このページは僕がいままで読んだうちで”おもしろい””すごい!!””役にたつ”と思った書籍を紹介するするページです。ただし映画にもましてかなり好みが片寄っていますのであしからず。
(Update on 6.10.'07)

鉄道ひとつばなし2(原 武史:著、講談社現代新書)
講談社のPR誌に連載されているエッセイをまとめたものです。下の方に前の版(鉄道ひとつばなし)も載せていますが、ただの「バフ(いわゆるマニアのこと)」でない著者の学者らしい考察も入っているのは前から引き続いています。「マニア」が使うような小難しい言葉ではなく、平易な記述なので(内容が簡単という意味ではない)数時間で完読できました。

日本の外交は国民に何を隠しているか(河辺 一郎:著、集英社新書)
「国連分担金滞納国・日本」この題だけで目からウロコが落ちる思いでした。
この本に書いてある日本の国連への対応をみると、末恐ろしいものがあります。こういう国を国連安保理常任理事国なんかにしちゃあいけません。世界の混乱の元です。
そしてさらに恐ろしいのが、日本の国連に対するやりようをマスコミはまともに取り上げず、野党ですら国会の議題に挙げようとしないことです。日本という「国家」の暴走はもう始まっています。

戦場の精神史武士道という幻影(佐伯 真一:著、NHKブックス)
この本の帯に書いてあります。
日本の武士は「武士道」即ちフェア・プレイ精神に満ちていたと考える人は、現代の知識人層の中にも少なくないように思われる。
その知識人層の中の一人が下記に紹介した本の著者でしょう。源義経が壇ノ浦の戦で戦闘要員でない舟の舵取りに矢を射かけるように命令したこと、鳥羽・伏見の戦で薩長軍が錦の御旗を掲げたことがフェア・プレイでしょうか。本来サムライの戦場での行動理論はどういうものだったか、またそれが後世にどう変質して行ったのかをこの本は教えてくれます。

国家の品格(藤原 正彦:著、新潮新書)
「国際化という名のアメリカ化」「英語よりも国語」というのはなるほどなあと思います。
しかし「民主主義よりも武士道精神」とか「『論理』だけでは世界が破綻する」とか言われる「はあ?」と思ってしまいます。おそらく著者が「武士道」と思っている新渡戸稲造の「武士道」は日本の武士の有していた「武士道といわれるもの」とは異にしており、欧米のキリスト教的宗教教育に対して日本にあるのは「武士道」だと新渡戸が己の経験や思想から構築しただけのものです。それを頼みにするところに著者の専門外の分野に対する限界があるし、この本の「浅さ」があります。
合理性を排除して猛進して行った結果が軍国主義の台頭です。そこでの武士道はさらに歪められていたものとはいえ、いいように使われたのは確かです。

最後のロシア皇帝(植田樹:著、ちくま新書)
「無為無策。」最後のロシア皇帝ニコライ2世の執政はこの言葉につきるのではないでしょうか。制度不良を起こしている皇帝専制、また国中に渦巻いている市民/農民の不満に対して何も対策を講じず、また講じたとしても非妥協的であったり逆に混乱に拍車をかけたりと、政治/軍事的にあまりに無能でした。さらにラスプーチンなどに政治への介入を許してしまい、もう破滅的です。勤勉だけで最大最古の専制国家を導くことなどできず帝政は崩壊、そして皇帝一家も悲劇的最期を遂げます。

切腹日本人の責任の取り方(山本博文:著、光文社新書)
この本は「切腹」という「武士」にとって究極の責任の取り方、を通じてサムライの生き様にスポットを当てた書です。
「切腹」というと、己が犠牲になって腹を切ることで他者や組織を守るとか、潔白を証明するために腹を切る、などのように現在では切腹という方法は採らないものの、今でも綿々とその思考が我々日本人に生きているものもあれば、武士にふさわしくない行動をとったために(この「武士にふさわしくない」、というのがくせもの)腹を切らされるとか、けんかの末に腹を切るなど、我々の考えの及ばない理由でも腹を切ったり、切らされたりしています。そうかといって何でもかんでも腹を切りゃあいいっていうものでもなかったようですし。サムライも世渡りは思ったほど楽じゃなかったようです。
このところ(2006/1/5現在)、結構この著者の著作に興味がわいています。他にも新書や文庫が出版されているようなので、色々読んでみようと思っています。

玉音放送が流れた日(学研)
「玉音放送」って何人の人が知っているでしょう?
とくに、戦後生まれのひと、それも30代から若くなれば「玉音放送」っていう言葉自体を知らない人が多いと思います。かくいう僕も玉音放送がどういうことを言っていたかくらいは知っていますが、語句自体は、かの有名な「堪え難きを耐え、忍び難きを忍び」その他2〜3文節くらいしか知りませんでしたし。
この本は、その玉音放送の文章そのものを原文と仮名をひらがなに改め漢字にルビをふったものを記載してあるので非常に読みやすいですし、音源そのものがCDでついています。昭和天皇の独特のいいまわしを聞くことができます。字を追いながら先帝の言葉(格調高げな言葉です)を聞いてみるのも面白いと思います。
いろいろな写真も載せられておりきれいな本に仕上がっていますが、玉音放送=終戦の詔書っていうのは思いっきり大略すると「戦争負けました。これからもしんどいけど頑張ってね」っていってるだけですからね。しかも言葉自体に(表題もそうですが)「負け」という文字を使わないこの白々しさ。別に飾り立てるようなものでもないかもしれません。

ポル・ポト<革命>史虐殺と破壊の四年間(山田寛:著、講談社選書メチエ)
ポル・ポト派ことクメール・ルージュは何をやりたかったのでしょう。
中産階級の子弟が共産主義にかぶれ、そのあまりにも観念的な彼らの理想を実現しようとした結果、文化文明を破壊し、人口を激減させ、国土を崩壊し、カンボジアを物心ともに崩壊せしめただけで何の収穫もなかった、そう言い切っていいと思います。
特に彼らがおこなった虐殺はものすごいものがあります。700〜800万の人口の中、150万人程度を殺しています。割合的にも絶対数的にも恐るべき数字です。同じカンボジア国民、いわば仲間/隣人を殺しているのです。考えられますか。

靖国問題(高橋哲哉:著、ちくま新書)
どこかの国の首相が「参拝行くんだ!」って子供みたいにだだこねてますが、改めて言うまでもないことかもしれませんが、この本ではこの「お子ちゃま首相」の矛盾点をさらっと突いています。
まあそんなことは大したことではありませんが、この本では、靖国神社に関する問題を、靖国神社への批判的立場で5つの章(問題)にまとめて述べています。靖国神社の設立のそもそもの目的は、亡くなった人を悲しむのではなく、亡くなったことを誉め讃え、そして残された家族を栄誉に思わせるようにしむけるという「感情の錬金術」が目的といっています。なるほど、そうでもしないと家族を喜んで戦争に行かせられないでしょ。

ラブレター(いわさきちひろ:著、講談社)
いわさきちひろ著、となっていますがちひろは1974年に亡くなっているので、実際のところは彼女の日記や書簡をまとめたものです。
この本では第一章がお勧めです。「わが愛の記録」という名がついているちひろの日記が掲載されています。初出です。彼女の絵は非常に母性愛のあふれた優しい絵だと思いますが、この「わが愛の記録」の内容は熱い、時には激しい言葉で彼女の夫へ対する愛情/情熱が書かれています。いわさきちひろの違った一面が見られます。

天国で君に遭えたら(飯島夏樹:著、新潮社)
つい最近(02/16/'05現在)この本の作者のドキュメンタリーが放送されていましたが、そこであったように、この作者は末期がんに侵され余命宣告を受けています。
そういう自分自身の体験から生まれた小説なんでしょうが、作者の性格も影響しているのが全然深刻な内容ではありません。「そんなシチュエーションあるのかなあ」なんてこともありますが、そんなことは気にせず読めます。とてもさらっとしています。

本当の戦争すべての人が知っておくべき437の事柄(クリス・ヘッジズ:著/伏見威蕃;編、集英社)
戦争に関することを437のQ&Aにまとめた本です。例えば
戦争で民間人はどういう目に遭いますか?
撃たれるのはどんな感じですか?
拷問に耐えられますか?
などなど。これらの質問に例を載せながら淡々と回答がつけられています。無機質なだけにかえっていやな感じが増すのかもしれません。
この本の帯に書いてありますが「戦争から目をそむけてはならない。それを怖れなければならない」のです。我々日本人は怖れているんでしょうかねえ・・・

韓国の軍隊徴兵制は 社会に何をもたらしているか( 尹 載善(ユン・ジェソン):編、中公新書)
「冬のソナタ」の舞台、春川(チュンチョン)。この町は冬のソナタでみられるように風光明媚な美しい町ですが、一方で、町からわずか50キロメートル北方にある軍事境界線へ兵士を送る補充基地があり米軍の駐留基地もあります。韓国はいまだ戦争中の国家であり(北朝鮮とは「休戦中」で戦い終わったわけではない)、その軍事的側面の重要な要素が「徴兵制」です。昨今徴兵忌避でプロ野球選手やとある俳優が問題になったことで韓国には徴兵制がある、ということを改めて知った人も多いのではないかと思います。
そのような我々があまり知らない韓国のもう一つの面をこの本は教えてくれます。

ちひろBOX(ちひろ美術館:編、講談社)
いわさきちひろの作品集です。それぞれの作品に有名人(例えばヤンキーズの松井とか)/一般人(小学生から70代の方まで)からのコメントが書かれています。絵は当然ですがなかなか興味深いです。他人の見方を知るというのはなかなかないですし。

もうひとつの僕の生きる道〜BBSに寄せられた感動のメール集〜(関西テレビ:編、角川文庫)
2002年から2003年にかけて関西テレビで制作されたドラマ「僕の生きる道」のBBSに寄せられたメ−ル集です。このドラマが、悪性のがんに侵され余命一年と宣告された主人公の生きる道を描くドラマであり、フジテレビ系列にしては丁寧に作られていただけに、メールの中身も非常に読み応えのあるものばかりです。
それに比べてなんて僕はだらだらと日々生きていることか・・・僕も一生つきあわなければならない持病があるんですが、全然駄目ですね、アマチャンです。

世紀の誤審オリンピックからW杯まで(生島淳:著、光文社新書)
スポーツがよりスピーディーに、より緻密に、そしてVTRの導入により誤審が露になることが増えてきています。それがオリンピックやW杯などになるとそれが劇的であったりします。日韓共同開催サッカーW杯の明らかに韓国びいきの判定、シドニー五輪柔道100kg超級での篠原の誤審による銀メダル、などなど。
アスリート側の技術や競技環境が進化しているにもかかわらずレフェリーやアンパイア側にはなかなか進化がないこと、さらに語学の問題、その種目におけるマイノリティーへの差別等、誤審が発生する原因は多岐に及びます。レフェリーやアンパイアがいないスポーツなんてまずないでしょうから、そちら側の進化/改善がないとスポーツへの興味も削がれてしまいますよね。

皇位継承(高橋紘 所功:著、文春新書)
いや、我ながらすごいですねえ。先頃マスコミでちょっと女帝論云々がはやりましたが、3〜4年くらい前にはこの本を購入してました。
この本は「皇位継承はこうするべき」と自説を展開している著作ではなく、どうやって現在まで皇位が継承され、また過去の女帝はどういう位置づけで位に就いたのかを、そして「皇室典範はなぜ女帝を認めていないのか」についてもその成り立ちから、現憲法との位置づけについてまでをわかりやすく述べています。少なくとも以前の政府見解は、皇位の男系継承を「憲法14条(男女平等の原則)の例外」と見なしていたわけなんですねえ。

大正天皇(原 武史:著、朝日選書)
「鉄道ひとつばなし」の中で大正帝が取り上げられていたので、興味を持って購入しました。大正帝は「遠眼鏡事件」また裕仁皇太子(後の昭和天皇)が摂政に就いて公務一切を代行したほど病弱な天皇してのみの印象がありますが、皇太子時代には沖縄を除く各都道府県や当時の大韓帝国を訪問するなど、安定な健康を保持していた時期をあったということが意図的に忘れられているようです。またそれまでの天皇とは異なり、民衆により姿をさらし、気軽に(わがままとも言えるが)声をかけ、またよき家庭人たらんとするなど、後期昭和帝以降の象徴天皇制における天皇家のsituationを先取りしていたと言えます。天皇の世継ぎ(それも明治大帝の)でなければ短命で精神/人格的に崩壊することなく一生を終えられたのかもしれません、嘉仁という人物は。

男の引き際(黒井 克行:著、新潮新書)
「老害」、また歳を取っていなくても長く組織のトップに居続けることで、その組織に害を及ぼすリーダーの多いこと。それに比べると、この本にも取り上げられていますが本田宗一郎と藤澤武夫の引き際は見事というべきでしょう。また小市民の僕でも、人生の引き際についてはせめて一人くらいには惜しまれて去っていきたいと思っていますし、できるだけ周りに迷惑をかけずにいたいと思っています。特に後者については、入院中にあまりにも情けない歳を取った男たちをさんざん見てきたのでなおさらそう思います。

松平容保(星 亮一:著、学陽書房 人物文庫)
話題は下記にも関連していますが、幕末に京都守護職として孝明天皇の絶大な信頼を得ながら結局朝敵に祭り上げられた会津藩主松平容保についての小説です。小説としては、どうなんでしょ?まあ容保の生涯を簡単に知るにはいいと思います。
容保はあまりにも愚直で、会津藩は徳川幕府の武力勢力として強力であったがために倒幕勢力から恨みを一心に受けてしまい、戊辰戦争後の処分はあまりに厳しいものでした。僕はそういう点で松平容保が好きですし、逆に長州勢に違和感を感じてしまいます。「幕末」というと新撰組や坂本龍馬、また桂小五郎がよく取り上げられますが、佐幕勢力の大物として会津公を取り上げない訳にはいきません。

孝明天皇と一会桑(家近良樹:著、文春新書)
副題にある「幕末・維新の新視点」がテーマです。ちなみに「一」は禁裏守衛総督だった一橋慶喜(後15代将軍徳川慶喜)、「会」は会津藩主で京都守護職だった松平容保、「桑」は桑名藩主で京都所司代だった松平定敬のことです。はっきり言って明治維新は薩摩・長州両藩のクーデターで成立したもので、その後も「薩長中心史観」が主流ですが、それに対する幕府側からの視点で書かれているのがこの本です。会津藩なんて結果的には「朝敵」に祭り上げられてしまいますが、松平容保は明治天皇の父の孝明天皇から絶大な信頼を得ていたことも歴史の事実です。

真っ向勝負のスローカーブ(星野伸之:著、新潮新書)
以前広島→巨人で投手だった川口和久氏の本を紹介しましたが、この著者は阪急/オリックス→阪神に在籍した投手で、現役時代最速でも130km/h代のストレートと100km/hを割るスローカーブ(キャッチャーに素手で捕球されたことで有名)とフォークボールを操って176勝、2041奪三振という高数字を残した方です。コントロール/配球/メンタル面をどうしてきたか、またどう取り組んできたか、ということが結構細かいところまで書かれています。もう一度川口氏の著書を読んでみて両者の違い:川口投手は「キレ」、星野投手は「コントロール」:をみてみたいと思います。

歴史通(谷沢永一:著、ワック出版)
最悪です。
別にこの本は歴史思想の潮流を扱っているものじゃないんですが、この作家は何かにつけて戦後思想を左翼系だとかいったり、何かにつけて社会主義国は云々とかいいますが、そんなことを言えば言うほど品の無さとか、おさとが知れてくるということがわからないようです。
数ページ読んだだけでもうげんなりしました。

シリーズ日本国憲法・検証
第2巻 象徴天皇と皇室
(高橋 紘:著、小学館文庫)
ここ最近(04年5月中旬)皇太子の発言が波紋を呼んでいますが、あの発言に関係ある皇室外交についても書かれており、「天皇は国政に関与しない」が現憲法の根幹のひとつですが、一方で「外交」という非常に政治的な事柄に天皇や皇族を当てている、という問題点があることを指摘しています。その他象徴天皇制についての諸問題について、平易にまとめられていると思います。確か第1巻も持っていたはずなので、改めて読み返してみたいと思いますし、既刊の第3巻も手に入れたいと思います。

明治天皇を語る(ドナルド・キーン:著、新潮新書)
外国人がこういう著作をするというのがユニークです。かなり平易に書かれているので3〜4時間もあれば読破できると思います。明治天皇はこの本がいうように「大帝」といえるほどの強烈なそして確固としたリーダーシップで日本を率いましたが、大酒飲みであるなどその素顔は人間的でもあります。それからこの本の前書きにある一文

すぐれた歴史の本はどんな小説よりも面白い。

は僕の心境を実によくあらわしてくれています。

鉄道ひとつばなし(原 武史:著、講談社現代新書)
講談社のPR誌に連載されているエッセイをまとめたものです。ただの「バフ(いわゆるマニアのこと)」でない著者の学者らしい考察も入っています。こういうのが、雑学なんだけれどもいい知識、になるんだなあと思います。
(06.15.2004追加)この本の理解を進めるために地図帳と首都圏鉄道乗り換えガイドを買ってしまいました。だって首都圏のことなんてわかんないだもん。

関西弁講議(山下好孝:著、講談社選書メチエ)
これを取り上げた理由は今までどおりです。
「関西弁」を実際に講議されている大学教授の本で、大学での講議ノートをもとにこの本ができているそうです。著者の先生は京都出身のスペイン語学者でさらに日本語の講師もされているという方ですが、そのようなsituationから関西弁を意識され「外国語としての関西弁」をという講議が成立していったようです。
ま、今やCMでは宇宙人でも関西弁を喋っています。日本人がしゃべられないわけありません。が、この本に書かれているように関西弁には標準語にはある「子音の無声化」がないので、ふつうの俳優女優じゃあけったいな関西弁になるんですわ。

京都の謎戦国編(高野澄:著、祥伝社黄金文庫)
これは取り上げた理由が今までと異なります。
この本は悪書です。基本的事実の欠落、表題と内容があっていないなど、よくもまあこういうモノを発行したもんです。たとえば「なぜ本願寺は東西に別れたのか」という章では、東西に別れたくだりは最後のページに4行だけしか出てこない。文庫本、しかも小説じゃない文庫本で4行なんてたかが知れてます。しかもこの4行の中にも基本的事実の相違があります。
入院時の徒然に読もうかなあと買ったんですが、533円+消費税返せって感じです。当然読み切ろうとも思いません。ある意味「すごい」本でした。

解夏(さだまさし:著、幻冬舎文庫)
これも珍しく小説です。ちなみにこれも入院中に読みました。こちらはこの小説が先にあって映画化されましたし、今度TVドラマにもなるようです。
この小説は、目が見えなくなる時最後に何を観るか、心に焼きつけるか、というテーマがベースにあります。僕は、今(2004/4/15)だったら波照間島のニシ浜の景色だと思います。みなさんはどうですか?
主人公が目に焼きつけたいものは故郷である長崎の街、そして「・・・」になるんですが、それにしてもさすがさだまさし、長崎の街の描写が見事です。そして目が見えなくなった時の描写が印象的です。僕は別の病気で片目がほとんど見えなくなったことがあったんですが、確かにこの小説で書かれている感じだったんですよねえ。

僕の生きる道(橋部敦子:著、角川文庫)
珍しく小説です、というかTVドラマのノベライズっていった方がいいですね。このドラマかなり有名ですし。僕かなり一生懸命見てました。
テーマはこのドラマの副題でもあった「have a good die」につきます。いずれは訪れる死。それまでどう生きるか。いろいろ考えさせられます。入院中だったのでなおさらかも知れません。

歴史とは何か(岡田英弘:著、文春新書)
「歴史とは何か」この命題に対して著者なりの答えを出そうという著作です。今では一般的と思われているUSA文明(文化といっていいかも)は実は歴史のない極めて特異な文明ということを述べています。この辺のくだりはなるほどなあという感じです。
しかし君主制が民主主義よりも優れているということを述べています。民主主義(この本では国民国家と述べられています)は発生してたかだか200年と少し。そんなくらいで民主主義がダメって結論を出すのは早計でしょう。

バカの壁(養老孟司:著、新潮新書)
ついに出てきました。超ベストセラー。発刊されて2ヶ月後くらいには購読していたのですが、その時は特に取り上げることはないかなあと思っていました。
その後、養老先生の特集番組を見て、まあ取り上げていいかなあと。「バカ」というきつい言葉は気にせず読んでみてください。「意識の世界が全てだと思っている(のは間違い:注釈)」「原理主義は科学の敵」など、著者の主張を読み取っていただけると思います。

がんで死ぬのはもったいない(平岩正樹:著、講談社現代新書)
日本の進行癌治療の現状を知る良書です。著者は時には激しい言葉で日本の進行癌治療の憂慮する現状を、あるいは日本医療界の現状を述べています。そして批判の目は患者側(患者の家族/親族)にも向いています。主張が強い本です。読みごたえありです。僕もおいしい食事の出る病院より、ちゃんと病気に立ち向かってくれる病院/医者を選びたいです。

ぼくが安曇野ちひろ美術館をつくったわけ(松本猛:著、講談社)
僕の好きな「安曇野ちひろ美術館」の館長が書いた本です。ちなみに館長はいわさきちひろの息子です。
この本の第1章が「絵は見なくてもよい」です。いきなりはじめにこんなことを書くのもすごいですが、これが僕がこの美術館が好きな最大の理由といってよいでしょう。帯にも書いてありますが「昼寝のできる美術館」なんです、ここ。展示室のいすでうたた寝、ではなくちゃんと寝椅子が複数設置されているんです。ぼくもこの寝椅子にお世話になったことがあります(笑)。
美術館のまわりには芝生が拡がっているし、池もあるし(足首程度の深さなのでお子さまでも大丈夫)、お花畑もあるし、外にも出られるカフェもあるし、ここは絶対お勧めです。ぜひともいってみてください。ぼくはほぼ年1回行っています。
本のコメントじゃなかったかもしれませんね。

がんと向き合って(上野創:著、晶文社)
朝日新聞の記者が若くしてがんの告知を受けてからの闘病や度重なる再発を乗り越えていく様を自ら綴った本です。もともとは新聞の連載ものでした。
やはり一人でこういう病を乗り越えていくのは厳しいのでしょうか、この方も奥さんや家族の力強い支えがありました。
僕の友人にも似たような体験をした奴がいたので興味を持ち、あっという間に完読してしまいました。ちなみにその友人も病を乗り越え、結婚し、今や父親になろうとしています。嬉しい限りです(双子の父親になりました!)

秘境駅へ行こう!(牛山隆信:著、小学館文庫)
日本各地の「秘境駅」つまりとんでもない山奥や人里離れた所にある駅について作者の体験を元に書いた本です。最寄りの道に出るまで一山越えないといけないとか、まわりが私有地ばかりで一般人はアクセスできないとか、様々な駅があります。この本を読んだ後に時刻表を見てみると、なるほど函館本線の張碓駅は臨時駅扱いで各駅停車でさえも通過している、つまり一本も列車が留まらない駅になっていました。
作者の方は大手電気メーカーに勤めておられ、奥さんもお子さんもおられるとのことです。年齢も僕より少しだけ上。いやはやこの方のバイタリティには頭が下がります。僕ももうちょっと若くて体力があればこの本に書かれているようなことをやってみたいです。

クラッシュ(太田哲也:著、幻冬舎)
「日本一のフェラーリ遣い」と称されたレーサーの瀕死の怪我からの前進を描いた、自身による書き下ろしです。表紙のヘルメットを見るだけでレーサーの合った事故の壮絶さをうかがい知ることができます。ときにはクールにときにはホットにペンを進めています。ぼくも共感できるところがありました。

人名の世界地図(21世紀研究会:編、文春新書)
かの大音楽家バッハは日本でいうところの「小川」さんになるし、JFKで知られているケネディは「醜い頭」という意味だそうです。人種・民族特有の人名もあり、 人名を見ることでその国/地域の歴史を垣間見ることができます。いろいろ発見がありました。

日本人のための宗教原論(小室直樹:著、徳間書店)
キリスト教、仏教、イスラム教そして儒教を「本来の教義およびそれがどう変質していったのか」ということについて書いてあります。ちょっと宗教を斜に見ている人にとってはなかなか面白い本だと思います。これが大学の講議だったら間違いなく受講してたでしょうね。難しい言葉がいっぱいでてきますがルビふってあるし、わりと読みやすいです、僕にとっては。

ヒトラーの震え 毛沢東の摺り足神経内科からみた20世紀(小長谷正明:著、中公新書)
ヒトラーのパーキンソン病、毛沢東の筋萎縮性側索硬化症(ALS)など、古今東西の指導者、有名人等を死に至たらしめた、または正常な判断力を失わせた病の、とくに脳神経関係に関することについて書いてあります。この頃でいうと小渕前首相が脳梗塞で亡くなりましたし、マイケル=J=フォックスがパーキンソン病と闘っていますよね。脳梗塞/脳出血なんていつ発病するかわからないし、怖いですね。

遺書(verb:制作、サンクチュアリ出版)
実際に5人の遺書を載せ、なぜその遺書を書くに至ったのかを取材/資料から明らかにし、また残された家族の思いを綴っています。中学生はいじめを苦にして、という理由ですが、他では欝のときに回りにいる人/組織のちょっとした(平常を保っているときには「ちょっとした」でしょうが、欝のときにはそうと限らない)ことで死を選んでしまったりします。自分の言葉/行動でどれだけ人に影響を与えているかを思うと怖いです、とても。

科学事件(柴田鉄治:著、岩波新書)
薬害エイズ、水俣病、これらに対する中央省庁の責任が問われるのは当然のことですが、これらにかかわっていた「科学者=理系の人間」の責任はどうなのでしょうか。明らかになったDATAから適切に結論を導くことなく、恣意的に歪めた結論を出す、そういう「御用科学者」には生理的嫌悪を感じます。

新版人はなぜ狂うのか?(小田晋:著、はまの出版)
表紙にも書いてありますが「精神医学入門」書です。かなり平易に書かれていると思います。この頃精神や神経を病んでいる人が何かと話題になってますから、こういうものを目を通しておくといいかもしれません。ぼくも本だなの奥から引っ張り出しました。
ちなみに言っておきますが、精神や神経を病んでいる人がみんな攻撃的になるわけではないし、私たち「普通」と思っている人々でもいつ精神的に病んでしまうかわかりませんので念のため。

日本海軍の終戦工作(纐纈(こうけつ)厚:著、中公新書)
「戦争を押し進めたのは陸軍、終結させたのは海軍」というのは一面に過ぎません。日中戦争では海軍の方が積極的な場面もあったし、太平洋戦争でも回避の可能性を自ら放棄したりしています。終戦時も、天皇をはじめとする首脳陣が「国体護持=天皇制維持」にこだわったがために、より一層の無駄な犠牲を強いたのです。「聖断」なんて言葉に惑わされたらいけません。

投球論(川口和久:著、講談社現代新書)
カープ→ジャイアンツで活躍した投手の著作です。投手というものをかいま見ることができます。実際に在籍した人が言うから確かでしょうが、ジャイアンツは「選手を育てよう」というチームではないし、「リードで冒険できないチーム」ということだそうです。道理で打者は4番バッターばかり揃えたがるし、つまらない野球しかできないわけだ。

南京事件「虐殺」の構造(泰郁彦:著、中公新書)
誰だー「南京虐殺」なんてなかったって言ってる奴は。やっとるやっとる。殺しまくってるぞ日本軍は。確かに中国側の主張している「20万人」ではないけれど、まあ4万人はヤッテるぞ。しかし20万人とか4万人とか、人命を数万単位で述べるっておかしいと思いませんか?まあそれが戦争の救われ難いところなんですけどね。

象徴天皇の発見(今谷明:著、文春新書)
神話時代はともかく、天皇が親政した=実際に政治を動かしたというのはホンのわずかの期間なんですね。そういうところでは「象徴天皇制」というのは歴史的にはごく普通の状態のようです。三種の神器なしで即位した天皇も結構いたりするので、その辺のくだりが面白いです。

新・WW2欧州戦史(たぶん全10巻)(学研)
とかく日本では先の大戦を「太平洋戦線」だけ見がちですが、現象としての第2次世界大戦、さらに「欧州戦線」も知っておく必要もあるでしょう。大戦後の世界への影響度を考えると欧州戦線のほうが大きいですし。ただこのシリーズは「実際の現象としての戦争」をつかむためのものです。ちょっと「マニア的」かもしれないですね。政治的/思想的な面を知る場合は別紙に求めたほうがよいでしょう。

王家の風日(宮城野昌光:著、文春文庫)
この小説家が得意としているのは夏王朝から春秋戦国時代の古代中国。この小説はそのうち商(殷)王朝末期を描いた長編です。古代中国を題材としているだけあって、漢字の使い方や単語に非常に風格があります。他に古代中国で初めて文字を創造した商(殷)の高宗武丁を描いた表題作他数編を収めた短編集の「沈黙の王」も秀作です。

なぜ国家は衰亡するのか(中西輝政:著、PHP新書)
国家というものも人間と同じように成長期があり、そして停滞期、衰退期があります。人間の場合は衰退しやがて死ぬんですが、国家の場合は衰退期にいかに己を見極め、立て直すかで回復が早いか、ずるずるいってしまうか、が決まるそうです。確かに衰え出したときはなかなか認めたくないものですもんね。しかし、USAを褒めすぎること、貴族主義のにおいがすることがちょっと気になります。

日本社会の歴史(中)(網野喜彦:著、岩波新書)
社会形態、経済もさることながら、その当時の政治/国制のことが結構書かれており、非常に面白いです。これはある意味歴史の醍醐味かも。

戦争学(松村劭:著、文春新書)
「考えたくないことを考える」この本にそう書いてあります。戦術の変遷、戦史を知ってどうなるのか。しかし歴史のターニングポイントで戦争が絡まなかったことはないと思います。実は歴史の中で戦史、軍事史というのは非常に大きな比重を占めているのです。

リング/らせん(鈴木光司:著、角川ホラー文庫)
たぶん「ホラー系」ではじめて読んだ本と思います。映画やTVは見てないんですが、この小説の感覚をうまく出せているんでしょうかねー。この2つの小説は絶対続けて読まないとダメです。そして「らせん」の方が面白いと思います。

精神鑑定の事件史犯罪は何を語るか(中谷陽二:著、中公新書)
刑事事件で被疑者に対し「精神鑑定」がおこなわれる場合がありますが、これはその「精神鑑定」を通して精神世界をかいま見る本です。また多重人格者としてよく知られている「ビリー=ミリガン」を疑いの目で見ていることは注目すべきことと思います。だいぶん前に購入していたのですが、読み返してみるとなかなか読み応えのある本でした。

ふたり(唐沢寿明:著、幻冬舎文庫)
一応いっておきますが唐沢寿明ってあの俳優の唐沢寿明です。内容はエッセイで普通は中高生が読むものだと思います。僕は唐沢寿明という俳優には別に興味はないんですが、これを読んで唐沢寿明に感じていたもの〜とんがっている感じ、ぎすぎすした感じ〜の理由がちょっとわかったような気がしました。

墜落遺体(飯塚訓:著、講談社)
御巣鷹山に墜落した日航機123便の遺体の身元確認に当たられた方が書いた本です。遺体確認の様子。警官達や遺族の方々の一言。列車のなかで読んでいて不覚にも涙がこぼれ落ちそうになりました。読みやすさもあったのですが3時間ほどで読破してしまいました。

ヒトラー暗殺計画(小林正文:著、中公新書)
第2次大戦中のドイツでもナチやヒトラーに抵抗する勢力はあったんですね。この本はその中でも実際に1944年にあった陸軍の一部によるヒトラー暗殺未遂事件を述べています。ちなみにこの事件でヒトラーが助かったのはまさに「強運」だと思います。

謎とき日本近現代史(野島博之:著、講談社現代新書)
歴史の授業っていうのは、××××年「○○○○」が起こる、等のように事実の羅列が多いですよね。まして近現代史なんてそんな勉強すらしない。だから太平洋戦争への認識が薄かったりするんでしょうね。そんな中この本は歴史の羅列からもう少し突っ込んでいます。さらっと歴史を知るにはもってこいですし、学問追求でないならこの程度で充分だと僕は思います。

日本科学者伝(常石敬一ほか:著、小学館地球人ライブラリー)
昔の科学者はすごいです。まあ昔の大学がハイレベルであったということなんですが、大学出て留学して、帰ってきたらすぐ教授。で我々が授業でも習った様な基本的なことを発見されているのです。講義も英語、ドイツ語だったりしますし。大学出た僕がいうのもなんですが、いつから大学ってこうなっちゃったんでしょう。

幕末の天皇(藤田覚:著、講談社選書メチエ)
なぜ黒船以降天皇が急に権力の中枢に出てきたのか。この本はそれをわかりやすく教えてくれます。天明の飢饉で幕府の威信が衰え出したところに少しずつ少しずつ朝権を強化していった光格天皇、頑迷なまでに攘夷にこだわったがために幕府を追い詰めて「しまった」孝明天皇。「なるほど」という感じです。

将軍と側用人の政治新書・江戸時代(1)(大石慎三郎:著、講談社現代新書)
柳沢吉保vs新井白石、田沼意次vs松平定信。前者は悪政、後者は善政という位置付けをされていますが本当にそうだったのか?というのがこの本の趣旨です。「側用人」についての他に5代将軍綱吉の再評価、いわゆる「忠臣蔵」は実は...等があり面白いです。

自殺者現代日本の118人(若一光司:著、幻冬舎アウトロー文庫)
強烈です。しかしその時代の世相が反映されているのもあるし、「歴史は繰り返す」というフレーズがまさにぴったりなものもあります。また実に哀しい理由で亡くなった方もおられますし、「んーよくわからん」という理由もあります。この本では伊丹十三までなんですが、その後も続発していますよね。98.5.3現在でも日本銀行の理事とか元X-JapanのHideとか。

<むなしさ>の心理学なぜ満たされないのか(諸富祥彦:著、講談社現代新書)
ちょっと難しいですが、最近にしては珍しく1日で読み終えてしまいました。心に渇きを感じている人、脱力感のある人、目を通してみてください。きっと何らかのヒントになると思います。

昭和天皇の終戦史(吉田裕:著、岩波新書)
なかなか微妙な問題を扱ってます。実は昭和天皇はかなり政治的発言をし、臣下に対し好き嫌いをはっきり持っていたんですね。また近衛文麿のように戦争の推移や天皇の戦争責任に対してドライな考えを持っていた人でも、中国に対する考えがまったく欠如していたということは驚きです。

あかちゃんのくるひ(岩崎ちひろ:絵/文、武市八十雄/案、至光社)
作者の母性を感じて下さい。あったかい気持ちになれます。

宙(ソラ)の名前(林完次:写真/文、光琳社出版)
「星・月・星座。このごろ僕は目線を上にあげたことがないなー。せっかく西脇は星がよく見えるんだから、たまには上を向いてみるか」という気になりました。

聖書これをいかに読むか(赤司道雄:著、中公新書)
なるほどー。要は各々の逸話が何を例えているか、ということを考えるといいわけですね。

世界大地図館(小学館)
いやあだいぶん前に購入していたのにここに挙げるの忘れてました。高い!でも許す!それにしても、地図見るとなんかわくわくするんですよ、僕。

初版グリム童話集(ヤーコプ&ヴィルヘルム=グリム:編/吉原高志&素子:訳、白水社)
結構残酷です。それはそれで面白いんですが。

精神医学とナチズム裁かれるユング、ハイデガー(小俣和一郎:著、講談社現代新書)
精神医学のなかでドイツ医学の果たした役割は大きい。しかしその中心人物達は実はナチスに大きく関わっていた。いくら偉大な人物でもその人の”負の部分”も見つめないといけないんですよね。”負の部分”にその人物を解析する上で重要な点も多いですし。

星の王子さま(サン=テグジュペリ:作/内藤濯:訳、岩波少年文庫)
誰でも知っている非常に有名な童話。でも僕はちょっと子供には難しい、むしろ大人のための物語と思います。

落日燃ゆ(城山三郎、新潮文庫)
A級戦犯でただひとり文官で絞首刑になった広田弘毅の生涯を描いた小説です。広田弘毅とは大略すると2.26事件の後首相をつとめ、軍部に対し抵抗し、戦争を回避しようとした人物です。戦前の日本にはこのひとのように外交のできる人がいたんですね。

事故はこうして始まった!
-ヒューマンエラーの恐怖-
(S.ケイシー:著/赤松幹之:訳、化学同人)
要は人間がしっかりしていないと駄目なんですよ。いくら最新鋭の設備でも、マニュアルが完璧にそろっていても。

ナショナルジオグラフィック(日経ナショナルジオグラフィック社)
いやこれ勉強になります。きれいな写真、適当な文字数。知的好奇心を満たしてくれます。しかし日経ってなんでもありやな。

ユネスコ世界遺産(全12巻)(講談社)
自分で給料もらうようにならんとこんな高い本は買えません。まだ全12巻配本されていません。でもわかりやすい解説、きれいな写真が非常にいいです。自分で給料もらうようになって何が嬉しいってこのような本が買えるようになったことと映画資金が増えたことです。

空撮・南米大陸(清水武男、クレオ)
題でおわかりいただけること思いますが、写真集です。これも高い。本当は”ギアナ高地”の写真集を探していたが見つからなかったので代わりに買ったのですが、アマゾンやナスカの地上絵など、代わりというには余りにも内容が良すぎました。

手ぶくろを買いに(新美南吉:作/黒井健:絵、偕成社)
絵本です。子狐が人間の町に手ぶくろを買いに行くお話し...といえば幼稚園や小学生低学年くらいに読んだことのある人が多いのではないでしょうか。上記の作者も童話作家として有名ですし。お断りしておきますが、僕は子供はいません。

気を植えた男(ジャン=ジオノ:原作、フレデリック=バック:絵、寺岡襄:訳、あすなろ書房)
これも絵本。もともとは短編アニメーションで(1987年アカデミー賞短編映画賞)それをテレビで観てとても感動し、以来ビデオを探していたのですが、絵本の方を先に見つけたので買った次第です。ちなみにその時のテレビでは、ナレーションの永井一郎(磯野波平、デギン=ゾド=ザビ、猪熊柔のおじいちゃんの声の人。んーどれもこの本のイメージと合わねーぞ)の声とアニメーションが非常に良くマッチしていました。

the Five Star Stories(全11巻たぶん以降続刊)(永野護、角川書店)
分類上は”アニメ”になるんでしょうが、そう簡単に割り切っていいのやら。そしていつまで続くのやら。読者も副読本であらかじめ知識を得ておかないと話しについて行けなくなることもあります。この作者とにかくいろんなことに知識があります。車・ファッション・音楽・ドラッグ・天文・恐竜・鯨・戦車・神話・F1 etc...。でこの作者の人物/メカデザインは非常に特徴があります。たぶん好き嫌いがはっきりわかれると思いますが。

銀河英雄伝説(全10巻+外伝4巻)(田中芳樹、徳間ノベルズ?)
これ結構有名でしょう。”スペースオペラ”の代表作。バックグラウンドに”三国志”があると思うんですが...ちなみに僕はこの作者の”七都市物語”も好きです。いずれこの作品についてのwebにもリンクしようと思っています。

走れメロス/駆込み訴へ(太宰治、新潮文庫)
”走れメロス”は非常に有名ですね。小/中学の教科書には載るし、何度も舞台化されるし、アニメ映画にもなったし。どーも太宰治というと暗いイメージがありますが、昭和14年から敗戦時くらいの間の作品は”走れメロス”をはじめ非常に活気にあふれた作品ぞろいです。でなぜ僕が新潮文庫を選んだかというと、僕のもう1つ好きな小説”駆込み訴へ”があるからです。”駆込み訴へ”の内容はキリストを裏切ったユダのお話しです。ユダが代官所に”駆込んで”キリストを訴えるところを、一気にユダの話す言葉だけで書かれている短編です。読んでいて息が詰まりりそうなくらい非常に切迫感があります。

聖書物語(山室静、現在教養文庫)
別に僕はキリスト教徒ではないんですが、この本は説教じみていないとろがいいです。まさに聖書を物語として読むにはいい本だと思います。

BEGINNERAS'MAC(ソフトバンク)
僕のような初心者にはそんなに難しくなくっていいと思います。でももうすぐMac Userに統合されます(されました)。

JR時刻表(JR、JTBその他)
旅には欠かせないでしょう。JRだけでなく飛行機や船、ある程度のバスも載ってますし。僕は最低年1回買い換えるようにしています。

J guide 全国ビジネスホテル2800(山と渓谷社)
僕は旅行するとき宿泊先を決めずに出てしまうことが多いのですが(単に計画たてるのが面倒なのですが)、そういうときいつもお世話になってます。

電撃戦(レン=デイトン:著、喜多迅鷹:訳、ハヤカワ文庫)
”電撃戦”とはナチスドイツが第2次世界大戦で採ったといわれている戦法です。でも”電撃戦”から想像されるような戦いはヨーロッパ西部戦線で独軍が英仏軍をダンケルクに追い込むまでだそうです、と一言で片付けていいような内容ではありません。この本はただの戦法解説書ではなく当時のドイツ軍や他の国のこと(主にフランス)についても色々と書かれています。

図説死刑全書(マルタン=モネスティエ:著、吉田春美・大塚宏子:訳、原書房)
かなりカルトです。かなり強烈です。しかしなんでこんなことに知恵使うんでしょう、人間って。


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