リチャード3世ってどんな人?と思って歴史の教科書をみると...
ありゃ、載ってねーぞ。
ということで、 素人なりに調べてみました...
英仏百年戦争は結局フランスが国土のほぼ半分を占めていた英領をほとんど支配下に収めて終戦となります(ちなみにこの時代の”英”とはイングランド王国のことです)。この結果に不満の英貴族たちがランカスター・ヨーク両家の英王位争いに加わり内戦となります。これを歴史上”ばら戦争”といいます。名前はランカスター家のバッジ(印)である赤いばらとヨーク家のバッジである白いばらに由来します。ところで、何故王位争いをしているか?えーとそれはプランタジネット王家エドワード3世の4男の家系がランカスター家で、3男と5男の家系がヨーク家。そしてエドワード3世の長男の家系からランカスター家が王位を纂奪したもんだから、ヨーク家も王位継承の正当性を主張するのです。
ふー、ちょっと一休み。
で結局はランカスター家もヨーク家に王位を纂奪されてしまいます。そしてヨーク家初代エドワード4世の死後、その息子幼王エドワード5世を廃位して王位に就いたのがエドワード4世の末弟グロースター公リチャード、すなわちリチャード3世です。
やっと出て来ました、リチャード3世。しかし血みどろの王位ですね、これ。
ところが、リチャード3世も王位継承2年後、ヘンリー・テューダーとの戦いで敗死、ヘンリー・テューダーがヘンリー7世として王位に就きます。これがテューダー王家の始まりです。なぜヘンリー・テューダーが王位に就けるかって?それはですね、えーとランカスター王家2代目ヘンリー5世の王妃がヘンリー5世の死後密かに結婚(おいおい)した相手との間に生まれた長男と、ランカスター王家傍流の女性との間に生まれたのがヘンリー・テューダーなのです。一応王家に繋がりあるんですわ。とはいえヘンリー7世も纂奪には違いないので王妃としてエドワード4世の娘を迎えます。こうして出来たのがランカスター家の赤いばらとヨーク家の白いばらが合体したテューダー・ローズで現在も王家のバッジです。
ところで、
リチャード3世が幼王や次兄のクラーランス公を殺したというのは確たる証拠がある訳ではないようなんですよ。おまけにシェークスピアの劇中のリチャード3世は片手に障碍があり、片足を引きずっています。んー近現代ならともかく、国王が陣頭指揮を執って戦争するこの時代、傀儡でない王が(現にリチャード3世はヘンリー・テューダーとの戦にみずから出陣し、戦死しています)シェークスピアの劇中のような体だったとはどーも思えません。でリチャード3世が悪逆非道の王のように描かれているのはテューダー王家のプロパガンディストに元があると思います。シェークスピアもその一人のようですから。
という感じですけど、おわかりいただけましたでしょうか。