98年・夏の京都旅行

今年の宿について

●日本旅館での初めての宿泊

京都といえば古都。古都といえば、古い日本の美を感じさせるものが 多く残っている日本旅館。というのが相場ですね。ただ、私個人は これまで日本旅館に泊まったことがありませんでした。
別に嫌いというわけではないのですが、部屋に仲居さんが出入り するし、実家が昔旅館をやっていて、その頃の記憶があって、 どうもあれこれと(例えば、お風呂は夜9時までに入らないと悪いかな、とか、客として来ているのだから考えなくても いいようなことまで)気を遣ってしまい、かえって落ち着かない 面があって、シティホテルばかり利用してきました。
今回知人が「いいところだよ、そんなに高くなくて、朝食も おいしいよ」という旅館を紹介していただき、泊まって きました。

結果的には、なかなかいい宿でした。相変わらず、私は 変に気を遣ってしまい、「内風呂じゃないので、お風呂を 落とす時間とかがあるからあまり遅くまで出歩けないな」 とか「旅館の朝食は早いから、あまり遅くまで寝ていられ ないな」とか考えてしまって、どうも寛ぐ一歩手前で とどまってしまうのですが、ロケーションといい、 規模といい、絶好の旅館ではありました。
玄関から少し奥まったところで靴をぬいで上がり、 そこから客室に通されます。京の町屋の、いわゆる うなぎの寝床ですね。窓を開けると、目前が鴨川。 しかも、夏向きに、簾、ござがあって、直接座ると ひんやりして気持ちよい。

もう1つうれしかったのは、風呂やトイレなどの 水回りは非常に快適な状態に保たれていて、 最新設備を惜しげもなく導入していました。 かといって、和風旅館にふさわしくないような ものではなく、こういう気遣いはいいですね。

夕食はなしで、朝食付きだったのですが、 これもごく普通のものなのに、焼き魚も 冷奴も香の物も、みんなおいしかった。 朝食をとって、少し宿で寛いでから 出発しましたが、この時間が一番寛げたかも しれません。(苦笑)

●いつものホテル

和風旅館の後には常宿のホテルに泊まりました。
着いたらえらく静かで空いていましたが、この あたりからも、ここ3年ほど続いていた「京都バブル」 がはじけた印象を受けました。(ちなみに、土日は きちんと混雑していた。金曜日にチェックインが すごく多かったようだし。)

ここは何度も泊まっていて、しかもVISAカードの 朝食付きパックで予約するのですが、従来はこうして 予約すると鴨川の見えるいいお部屋のほうはとれない のが常識でした。
ところが、今回はいきなり鴨川の見える素敵なほうの お部屋に通されて、びっくりして思わずフロントに 確認の電話をしてしまいました(ちょっと恥ずかしい)。
最近は、カードのパックで泊まっても、鴨川の見える いい部屋に泊めるようになったのだそうです。ラッキー。 朝日が入り、鴨川に遊ぶ鳥たちを眺め、東山三十六峰の 山の端を見つつ、ぼーっとする。恥ずかしながら、フジタでまだこれをやったことがなかったので、とても嬉しい。

困ったのは和食で朝食を提供する店が変わった こと。セットの内容が変わり、あのだし汁をかけて 食べるお粥(まぁ瓢亭の真似なんですが)が なくなって、ただのお粥になってしまっていた ことです。おかずの内容も(味も食材も)、 前のほうがよかった。
これはとても残念。

ただ、サービスは相変わらずで、よくも悪くも 日本旅館とホテルとの折衷。私はけっこうすきです、 こういうの。個人性も確保されるし、接客はいいし。
今回は風邪をひいて、ホテル内で一度倒れたのですが、 そのときのホテル側の対処はとても適切で助かり ました。フロントなどはやはり、病人の出た部屋は チェックしてくれるようで、倒れた夕方に軽い食事を しに出かけようとしたら「お加減のほうはもうよろしい ですか?」と声をかけてくれました。 こういうのは、ポイント高いです。


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