公開:2006年1月3日

 
写真


解説:組写真「 東京ミレナリオ 」

 人混みが嫌いなので、これを撮りに行く気はなかったのです。でも、写真仲間から誘われて、撮りに行ってみました。もちろん、撮影後の忘年会が主な目的で。このような大きな電飾の撮影は初めてだったため、条件を変えながら何枚も撮影してみました。結果は散々でした。狙った雰囲気とはほど遠い写真ばかりだったのです。でも、ほんの数ショットだけは、狙った雰囲気に仕上がっていました。これでコツがつかめたので、翌々日に一人で再挑戦してみました。全25枚のうち、最初に撮影した写真が4枚、残りの21枚は翌々日に撮影したものです。

 翌々日の撮影に使えた時間は、3時間強。さらに、自由な位置で撮影できないので大変でした。とくに中央の人の流れでは、立ち止まった撮影が禁止されていて、落ち着いてフレーミングできない苦しさもありました。一部でフレーミングが少し甘いのはそのためです。

 被写体が左右対称なので、まずはシンメトリーを意識しながら撮影しました。その間に、シンメトリー以外の切り方でも写しました。撮影時間が短かったおかげでシンメトリーのショットが多くなり、最終的にはシンメトリーでまとめるしかありませんでした。シンメトリー以外のショットが生かせなかったのは残念です。

 個々の撮影では、電飾の雰囲気を再現することに集中しました。美しい明かりの雰囲気が出るようにと、開放で柔らかいレンズを使っています。実は、他にも柔らかく写る35mmレンズを持って行ったのですが、なんとなんとマウントアダプタを忘れてしまい、結局使えませんでした。

 柔らかく仕上げるには、露出とピント位置も重要です。コツがつかめたと言いつつも、被写体ごとに最適な条件は異なりますから、ある程度予測しながら撮影しています。予測が難しい場合は、少しずつ条件を変えて数ショット写しました。

 こうして撮影した結果は、ご覧のとおりです。特別な画像処理はしていませんが、本物よりも綺麗に仕上がりました。色味が同じになるように、色温度を5300Kに固定して現像してあります。個々の色味が統一されてない感じも受けますが、そこまで合わせてしまうと直しすぎだと思います。また、色温度を別な値で統一することも考えましたが、この色味が自分の印象と合っていたので5300Kのままにしました。

 イルミネーションの雰囲気が出せたのは、一番にレンズの味です。他に、露出とピント位置もかなり影響しています。もちろん、フレーミングも大事ですね。狙った雰囲気は、かなり出せたと思います。この電飾は昨年で終了とのことなので、わざわざ撮りに行って良かったです。

 写真の数と組み合わせですが、枚数を多めにして、構成のリズム感を一番重視しました。実際のイルミネーションは、同じ形の繰り返しになっているので、写真でも似たような印象を持つようにと、個々に少しずつ違いながらも、同じようなショット群を繰り返しています。単調すぎないように注意しながら。そして最後に、イルミネーションの終了を感じさせる1枚を加えました。最後の1枚で何を感じるのかは、観る人にお任せですね。