京都旅行2001年春

最高のカフェ

 

●なんてすてきな!

宿が河原町五条にあったので、前から気になりつつも行き損ねていたカフェに赴くことにした。五条大橋、河原町寄り、南側。ちょっと入ったところにある、efish

もはや全国のカフェ好きに「京都はイノダとあそこ!」と言われている(ほんとか?>自分)、efishに、やっと行き着けた。入り口に猫がにょろりと歩く絵の入った看板。おぉ、店の入り口も明るいし、店の入り口が高瀬川に、店を覗くと鴨川が見える。鴨川は噂に聞いてたけど、入り口の高瀬川のほうも負けず劣らずすてきだ。なんといっても四月中旬、新緑と花!

●入っても最高

入るとすぐ左手にレジと厨房。窓が全開で東山と鴨川が冴え冴えと見渡せる。川に沿って南北に長い建物で、柱をはさんでいくつか窓よりの席がある・・・が、そちらの席は全部埋まっている。空いているのは柱の影の席のみ。奥のひな壇席も一杯。
で、厨房直前、入ってすぐの席を陣取る。私が店のドアを、同居人が鴨川を望む形で座ったのだが、実はドアがガラス張りで高瀬川が見えて、この席も極上。

ちなみに、私はこの日、オレンジの綿ジャケットを着ていったのだが、店の椅子が同じ色でびっくり!店員がにこにこ笑ってて、多分コーディネートしたんだろうと思ったろうな。実はほんとに偶然です。

昼食がまだだったので、カレーとコーヒー。カレーはオクラと豆が入ってる。おいしい。極上ではないけど、普通においしい。コーヒーも普通においしい。横を向くと、壁面に埋め込まれた金魚鉢群(小さな鉢に1〜2匹ずつ、それがいっぱい並んでいる)で金魚がぷかぷが泳いでる。本を読んでもよし、食事をしてもよし、友達とお茶してもよし。しかし、それ以上に心地よいのは、店の空気に無理がないこと。無理して空気を作ろうとせず、とにかく好きなものと、好きな風景とで、やれることを無理なく組み合わせた空間。働いているおねえさんたちも、楽しく生き生きとしている。それに、来ている人の年齢層も幅広く、若いカップルから親子、ちょっと年輩の夫婦までいる。
河原町繁華街の中にある有名なフレンチ風カフェle cafe salutは、確かに悪くないんだけど突っ張った気分がある。しかも、私が行った時(2000年の夏)は、ジャズボーカルがかかっていた。なんで?真っ赤でキッチュな店の内装に全然あわん・・・私の感じ方があってないのかもしれないけど、でも、雰囲気だけのカフェってのは好きになれない。人気はあるそうなんで、また機会があれば行ってみますけど。

閑話休題。とにかく、高瀬川のほうも、鴨川のほうも、適度に晴れた天気のせいでものすごく気持ちよい。

店を出る時に、2階に展示があるのでどうぞ、と言われて上がってみた。
2階は2階で店舗になっているのだが、オーナのデザイン事務所もある。その入り口には、看板にあった猫の絵がオブジェになっているのだ。しかも、展示のデザイン系雑貨もなかなかグッド。今度は2階でもお茶してみたいぞ。

●他のカフェ・喫茶店

今回は日程が短いので、あまたある京都のカフェや喫茶店に寄っていない。

でも、イノダは行った。ただし、夜だったので、三条店、あの円形カウンターのお店。やっぱり落ち着くなぁ。カウンターで見ていると、厨房の人に全然無駄な動きがない。レストランのように、整然と動作をする。こうした小さな、きちっとやる、という空気の積み重ねが、あの落ち着きを生み出すんだろうな。

あと、広い意味でのカフェ、先斗町の長竹。中国茶の店なのだが、食事もできるし、甘味もあるし、日本茶もある。ここで初日の夕食をとった。昨年一度訪れて以来のファンだが、狭いのでなかなか入れない。この日はすっと入ることができたので、ゆっくりさせてもらった。中国茶ももちろんおいしいが、食事もおいしい。しかも、中国茶にあわせた料理ではなく、「お茶」というカテゴリーでおいしい食事を組み立てる。
こういう風に、その人なりの考えが出ていて、無理のない店がいいな。

他には二条を上って京都市役所脇を進むと、左手に骨董と喫茶をやっている店がある。最初、何を商いにしているのかわからず、のぞいて確認してから入った。趣味に走っていて、骨董を商いとし、喫茶が併設されていて、中では様々な雑誌が積み上げてあったり、ライカのカメラが置いてあったり。落ち着く店でした。大吉、という店名らしい。


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