サーモン・フィッシング


朝早く、仲介をしてくれる地元の案内業者がホテルまで車で迎えに来てくれる。



(A&P)AMERIKA & PACIFIC TOURS INC.

TEL:(907)272-9401〜2




この会社は日本語でも予約ができるらしい。今回はあらかじめ日本で予約をしておいたので日本人の係の人が担当。

数分で湖畔のRUST'S(赤錆屋)という水上タクシー屋に到着。左はそこのパンフです。アラスカの平原には車の道がないのでこういう水上飛行機でないとだめ。

ここは老舗で、かの小説家でナチュラリストの開高健先生も御用達の店。「あかさび」なんてちょっと心配な名前だが、整備と操縦の腕はたしか、と開高先生の御墨付き。

ここでフィッシングライセンスを買って、釣り場まで連れていってもらう。

キングサーモンのランは終わっているので、今日の狙いは、シルバーサーモン。日本から持参した8番のフライ・タックルで。


お客4人とパイロットというえらく小さな飛行機でちょっと心配だが、景色は絶景。 遠くにマッキンレー山、眼下は大湿原。

同乗したアメリカの若者達はおちゃめで、飛行中ドアを開けようとしてみせたりして、ハイな感じ。僕達はこんな小さな飛行機は初めてで、ちょっと緊張。

右は操縦席の様子です。

アンカレッジから西へ飛行機は蛇行する河や湿原地帯の上を飛ぶこと1時間あまり。ちらほら釣りのボートが散在する、ポイントらしき河川の合流地点に到着。


蛇行する川の合流点で着水すると、川辺に散在するいくつかのロッジから、モーターボートが集まってくる。ガイドが乗っていて名前を呼ばれる。とりあえず自分のロッジでライセンスを買っていざ出撃。


初めは本流の中ほどにボートを留めて、下流に向けてのキャスティング。かなり大きなフラットフィシュ(ルアーの一種です)を流して、あたりを待つ釣りです。竿先がしなるのを見て、ロッドを抱きかかえるようにしてフッキング。これがなかなか難しくてばらしの連続。

「フィッシュ、オーン!」(僕)

「フィッシュ・オフ!?」(ガイドのティム君)

どさくさ紛れに、英語で騒ぎまくるのですよ。

そのうち女房に連続ヒット。おぉ、チャムとシルバー。はじめてのサーモン!、はじめてのアラスカ!!

川の底には、何千という鮭の群れが上流をめざして、行列をつくっています。原則として彼等は、海から淡水域に入ると餌を食べませんが、鼻先を横切るルアーの動きにかっときておもわず飛びついてしまう、というのがこの釣りの原理です。

そのうち僕の竿にもシルバーがヒット。この釣りかたはダメージが大きいので、魚はキープすることにします。その場で締めてクーラーへ。

ロッジへ帰って、とてもおいしいクラムチャウダーとサンドウィッチの昼食。ここの奥さんは料理の本にレシピまで載せている名コックでした。


午後は支流に入って、浅瀬に上陸して、フライフィッシングをやります。日本から担いで行った8番のロッドにタイプUのシンキングライン。フライはガイドのティム君にもらった、紫色の大きいウェイテッド・ニンフ。イクラを咥えて遁走するリーチ(蛭)をかたどったアトラクターフライです。似たようなタイプは巻いて行ったのですが、まあ、郷に従え、ということで。

折から雨が降ってきて、なかなかいい感じ。10メートルほどの川幅をクロスストリームでキャストすると、なにやらいきなり根がかりの感触。ところがこれがずんずんラインがでていく! ヒット! フィッシュ・オン!!

10分くらいのやりとりのすえ、80センチ弱のチャム・サーモンが釣れました。これは北海道ではシロザケと呼ぶ、まあ、もっとも一般的な鮭で、シルバーより劣るとしてこのあたりではあまり食べないみたいです。午後は全部キャッチ・アンド・リリースの方針。

たくさんばらして、その後もう一匹ランディングして、雨が強くなったのでロッジへ戻りました。充実した、腕の疲労感、ログ・キャビンのコーヒー・タイム、窓には雨音。

夕方、迎えの水上機でアンカレッジへ帰還。明日は、氷河と鯨見物のために早起きだ。


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