公開:2005年6月23日

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写真


解説:さくら満開

 さくらの満開を撮るなら、通常は広角レンズを用いるでしょう。でも、あえて望遠レンズで撮ったら、どう表現するのでしょうか。無理なのでしょうか。そう思いながら挑戦してみた結果が、この作品です。

 まず、満開感を出すために、全体に桜の花を入れてみました。でも、桜の花をアップで写すと、意外に美しくありません。 仕方がないので、半分以上の面積をぼかすことにしました。桜の色は綺麗ですから、ぼけた箇所は美しくなるはずです。

 一部をぼかすためには、距離の異なる花を一緒に入れることとなります。すると、写真全体では、望遠レンズならではの立体感も生まれます。望遠による圧縮効果が生じますから、広角レンズとは違った立体感ですね。

 さらに美しくしようと、逆光気味の光を選びました。あくまで逆光気味の光であって、本当の逆光ではありません。後ろから光が当たっている感じというか、背景が明るい感じの場所です。本当の逆光だと、優しい感じに仕上げるのが難しいですから。

 写真全体を明るくすることも大事です。ピンクの色が薄くなりすぎない程度に。ただし、表示される色や濃度が、モニタごとに違ってるので、 私の意図した色や濃度で表示されてないと思います。その点を考慮してください。

 以上のような点を考えて写しました。私としては、そこそこ成功したのではないかと思っています。

 この例のように、いつもとは異なるレンズを用いて表現を試みると、新しい表現方法が発見できたりして、表現の技や幅が広がります。また、表現をじっくりと考える良い機会にもなります。ぜひ試してみてください。