施設計画の目的

  • この計画は、山谷地域で路上生活や簡易宿泊所(ドヤ)生活を送っている日雇い労働者等のホームレスと呼ばれる人で、特に高齢・疾病などで就労が困難な人のための、「自立」を支援する施設の建設計画です。
  • ここでいう「自立」とは、単に金銭面での自活を意味するだけでなく、「日々の安定した生活」「生きがいのある生活」「まちの一員としての生活」を表します。
  • この施設は、NPO(非営利民間団体)法人「ふるさとの会」が、24時間体制で居住者の「自立」のためのプログラムを主導していきます。

【施設計画の3つの柱】

ホームレス問題解決の糸口となる実践(生活再建−自立の支援)をする拠点をつくること

  1. 高齢ホームレスが安心して住める終のすみかとしての居住条件を確保すること
  2. NPO法人が自立のためのプログラムを主導する中で、居住者同士が共同生活を送ることにより、自立を支援する場となること
  3. ホームレスの自立することそのものや、様々な立場の住民が地域サービスに参加する拠点を作ることにより、分断された地域の人間関係を回復し、地域コミュニティの再生に貢献すること

運営プログラム −高齢路上生活者自立支援センターの活動

1) 共同リビング
日中のくつろぎの場で、お昼を一緒に食べながら利用者とボランティア、利用者同士が懇談し、ゆったりとした時間をすごします。また、利用者の個別の相談に応じます。登録と利用料金が必要です。昼食代1食200円(1ヶ月3000円)。利用者は「あさひ会」会員となります。

2)自立プログラム
当番を決めて料理を作り、食事会をおこないます。その後で、様々なテーマで皆で話し合いをします。無料ですが登録が必要です。

3)高齢者給食・相談会
カレーライスのお昼ご飯を食べて、虎さんのビデオ映画を観ます。60才以上の方ならどなたでも参加できます。

4)ドヤ訪問・病院訪問
登録者に対して定期的に、安否確認のための訪問をします。病気や怪我で入院した場合も病院訪問をします。

5)地域との交流
ボランティア祭への参加、地域団体との交流、福祉施設などへの友愛訪問等をおこなっています。

6)特別行事
約2ヶ月ごとに季節の行事をおこなっています。事前に申し込みと参加費(200円〜300円)が必要です。
例えば、1月:七福神巡り 2月:鍋を囲む会 4月:花見会 6月:あじさいを見る会 8月:供養会 10月:小旅行 12月:クリスマス・パーティ

7)配食サービスボランティア
地域の生活不自由高齢者に対して配食サービスの手伝いをおこなっています。

 

わたしたちは、路上生活のない住みよいまちづくりを目指しています。路上生活の原因は失業だけでなく、都会における孤独、精神の困窮、低家賃住宅の枯渇などが重なっているところにあると考えられます。だからこそ今、路上生活をしなくていいような施設、路上生活へと舞い戻らないような施設運営が求められています。その中で、一人ひとりが人間としての尊厳を取り戻し、人間らしい生きがいにみちた人生をおくってほしいとわたしたちは考えています。今回の施設提案はその実践の第一歩です。


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