足のけが

スポーツのけがで圧倒的に多いのが、足首の捻挫です。

走る競技全般でおきますが、たいてい足首を内返しして、足の外くるぶし側を痛めることが多いです

これも程度によって3段階に分類できますが、ただ単に外側の靱帯を痛めただけのもの、

その靱帯を部分的に裂き伸ばしたもの、そして完全に切ってしまったもの、の三つです。

どれも最近のスポーツ医学では、保存的に治療が可能となっていますが、プロ並みの選手が靱帯を

完全に切ってしまった時は、未だに、手術を進める先生もいるようです。

ただし、捻挫の程度が軽いと自己判断して、いっとき湿布などを貼ってごまかして、

きちんとした治療を受けないでいると、捻挫が癖になって後で苦労することがあります。

我々治療家の世界でも、今や捻挫の治療が一番難しいと言われています。

すねのけが


これは鉄棒で着地した際に負傷した子供です。

着地した後痛くなり、けんけんをして、うちへ来たのですが、

本人もこんな状態だとは思っていないようでした。

着地した時、足首が固定された状態で、膝が内側か外側に入って

ひねられ、骨折したようです。

上のレントゲンでは、わからないでしょう。

下のレントゲンの矢印の部分と一致させたので、よーく見ると

わかるかもしれません。

これともう一件



これは、ジャングルジムから飛び降りたときに骨折したのですが、

骨折した部分の下に緑の線を書いておいたのですが、

完全にポッキリ折れていないのがわかるかな?

これぐらいだと足を引きずって歩いてくる場合が多いです。

子供が夜うちで足を引きずっているようなら、気をつけたほうが良いです。


これは、靱帯が切れてしまったレントゲンです。

左のレントゲンは正常な物であるが右のレントゲンは靱帯が切れてしまった物です。

足首を内側にひねってみると、このように曲がって隙間が出来てしまいます。

このように、靱帯が切れてしまっても、ちゃんと治療をすれば、元のように

スポーツに復帰できます。



注意せねばならないのが、この捻挫と同じ痛め方で、足の外くるぶしを骨折してしまうものですが、

靱帯に引き剥がされ小さく欠けたり、斜めに大きく割れたりと、その骨折の様子もまちまちです。

中には、高い所から飛び降りたり、ジャンプの着地で強くかかとを打ちつけたりして、脛骨というすね

の太い方の骨を折っていながら、平気で歩いてくる「つわもの?」も中にはいます。

よく言われることですが、歩けるからとか、歩けないからだけでは、何の判断にもならないから要注意です。

このレントゲンは、靱帯が切れずに、骨の方が

割れてしまった物です。






これはちょっと珍しいレントゲンです。

左のレントゲンでは、一見何ともないようですが、足首をひねってみたら

ぱっくり、骨折線が出た物です。


次に多いのが、同じように足の内返しで、足の甲の外側を骨折してしまう例です。

これは昔から、「下駄骨折」という俗称があるぐらいポピュラーで、

下駄履きで甲返しをすると、必ずと言っていいほど、簡単に折れてしまう

弱いところです。

スポーツのけがだけでなく、最近の娘たちに大流行の「ぽっくり型上げ底靴」も

簡単にこけることから見れば、「下駄骨折」予備軍です。

あたり前の事ですが、スポーツの時はもちろん、ふだんの履き物でも、見た目のファッションじゃなく、

正しいサイズの、足にフィットした良い靴を選ぶことも、足のけがを予防する大切な心構えです。

地に足を着けてしっかり歩くことが肝腎です。