2003年
夏の旅

●昨年は忙しく行事をこなす旅が多かったので、久々にのんびりするつもりでいたら、とんでもない。なんだか妙に忙しい旅になってしまいました。まとまった日記を残す時間がとれないうちに時間が経っていくので、印象に残ったポイントを記しておくことにします。とても旅日記ではないけど、写真集もあるので、まずはご覧下さい。(2003.10.06)

猫時間通信(2003.08.02)にも印象を記しています。こちらもあわせてどうぞ。

●圓通寺の庭の写真を公開しました。(2004.02.22)

●圓通寺の写真集のサイムネイルが見えなくなるケースをお知らせいただきました。調べたところ、Norton InternetSecurity(略称NIS)の広告ブロック機能において、特定のサイズの写真を広告バナーと扱って遮断することがわかりました。また、祇園祭・神輿洗の写真集でも同様でした。この場合、画像サイズを変更すればよいことも判明したため、サムネイルの各画像を以前より大きくしました。少々重めになるかもしれませんが、ご了承ください。なお、内容に関する変更はありません。お知らせくださった方に、深く感謝いたします。(2004.12.12)

[観光篇]

だいたいの日程を表にまとめましたです。覚え書きに細かいことを書いています。

日程
内容
初日 京都着。祇園祭の神輿洗を見学。
 写真集あり(Powered by iPhoto)。
二日目

洛北、深泥池の北西にある圓通寺 → 清水寺(秘仏ご開帳拝観)
 圓通寺の写真集あり(Powered by iPhoto)。

三日目

「陰陽師展」京都文化博物館 → 北野天満宮、上七軒など

最終日 八坂神社 → 洛中歩きとおみやげ

みどころ。

  • 祇園祭の神輿洗は、2000年夏以来、久しぶりの見学。前回はこれほど人が集まらず、本当に地元の祭を思わせる雰囲気があったが、今回は警官の動員数や交通規制もより大きな規模になっていた。夕暮れの美しい八坂神社の境内で祭りの支度が整っていき、松明と神輿が出て行く様は印象的。ただし、2000年の見学の時に感じた幻想的な雰囲気は、後退したかもしれない。
    写真集もどうぞ。1枚ごとにコメントあり。
  • 圓通寺が、庭の写真撮影を許可していた(以前はカメラを預けての拝観だった)。街の建築規制が変わったので、今のうちに比叡山の借景を残したいということだそうだ。
    庭の写真集も公開開始(2004.02.22追加)。雰囲気を少しでも味わっていただければ。
  • 清水寺はいつ行っても仏教テーマパーク。今回も秘仏ご開帳で盛り上がっていた。内陣に入れるので、普段は非公開の密教彫刻を拝観できる。
  • 京都文化博物館「陰陽師展」。御堂関白日記や、安倍晴明を始めとする有名な陰陽師に関わる歴史資料の公開。祭壇や六壬式占盤の復刻、反閇(ヘンバイと読む)の体験コーナーなど、陰陽師が実際に行っていたと考えられる祈祷や占い、暦に関する考察。岡野玲子の原画や、夢枕獏など、最近着目されるきっかけとなった諸作品の資料など。とにかく、質量ともに異常に豊富。1時間半のつもりが、3時間見ていた。見応え、ありまくり。歴史的な側面から考察した専門書を買って出る。
  • 何度も京都に来ているが、北野天満宮をまともにお参りするのは、実は初めて。京都在住の方のご案内、という幸せ。すっきりとした気を放つ境内、梅を干している様子、一部に取り入れられていた権現造り、そして奉納された絵馬の数々の面白さ。なお、上七軒も案内していただいた。歌舞練場(粋なビアガーデン!)、細い道が風情のある町並み、その合間から聞こえる織機の音。とても気持ち良く、楽しく回ることが出来た。ありがとうございました、Nさん。
  • 実は写真を撮り慣れていないせいか、大量に撮ったら目と首の後ろが疲れてしまった・・・液晶ディスプレイで撮る写真は、疲れるのか?

 

[街ネタ篇]

気に入った店が中心です。たまにはこういうことも書いてみます。

テーマ
一言
喫茶 みゅーず(木屋町四条上ル) 高瀬川沿いの名曲喫茶。音楽だけでなく、比較的まっとうなコーヒーと食事。名曲喫茶って、コーヒーがまともでない店が多いが、ここはコストパフォーマンスがよく、まっとうです。近くのソワレも有名、こちらは逆にBGMなし。
フランソワ(木屋町四条下ル) みゅーずの南に下ったところにある名曲喫茶。いまや左右を風俗店に囲まれているが、昭和9年創業の老舗。ここでは時間の蓄積が醸し出してきた空間、たとえば漆喰の壁に渡る梁、さらりとかかる絵や古地図などを味わうのが楽しみ。
長竹(先斗町) 中国茶で有名になったが、日本茶も紅茶もすばらしいという(いつも中国茶ばかり飲んでいるけど)。デザートもたっぷりとおいしい。食事も出来る(食事の項を参照)。
スマート珈琲(寺町三条上ル) 創業昭和9年。クラシカルな佇まいと、それによくあうコーヒーの味。本当に懐かしい焼き加減のホットケーキ。喫茶店という言葉が本当によく似合う店。
食事 長竹(先斗町) 一応お茶の店なのだが、お酒もあるし、食事も出来る。カフェめしとは違い、お茶にあう和食風の丼がメニューに並ぶ。御膳(セット)も内容豊富。食事も茶も酒も、形にこだわらず、味の相性のいいものを揃えている。
鶴亀堂(寺町通押小路南西角) 現代風の割烹、京料理バリバリではない。観光客がわざわざ選んで行くタイプの店ではないかもしれない。でも、ちょっと食事して軽くお酒も、という気分で行くにはぴったり。特別を狙うのでなければこれくらいの方が気分がいい。食事を出すタイミングも、火の加減もよし。重宝します。
とようけ茶屋(北野天満宮前) 有名なとようけ豆腐店が出した、食事の出来る茶屋。丼ものを中心に、デザートのシナモン豆腐や豆乳ヨーグルトまである。少し濃いめの味付けが、意外においしい。早い時刻に行かないと品切れになるようで、私は豆腐でなく、お麩の丼を食べる羽目にあった、おいしかったけど。次回はもっと早めにしよう。
ブション(寺町二条) パリのビストロをそのまま持ってきたような店。寺町二条にこじゃれた店が増えた発端。子羊のソテー、鶏の煮込み、クスクスなどカジュアルなフレンチ料理を、たっぷりの付け合わせと一緒に味わえる。でっかいデザートもうれしい。エスプレッソもまっとうな味。
うえだ(富小路三条上ル) 洛中にある、いわゆる「街のうどん屋」型の店。値ごろで、とてもおいしい。町家造りの建物もすてき。重宝な上、ほっとする。
乙羽(新京極) 冬の蒸し寿司が有名だそうだが、夏なので折り詰めを買って、新幹線で夕食にした。なかなか美味。巻きずしがきっちりまいてあって、とても食べやすい。懐かしい、まっとうな折り詰め。

こぼれ話。

  • 紅茶とケーキの名店「せいほう」が、河原町三条から撤退していたこと(コーヒーの名店「六曜社」の上にあった)。寺町二条の店もなくなっていた。一人旅の頃から愛用していたのに・・・Webで検索すると、場所を移して営業はしているという。
  • とある和食系有名店に入った。まずくはないし、割合高いレベルとは言えるのだが、どうも「あぁ、おいしいものを食った!」という満足感が少ない。冷やしたメニューが多いのはまだいいとして、食事の出るタイミングが悪く、サービスもあまり行き届いていない。こういうのはかなり悲しい・・・
  • かつて「料理の鉄人」に出演して一躍全国区で有名になったイタリアンレストラン「イル・パッパラルド」(三十三間堂近く)。出演されたシェフ笹島氏が独立、八坂の塔の近くでレストランを開店したという。その名は「イル・ギオットーネ」。一軒家を改装して、京都の食材を使ったイタリアン。日程などの都合で無理だったが、うーむ、行ってみたい・・・
  • 寺町御池から寺町丸太町の周辺は好きで、このあたりに新しい店が出来ることも多かったが、最近はそれより南側が新しくなってきたようだ。東西は寺町〜烏丸、南北は御池〜四条の間あたり。烏丸三条の新風館などの影響もあるのだろうか。カフェ通りとなった三条通以外にも、ゆっくりとカフェや食事の店が増えているような。ただ、マンション化・ビル化も激しい。今後どうなっていくのだろう。
  • 木屋町、高瀬川に面した絶好のロケーションのケーキショップ「キルフェボン」が出来て、もう数年。ずっと以前からそこにあったかのように定着して、すごく繁盛しているようだ。東京にも青山や銀座に店があるので、あえてここでは入らないけどね。
  • 河原町御池から北に進んでも、ところどころに楽しそうな店が見つかる。このあたり、京都だけで手に入る雑誌「C.F.」に詳しいね。私はそうたくさんの店に入っていないけど、IBEX Coffeeはなかなかいい感じです。
  • 1990年代、四条河原町のあたりはドォーツと人が押し寄せるくらい混雑していた。ここ3年ほどはそれほど混雑せず、むしろ歩きやすいくらい。観光客はむしろ微増している傾向と京都府は発表している。この数字に嘘はないと思うけど、街の活気という点では以前よりしぼんでいるような印象を受ける。一時的なものなのか、そうでないのか・・・
  • 八坂神社そばの「やよい」。ご飯のお供をお土産にするなら、こちらをどうぞ。がふがふとご飯をかきこみたくなります。

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