替えている最中の ようです。奥にある小さな池周辺もきれいに なってました。

とりあえず気を取り直して、本堂へ。ここは、いつ 来ても同じおばあさんが、同じ解説を繰り返します。 しかし、この解説、不思議といやみがなくて、いい 味を出しているんだなぁ。普通ならこんだけ同じ事を 繰り返すと嫌気がさしてくるだろうけど、もうそんな のを通り越した境地にいるのかもしれん。
しかし、ここの内陣、黒光りする柱といい、 大きな地蔵菩薩といい、聖徳太子建立かどうかなど はどうでもよくなるなぁ。何度見てもいいですわ。
ここは本堂前のお庭もこじんまりとしていて、 なかなかです。夏に行くと、ここの縁側にて山から 吹いてくる風を浴びると、非常にすばらしい! 今回も堪能しました。

さて、この地味だけどけっこういいお寺を見終えると、 あとは来たコースを戻って三千院方面へ行くしかあり ません。今回は古墳などはみんなパスです。

●昼食と三千院

来た道を戻り、着いたバス停を通りすぎて、今度は 反対方向の道へ行きます。三千院の参道は、基本が 坂道。どんどん上っていきます。
途中、たくさんのお土産屋さんがありますが、今時分は かなりが休みです。あまり声をかけられないので、 楽。今年は京都の夏にしては涼しいほうですが、 それでもこうして上っていくと汗が出てきます。 ついでに、お昼時を過ぎていて、徐々にお腹も すいてきます。

上り終えると、急に開けて三千院の門前になります。 上ってすぐのところにある、日本料理屋に入って、 とりあえず昼食。旅館の1階が和食屋になっている 形です。
可もなく不可もなし、という程度でした。

さて、三千院ですが、4年くらい来なかったら、 いくらか変わっていました。一番変化が大きかった のは、宝物展示を行なう長い廊下が出来たこと、その最後に、写経道場があったことです。今まで写経は、 お寺を出る直前のところにあったはずで、もっと やってもらおうと、ここへ持ってきたのでしょう。
それ以外はハードウェア的な変化はなかったのですが、 本堂に若い坊さんがいて、これが話し掛けてくる。 と思いきや、いきなり説教モードに入り、帰そうと しない。これには困ったね。おかげで、一番の ハイライトである極楽往生院近辺を、楽しく 観ることができなかった・・・
確かに、お寺さんからすれば「観光だけでなく、 仏教の教えの部分に触れて帰ってほしい」ので しょう。しかし、今は生半可な坊主より知っている 人だって、少なくありません。菩薩も王も仏も みんな「信仰上の拝む対象」とは考えずに やってくる人だっています。坊主の説教は たぶんほとんどの人にとって、邪魔でしょう。 極楽往生院の、静謐な迫力のある阿弥陀如来のほうが、 ずっと雄弁に語りかけてきます。
オウムだなんだと、いろいろな宗教がらみの事件が おきてから、たぶん「本家仏教ももっと活動しよう」 ということになったのでしょう。でも、もう少し やり方というものがあると思います。

●もう1つ回ろうと思いきや・・・

さて、三千院を出て、最後に宝鏡院を回ろうと 思いました。ここは独特の借景のお庭と、桃山の 血天井で有名な、しかし、小さなお寺です。 三千院の門前から律川を渡って、勝林院の奥に あります。もとは勝林院の別院だったのが、 いまは勝林院より活発かもしれません。
ところが、間が悪く、この日は3時で閉門と なっていて、回れませんでした。まぁ、こういう 日もあります。

仕方ないので、御茶屋で一服して帰ることに しました。この間に大雨になり、しばらく待って いましたが、結局出ることにしました。 そうしたら、具合の良いことに止んできた ので、結局傘をささずに歩くことができて、 これはラッキーでした。

帰りも、バス停に戻ってから京都市内まで バスに乗ります。大原をめぐると、大原だけで 終わってしまうのが残念ですが、まぁ悪くない 1日でした。


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