釧路旅行記
update on 02.2.24
今回の年末年始は割りと長い目の休暇が取れたにもかかわらず、バイオリズム低下状態のうつ状態。もう何にもやる気なし。かろうじて部屋の簡単な片づけと年賀状の印刷を済まして年末ぎりぎりに実家に行く。取り立てて何もすることなく実家でぼーっと過ごし、何ごともなくまた自分の部屋に帰ってきた。このまま何にもすることなく休暇を終えてしまうのか・・・そんな状態の僕に、久々に
旅行の神様が降りてきた。
なぜか無性にどこかに行きたくなった。で選んだ先がなぜか
釧路。
まあ理由は、ネットサーフィンで釧路湿原で丹頂鶴を見た人のwebに遭遇したからだけど。んじゃ僕もってことで行き先は釧路、目的は丹頂鶴の観賞ということになりました。
今回は突然旅行の神様が降りてきたので事前に何にも計画なし。この時期の北海道は雪で交通機関が乱れることがあるので最悪北海道で足留めをくらうことを考えると1泊2日が限界か。今回は釧路湿原の他にとくに行きたいと思うところはないので・・・などなど諸事情を考慮した結果、
1日目は釧路に行くだけ。2日目で釧路湿原に行ってすぐこっち(滝野町)に帰る
というスケジュール(って言えるか?)にする。これではいつもの手(青春18きっぷ)は使えないので、往復とも飛行機という僕にしては非常にリッチな旅行になる。この時期の飛行機は料金設定が高いし、おまけにこの事情なのでチケットの予約はしてないし、交通費がばか高くなるがまあ仕方がない。あ、そういやJR根室本線には確か日本三大車窓のひとつといわれている狩勝(かりかち)峠あたりを通るところがあるので、帰りはJRを使うことにしよう。そんなわけでいざ釧路にしゅっぱーつ!!
釧路には関空からJASが毎日1便。しかも14:30頃発の16:30頃着なので今回の僕のスケジュールにはぴったり。飛行機が小さめでよく揺れるのはまあこの際勘弁してあげよう。
ところで出発当日は東海地方で記録的な大雪とのこと(新幹線はダイヤ乱れまくり、名古屋空港は閉鎖、東海近辺の高速道路も、のきなみ通行止め)で「釧路空港大丈夫かなあ」とちょっと心配になる。天気予報では晴れだし、航空ダイヤも乱れていないので問題ないとは思ったけど・・・
釧路行きの飛行機にのって途中東海地方上空通過したが、なるほど雲がびっしりでなかなか下を見ることができない。雲間に見えた地上は真っ白。確かにこれはすごい。大陸からの風も激しいのか、飛行機も思っていた以上に揺れた(なんせ途中でベルト装着サインが点灯したくらいだった)。
さて、釧路上空に来てみると、これが・・・
あれ?雪がかなり少ないぞ。

全然雪景色でない。地面がはっきり見えているくらい。これじゃあさっき見た東海地方の方がだんぜん雪国っぽい。「これは予想はずれだなあ」と思っている僕の意志とは何も関係もなく定刻よりちょっと遅れただけで釧路空港に到着。空港のターミナルから出てもあんまり寒くない。これまた予想外。「まあこの方が予定通りに動けるからいいか」と旅行に出る前の心境とはうってかわって前向きな気持ちでバスに乗って釧路市街に向かう。
北海道はこの時期滝野町より約1時間ほど日の入りが早いので釧路空港に着陸する時はすでにend of sundownの状態。バスに乗るころにはもう夜(まだ17時台ですが)。ということではっきりした町並みは分からなかったが、釧路市(釧路市の隣には釧路町もあるので明確に区別すべし)は結構都会。駅前の雰囲気は長崎県佐世保市の佐世保駅に感じが似ていたが、これじゃあ分かりにくいですよね(苦笑)。まあとにかく駅前着。適当にぶらぶらしても宿が見つからなかったので(日がなくなるととたんに寒くなってきたこともあるが)結局駅前のビジネスホテルに飛び込みで本日の宿を取る。ちなみに釧路市街はメインストリートはかなり明るかったが、1本路地に入ると真っ暗。こういうところはちょっと田舎っぽくてうれしい。
さて明日は・・・ということでまず帰りの飛行機を予約しようとすると
ありゃ、17時/18時台の飛行機は満席だわ。
あちゃ〜これはまずいぞ・・・とどんどん時間をさかのぼっていくと16:05千歳発伊丹行きのANAが予約できた(この予約初めてiモードでしました)のでまずは一安心。じゃあえ〜と、JRを使って釧路から千歳に行くことを考えると・・・
ありゃ、釧路湿原に40分くらいしか滞在できんわ。
というまさにピンポイントの旅行になってしまうことが決定した(苦笑)。まあ以前宗谷岬30分滞在ということもやったことあるし。ま、いいか。
翌日は7:20釧路駅前発川湯温泉行きのバスに乗る。時間帯の似たところで他にも丹頂鶴が観られそうなところに行くバス(JRじゃないところに注意)もあるのだが、僕の見たwebがこのバス路線を選んでいたのでcopy exactlyとする。
バスはどんどん北上していくけど、一向に「一面雪景色」が見えてこない。天気は晴れで風もないし絶好の丹頂鶴観賞日和だと思うけれど、こんなにも雪が少ないんじゃあなーんか北海道に来た意味が半減してしまうな・・・と思っていたら、だんだんいい感じになってきた。「釧路湿原」といっても乗っているバスは結構丘越えみたいな路線を通っていったのだがアップダウンを何回かくり返すと
きたー、一面雪景色
バスの通っている道路だけが雪がなくって、あとは真っ白。そうそうこれでなくっちゃ。こうでないとこの時期に北海道に来た意味がない。降りたバス停あたりは道が真直ぐで遠くに山が見えるって感じの(僕が思っている)典型的な北海道の景色。なんかちょっとうれしい。
さて丹頂鶴が観られるところ(餌付け場)はバス停のすぐ横。缶コーヒー/ジュース関係の自動販売機はあるし、たばこの吸い殻入れはあるし、荷物置きの小屋もあるし割りと観光地化している。ま、餌付け場だし仕方ないか。僕の他にももうひとり撮影目的の人が同じバス停で降りたし、ひとつ前のバス停でも2人の撮影目的の人々が降りたので、この辺りは割りと有名な鶴の撮影ポイントなんだなあと思う。んじゃ鶴は・・・
ありゃ、一羽もいない。
仕方ないので周辺の雪景色を撮る。10分くらいして一羽やってくる。ありがとう、旅行の神様。あまりにうれしかったのでばしばしシャッターをおす。僕と一緒に降りた人(長いので以降「おじさん」とします)はたばこをふかしての〜んびり状態。「撮影を諦めたのかな」と思っていたらまた二羽、一羽と飛んでくる。ぼくはシャッターを押すがおじさんはまだ押さない。「こりゃ完全諦めムードだな」と思っていると餌付けの係の人が餌をまく。でも鶴は増えない、バスの時間は迫ってくる。こんなものかなあと思っていると
おお〜っ、来る来る

先に来ていた鶴が呼んでいた(と僕には聞こえた)せいか、餌がまかれる時間を知っていたのか(こちらが多分正解)、あっちこっちから集まりだした。もう数えられないくらい。このころから車が数台来て鶴を見に来た人々が増えだす。おじさんもおもむろにシャッターを押し出す。「そうか、鶴はこれくらい集まるんだ(なぜか標準語)」と思っているともう帰りバスの時間。バスを待っている間にも数羽飛来した。「結構多いじゃん(またもやなぜか標準語)」と思いつつバスの中へ。さよなら鶴たち。悔しさ半分、ほっとすること半分。なぜほっとしたかというと、
寒かったから。
風は全然吹いていない、天気は晴天。しかし身にしみる寒さ。まず耳がちぎれそうになるように感じ、ついで足先が冷たくなりだした。耳の方は何とか慣れてきたが足先の方はどんどん辛くなってきた。バスに乗る頃が多分いい頃合だったろうなと思う。これで風があったら宗谷岬のときのように辛かっただろう。しかしおじさん、次のバスまでいるつもりなのだろうか。僕の乗った帰りのバスは8:54発、次は何と12時台。あの寒さに耐えられるのか。きっと鶴の撮影のベテランで防寒対策はばっちりなんだろう。
釧路駅、いい天気です

さて釧路に戻って新千歳空港までの乗車券と特急券(正確には特急券は南千歳まで)を買おうとしたら「指定席はありません」とのこと。やっぱり、帰省ラッシュに大当たり。仕方ないので自由席券を買ってみどりの窓口を出ると、もう並んでる!出発1時間半前なのに。これが自由席の悲しいところ。地方では直近の列車分しか改札をオープンにしないが釧路駅でもそう。ただし冬の北海道の場合、プラットフォームで待っていたらきっと凍え死んでしまうだろう。寒さが厳しいところでは、改札口に扉を設けていたりするし、プラットフォームにキヨスク等の売店もない(自販機のみ)。そういう意味では釧路駅は改札に扉はないし(嘘でした on 2002.2.24。しかし自動ドアだったり、自動改札だったりするのでやっぱり暖かい方仕様だと思います)、売店もあったし、北海道では割りと暖かい方なのかもしれない。そうか、釧路地方は冬でも比較的暖かいから丹頂鶴が冬を過ごすのかのしれない。
さて改札がオープンになるとほとんどの人(僕を含めて)がダッシュ!!。だって自由席で座りたければこれくらいの努力は惜しめない。おかげで窓際の席をゲット。OKOK。
・・・のはずが、新得駅あたりまでほとんど寝ていたので(笑)景色を堪能しなかった。さらに上り列車の場合、進行方向右側の座席の方が景色がよかったような気がする。さすがに新得駅を過ぎると一面真っ白だし、雪は降ってるし、やっと「雪国」に来た
〜という感じ。トマム駅ではスキーヤーがいっぱい乗ってきた。そういやこの辺ってリゾート地だったっけ。
ちなみ石勝線の新得〜新夕張間は駅間が非常に長く、ほとんどの駅で特急しか停車しないというユニークな路線である。 「ほとんど」といったが、これは楓駅が特殊なためで、この駅は石勝線の新得〜新夕張間にありながら特急は全て通過、逆に各駅停車しか停車しない。そしてその各駅停車というのが隣の新夕張発着、しかも一日一往復(しかも朝6〜7時台)という「なんでそんな駅が存在してんの?」といいたくなるようなすごい駅なのだ。しかしもうすぐ駅としての機能は停止し、信号場としての機能だけに縮小されるようだ。鉄道ファンの皆さん、現役の楓駅に行くなら今のうちです。
新千歳空港に着くと結構雪景色。
雪の新千歳空港

滑走路にも雪掻きをしたあとの雪の固まりがあちこちにある。確かにここは札幌には近いけど、どうせ北海道の空の玄関にするんだったら雪の少ない釧路にした方がよかったんじゃないのかなあと思う。
先にJRのところで「帰省ラッシュ」と書きましたが旅客ターミナルはすごい混雑。東京方面は空席待ちの人が一杯。お〜お〜。僕より計画性のない人がいっぱいいるなあ。伊丹行きも満席ながら、僕は事前に(といっても前日だが)予約していたので溢れることもなく無事に大阪まで戻ることができた。
とまあ相変わらずの旅でしたが、別にウィンタースポーツでなくても、冬の北海道はいいところだったなあと思います。寒かったけど。
(終わり)
写真集のページに行く
前のページへ戻る