ハワイでカイト

(1998年12月27日〜1999年1月1日)



一日目

 ペルーやモロッコなどマイナーな観光地には行っても、だれもが行くハワイのオアフ島にいままで行ったことのないワタシ。「ハワイなんていつでも行けるし、歳を取ってから行けばいいや」と思っていたのですが、とうとう行ってまいりました。
 もちろん、目的はビーチでもショッピングでもなく、スポーツカイトです。
 年末年始の、料金的には最も不利な時期にしか行けない悲しさで、12月27日出発1月1日帰国という日程です。
 冬でジェット気流が強いせいか、行きは成田から6時間弱でホノルル空港に到着。機内預けの荷物を受け取って到着ロビーを抜けると、団体専用のカウンター(というか臨時の受付所)があります。便名・ツアー名と名前を言うと「はい、荷物はここへ置いてね。あそこのエレベータで上がって○番へ行ってね」と、もちろん日本語で案内してくれます。教えられた通りに○番へいくと、お約束の歓迎レイをかけてくれて、記念写真をパチリ。きっとしばらくすると写真が出来上がっていて、結構なお値段で売っているのでしょう。写真を撮りおわると、「×番でバスを待ってください」と言われ、×番へ行きます。しばらく待っていると案内人が現れ、シャトルバスに乗せてくれます。これから、説明会場へ向かうのですが、時間がまだ早いのでショッピングセンターに一軒寄るとのこと。そのショッピングセンターは、ヒロ・ハッティという、割と大規模なお土産やさんだということが後になって分かりました。確かに品揃えは豊富で、結局何も買わずに小一時間つぶしましたが、どんなものが幾らくらいかはしっかりチェックできました。
 午前10時をやや過ぎたころ、説明会場のシェラトン・プリンセス・カイウラニに到着。オプショナルツアーの申し込み方やチェックイン、帰国日の行動などについて説明を受け、一旦解散。ワタシ達のコースは市内観光が付いてないので、宿泊するホテルにチェックインできるまでの間は自由行動です。午後2時40分に再集合することになったので、まずは昼食を兼ねてアラモアナ・センターへ行くことにしました。
 ワイキキ・トロリーに自由に乗り降りできるWAIWAIカードをもらったので、トロリーで行くことにしたのですが、乗り場が分かりません。アルトリガー・ウエストホテルの前から乗れるはずなので待っていると、トロリーのようなバスが来たので思わず乗ってしまったのですが、どうやらそれはショッピングセンター行きの無料シャトルバスのようでした。英語のできないワタシ達は、「これはアラモアナ・センターへ行きますか」という簡単な質問さえもできず、マウイダイバーズというところで慌てて降りてしまいました。結局、そこから歩いて5分ほどでアラモアナ・センターに無事着くことができました。
 アラモアナ・センターのお目当ては、ハイ・パフォーマンス・カイトというお店です。1階の中央に食事ができるコーナーがあるのですが、ハイ・パフォーマンス・カイトはすぐ隣にありました。ワタシ達はカイトバックを持っていたので、お店に入ると店員さんが目ざとく見つけ、「それはカイトか」と英語で話し掛けて来ました。夫は、普通の英会話は出来ないくせに、カイトや釣りとなるとなぜか結構しゃべります。本当に通じているかどうか怪しいのですが、なんとか会話が成り立っています。30分ほどおしゃべりをしてから、「またね」とお店を出ました。中央の食事コーナーで昼食を食べ、その後いくつかのお店を覗くともう午後2時。早くワイキキ市内に戻らないと大変です。今度は本物のワイキキ・トロリーに乗ったのですが、集合時間にギリギリです。シェラトン・プリンセス・カイウラニに駆け込むと、宿泊先へ向かう集団とすれ違いましたが、自分たちがどれについて行けばいいのか分かりません。とにかく会場へ駆け込み、レンタルの携帯電話を受けとって、それらしい集団の方へいくと、幸運にも正解のグループに追いつくことができました。この遅刻のおかげで、空港で撮った写真は見ることさえもできませんでした。
 ワタシ達の宿泊ホテルはハワイアン・ワイキキ・ビーチ・ホテル。ツアーデスクは隣のハワイアン・リージェントにあります。そこで、まずリージェントへ行き、ツアーデスクの場所の確認をしてからキーを受け取りました。ワタシ達はまたまた幸運にも既にチェックインが済んでいて、案内の人から鍵を受け取るだけでOKでした。自分のホテルに行き、部屋に入ってしばらくすると荷物が届きました。もう、後は完全にフリーです。ホテルの部屋は設備も広さも「並」でしたが、ベランダからの眺めだけは最高です。どうやら交通の便も比較的よさそうです。
 時間はまだ4時前です。カピオラニパークでカイトが上げられると聞いていたので、散歩がてらに出かけることにしました。ハワイアン・ワイキキ・ビーチ・ホテルはワイキキの東の端にあるので、カピオラニパークまで5分もかかりません。今日は日曜日なのですが、日没間近のせいか公園には人はまばらです。1時間ほどダイヤモンドヘッドをバックに、試運転をしました。風は1.5mくらいでした。
 その後、カイマナ・ビーチをぶらつきながら日没を観賞し、ホテルへ戻りました。

二日目

 この日は、オプショナル・ツアーの真珠湾クルーズを申し込んであったので、午前7時20分にハワイアン・リージェントのツアーデスクへまず集合。このクルーズは朝食・昼食付きです。
 出港すると、まずダイヤモンドヘッド沖まで東進します。ワイキキ・ビーチの沖を走ってゆくので、なかなか良い眺めです。真珠湾は湾自体が史跡になっていて、戦艦が沈んだ所には印がついています。船が湾に入ると、日本語と英語で説明してくれます。湾の奥には戦艦アリゾナの沈んだ所があり、上部が記念館みたいになっています。その隣に戦艦ミズーリがあります。ミズーリは1999年には内部が一般公開されるそうです。
 湾の奥でUターンし、後は帰るだけです。11時ごろには早めの昼食が始まり、食べおわるころに港に帰り着きます。また、バスでホテルまで送ってくれるのですが、ワタシ達は途中のロイヤル・ハワイアン・ショッピングセンターで降り、ぶらぶらとウィンドウ・ショッピングをしながらホテルまで帰りました。クルーズの代金は45ドルでした。
 一旦ホテルに帰り、一休みしてからカイトを持ってカピオラニパークへ。風が無いようなので水族館を覗いてみることにしました。再びカピオラニパークへ行くと、やや風が出てきて、暗くなるころには3mくらいになりました。この日の夕食はホテルの1階にある和食やさん(浜茶屋十兵衛)。店の人も客もメニューもテレビも日本語ばかりで、日本国ハワイ県と言われるのがよくわかります。ABCストアで飲み物や翌日の朝食を買い込み、帰って寝ました。

三日目

 今日は、ハワイに来た最大の目的地サンディビーチに行くことにしました。ワイキキ・トロリーのブルーラインで行くと1時間ちょっとのようです。ABCストアで昼食を仕入れてからデューク・カナハモク像の前で待っているとトロリーが来たので乗り込みます。ブルーラインは景色を楽しむコースのようで、日本語の説明のアナウンスが流れます。サンディビーチにはトロリーのバス停はないので、アロナ塩吹き穴で降り、6〜7分ほど歩きます。いました、いました。カイトフライヤーが。初級者ってかんじの中年の黒人のオジサンが一人で揚げていました。話し掛けようと思っていたのですが、ワタシ達が到着して凧を出すころには帰ってしまいました。
 風は常時7〜8メートル吹いていて、ベントが丁度良いくらい。ビーチは海水浴客がいるので、駐車場のとなりのサンディビーチパークで上げます。平坦な芝生のパークで凧上げには最適ですが、芝生の下が粘土質の土で、汚れると大変です。結局、10時ごろから4時ごろまで堪能しました。その間、地元のフライヤーが何組か上げに来たのですが、皆、1〜2時間で帰ってしまいます。我々のように6時間も居座っているのはいませんでした。日曜日はハイ・パフォーマンス・カイトのデモをやっているようなので、もっと賑やかなのかもしれません。
 ワイキキ・トロリーは1時間に1本しかないので、乗り遅れると大変です。早めに塩吹き穴まで戻ると、すでにトロリーが着いていて散策中の観光客を待っていました。トロリーに乗り込み、一旦シー・ライフ・パークへ行き、そこでUターンしてワイキキ市内へ戻ります。帰りは往路とはちょっと違うルートで、ダイヤモンドヘッドの北側を回り、終点まで行きました。
 ホテルで着替えてから、今日は市内のレストランに出かけることにしました。中華を食べて超満腹になってしまったので、腹ごなしにビーチを散歩しながら帰りました。ハワイに来たというのに、まだ一度も泳いでいません。もちろん水着は持ってきているのですが・・・。ワイキキ・ビーチは砂がさらさらでゴミもなく、とても気持ちの良い感触です。ビーチサンダルでないので海に入るのはやめましたが、ちょっと残念です。

四日目

 今日は、夕方からオプショナル・ツアーに出かけることにしました。せっかくハワイに来たのだから、ハワイっぽいショーでも見たいと思ったのですが、ポリネシア文化センターは一日がかりになりそうなので、パラダイス・コーブという夕方出発のものを選びました。で、それまでは今の所予定無しです。
 朝食をホテルのレストランで食べたあと、散歩がてらにカピオラニ・パークへ行ったのですが風の具合が悪くてカイトはボツ。まえに「マジック・アイランドで凧を揚げているのを見た」と聞いたので、行ってみることにしました。
 マジック・アイランドはアラモアナ・センターからすぐの所です。ワタシ達のホテルの前からトロリーが乗れるので、それで行くことにしました。アラモアナ・センターでトロリーを降り、センターの中央を通り抜けると公園に出ます。公園を越えるとマジック・アイランドです。ビーチもあり、泳ぐのもワイキキ・ビーチよりよさそうです。カイトの方は、残念ながら良い場所ではありませんでした。風は3〜4mほどだったのですが、樹木のせいかかなりガスティです。1時間半ほどいてお腹もすいたので、アラモアナ・センターお昼を食べることにしました。お昼のあと、またハイ・パフォーマンス・カイトを覗いてみると、またまたワタシ達のカイトバックを見つけて声をかけてきた人がいました。今日は日本人です。カイト好きがこうじてハワイに移住してしまったと言っていました。ここで、お土産代わりにクワッド・カイトとシングル・ライン・カイトを1機ずつ買いました。
 トロリーで市内へ戻り、荷物をおいてツアーデスクへ向かいます。翌日が帰国日なので、まず、翌日の集合時刻をチェックし待っていると、パラダイス・コーブの会社の人が迎えに来てくれました。ジェフという名の日系二世です。バスに乗り込み、パラダイス・コーブに着くまでの間に、今夜のショーの事をいろいろ説明してくれました。
 1時間弱くらいで到着。まず、ゲートをくぐるとドリンクサービスがあります。指定席の場所を確認しに行くと、あとはフリーです。園内には、ポリネシアのゲームや手芸を教えてくれるコーナーや、刺青もどきをしてくれるコーナーなど、いろいろあります。イベントが一通り終わるとディナーショーです。食事もハワイの伝統的な食材が入っていて、木の器に盛られています。ショーもなかなか見ごたえがありました。午後9時ごろに終了し、入場のときに撮った写真を見たり買ったりしてバスに戻ります。
 バスが着いたのは出発地のハワイアン・リージェントが一番めで、最初に降りることができました。ハワイアン・リージェントはワタシ達の宿泊ホテルよりも大きくて豪華です。まだ10時前だったので、カフェで一休みすることにしました。夫はハワイの地ビールのゴードンビアーシュ、ワタシはカルア・ミルクみたいな味のトロピカル・ソフトドリンクを飲みました。おつまみに、クラッカーのようなものが籠に入れて出てきたのですが、これがすごくおいしくて全部食べてしまいました。

五・六日目

 いよいよ帰国です。午前10時半の出発便なので、集合は7時55分。モーニングコールはなんと5時です。
 まず、機内預けの荷物をまとめて待っていると、指定された時間に荷物を取りに来てくれます。朝食をホテルのレストランで食べた後チェックアウトし、手荷物を持ってハワイアン・リージェントのツアーデスクに行きました。借りていた携帯電話を返し、ちょっと待っていると迎えが来ます。バスに乗り込み、あとは帰るだけ。帰りは偏西風が向かい風なので、なんと9時間近くもかかります。短かったハワイ旅行でしたが、下見としては十分でした。結局、ビーチでもホテルのプールでも、一度も泳ぎませんでした。日本はもう元旦です。