公開:2004年7月29日

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写真


解説:元気な鯉のぼり

 風になびく鯉のぼりは、見かけると撮りたくなる被写体の1つですね。この被写体を見付けたのは、ミラー式500mmレンズをE-1に付けているときでした。35mm版換算で1000mm相当になりますから、かなり遠い場所にあっても、写真一杯に収めることができました。

 三脚を持っていなかったで、手持ちです。そのままだと、ぶれるのは確実だと思いました。そこで、近くの手すりにレンズを置き、カメラを安定させています。おかげで、まったくぶれずに済みました。

 当時の天気は完全な曇りだったので、背景に青空はありません。薄い灰色の雲だけです。また、曇りの日に撮影すると、全体的にコントラストが低くなります。撮影後の画像処理で何とかするしかありません。Photoshopのレベル補正で、コントラストを高めました。その結果、背景がほとんど白くなってしまい、鯉のぼりだけ切り抜いた感じに仕上がってます。

 鯉のぼりの撮影では、風が必須です。当然、鯉のぼりが揺れますから、その姿が刻々と変化します。良い風の状態をじっくりと待ち、風の良い間に何枚も写すしかないでしょう。

 作品としての仕上りを少しでも良くするためには、いくつかの点を考慮しなければなりません。今回目指したのは「元気で力強い鯉のぼり」です。それを感じさせるように、まず縦位置で写しました。また、風に“なびいている” 感じを強めるために、ポールが少し斜めになっている状態で写します。さらに、少しでも大きく写った方が力強く感じるので、収まりの良い距離よりも少しだけ近付いてます。以上の条件を整えた後は、風の状態を見ながら何枚も写すだけです。この写真は、上から3番目の一番長い鯉が伸びきってない状態となり、少し近付きすぎてるのに、どこも切れずに全体が収まりました。狙いどおりです。

 この被写体では、上から2番目のものが、1番上に引っかかっています。待っても外れそうにないので、そのまま写すしかありませんでした。できあがった写真を見たら「普通の状態でないため、これはこれで面白いな」と感じました。