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勘弁してよ亜貴先生!


 正常位で激しく突き入れられながら、亜貴は漠然とした不満を抱いていた。
 ……硬くない……
 場所はラブホテル、相手は友達の一人。恋人ではなく最近出会ったあまり付き合いのない男で、だからこそ、惚れたの晴れたのといったしがらみなしに、セックスを楽しめるはずだった。
 でも、楽しくない。
 亜貴の両足を押し広げた男が、ぐいぐいと腰を巧みに動かしながら、バストに指を這わせている。
「あ、亜貴ちゃん……どうよ、気持ちいい?」
「うーん」
「ここいいだろ?」
「あ」
 どうやら膣内の前側を集中的に狙っているらしい。ピリピリとしびれが走る。おおグレーフェンベルグスポット、と亜貴はつぶやく。
 それなりの快感に亜貴が陶然としていると、男はせっぱ詰まった顔で腰の動きを強め始めた。
「亜貴ちゃん、いく、いくよ……おっ、おおおっ!」
 来る、と亜貴は期待した。
 途端に、男がさっと腰を引いて、ペニスを激しくしごいた。あまり溜めていなかったらしく、亜貴の淡い茂みの上にたらたらっと精液がこぼれる。
「ふうう……」
 眉間にしわを寄せて、男は満足そうに息を吐いた。
 その顔を、亜貴は思いきり殴り飛ばした。
 どかん!
 ひっくり返ってベッドから転げ落ちた男が、呆然として叫ぶ。
「な、何するんだよ亜貴ちゃん!」
「やかましい、なんだその情けない量は!」
「……はあ?」
 亜貴は醒め切った顔でシーツをつかむと、余韻も何も味わわずに立ちあがって叫んだ。
「それにどうして外に出す! コンドームなしでいいって言っただろう!」
「だ、だから外に……」
「しかもちっとも硬くないし変にテクニシャンぶろうとするし……あのな、男だったら!」
 ずかずかと近づいて男の股間を踏みつける。
「男だったら、孕ませるつもりでやらんかーい!」
「あ、あうあうあう」
 げしげしと亜貴は蹴りまくった。


 清美戸亜貴は、保健室の窓辺に頬杖ついて、ぼーっと校庭を見ていた。
 亜貴は高校の保健医である。スペックはB90W55H85でT168。装備はニットのセーターにタイトスカート、武器が眼鏡、防具が白衣。年は二十六。わりとどうでもいいがちなみに、清美戸はきよみどと読む。
 人生全般に対してやる気のなさそーな表情で、ピーナツをぽりぽりかじっている。あまり覇気のある姿ではない。ないが、そこはかとない憂愁さとか優艶さがふわふわ漂い出している。美人である。
 亜貴は人気がある。漫画のキャラクターだったら放課後になるたび保健室が男子生徒であふれかねないほど、ある。人気の出所は彼女の顔と白衣と眼鏡とスリーサイズもさることながら、その特異な言動にある。
 彼女の思考を推し量れる人間はいない。有名なエピソードとして、アリにらみ事件がある。朝礼の時に壇に登って健康の話をするはずだった彼女が、メタルフレームの眼鏡越しにいきなり鋭く生徒をにらみ、じっと黙り込んでしまった。みんなざわざわしゃべっていたので、そのせいで機嫌を損ねたかと恐れたが、別に怒ったわけではなかった。最前列の生徒の足元にあるアリの巣を観察していたのだ。
 話がそれた。
 そういうユニークな行動ゆえに人気があるのだが、ユニーク過ぎてついていける人間はあまりいない。
 今日も彼女は物憂げに校庭を見つめながら、妙なことを考えていた。
 ……博史くん、呼ぼうかな……
 泥まみれで駆けずり回っている、サッカー部の男子生徒たちを見つめる。
 いた。一年生の水畑博史が、大柄な先輩たちにシュートの嵐を浴びせられている。別に博史はキーパーではないのだが、浴びせられている。その前はひたすらサッカーボールを拭かされていた。彼はそういうことがよくある。
 博史は小柄で、サッカー部向きとはとても思えないような男子なのだが、動体視力だけはいい。ボールの雨を懸命に避けている。今のところそれは成功している。
 が、亜貴は容赦なかった。
 白衣の胸元の聴診器を手に取る。これは伊達と酔狂で下げているものである。高校の保健医にはあまり必要でない小道具だ。
 ゴムの部分を左手の親指と人差し指にかけて、真ん中をきゅーっと引っ張る。ピーナツを挟んでいる。それを窓の外に向ける。
「方位二七一、仰角十二、距離三十五……」
 片目を細めてつぶやく。なかなか堂に入っている。
「南西微風、地球自転偏差コンマ八……よし、ファイア」
 ぴしっ! とピーナツ弾が発射された。
 ややあって、亜貴はぐいっと拳を握った。
「撃沈〜」


「あれ?」
 気がつくと、僕はベッドに寝ていた。
 体を起こす。カーテンで覆われたパイプベッド。保健室だ。
 ということは。
「亜貴先生!」
 カーテンを開けると、デスクについていた先生がくるっと椅子を回して振りかえった。よーう、と他人事みたいに手を振る。
「よーうじゃないよ、何が起こったの? 僕なんでこんなとこに寝てるの?」
「ん、いわゆる軽い脳震盪だ」
「なんで脳震盪!」
「上級生たちにボレーシュートの集中砲火を浴びたんだな。被弾九」
「そんなの避けてたよ! 当たるわけ――」
「死角から援護射撃したから」
「……誰が」
「私が」
 聞くまでもなかった。こういう人だ。そういえばほっぺたに何かが当たって、一瞬注意が逸れたような覚えがある。
「……なんでそんなことしたのさ」
「呼びたかったからね」
「声出して呼びゃいいでしょ!」
「そうもいかんよ。野次馬がいっぱい来るから。今だって、病人に差しさわるって理由で苦労して追っ払ったのに」
「野次馬いたらまずいの?」
「まずいさ。やましい理由だもの」
「や?」
 ましい理由って言ったら……まただ。
 また先生、変なモードに入ってる。
 先生はポケットに手を突っ込んだままつかつか寄ってきて、くいっと僕を覗き込んだ。
 ニットのセーターで覆った胸がふかっと揺れる。きれいな大人の女の人の顔が近づく。う、と僕は固まる。
 唐突に先生は問診した。
「きみ、疲れてる?」
「え? 別に」
「疲れてるよな。あれだけしごかれりゃ」
「そりゃしごかれましたけど……」
「うん、疲れてるはずだ。んで、人間疲れると交感神経が引っ込んで副交感神経がのさばるわな」
「はあ?」
「保体でやっただろ。体を休ませるための神経系。これが興奮するから体表が暖かくなって嗜眠状態になる。あと男性は勃起する」
「ぼっ」
「き。スラングでいわゆる疲れマラというやつだね。してないか」
 先生は手を伸ばして、僕のトランクスの真ん中をにぎにぎした。
 に、にぎにぎ。
「おや、まだへにょい」
「せんせいっ!」
「うわ、怒るな」
 僕が真っ赤になって叫ぶと、先生は残念そうに手を離した。
「まだだなあ。しっかりしろ副交感神経」
「じゃないでしょ! なんでそんなことするんです!」
「うん、それが」
 先生は腕組みしながらほっぺたをぽりぽりかいた。
「食べたくて」
「なにを?」
「博史くんのちんちん」
「…………」
「先日男とセックスしたんだけど、その人物が全然硬くなくてなあ。やっぱり二十五越えるとだめか男は」
 ぴちぴちの高校生がいいっていうのはオヤジかな、と先生は困ったように言った。
「オヤジかなって……そういう問題じゃないでしょ! せ、先生が学校で生徒にそんなこと――」
「改まって何を言う。きみはもう私と肉体関係があるじゃないか」
 僕はうつむく。それはその通り。僕はこの保健室で、今まで何度もエッチした。……いや、させられた、かな。
「特に関係が悪化しているわけでもないんだ。求められれば応えるのが筋じゃないか」
「いや、だからね亜貴先生。そういうやらしいことを平然と言うなんて……」
「ああもうめんどくさい。いいじゃないか理屈は。私はしたいの。きみは黙って従えばよろしい」
「そんな無茶な」
「無茶なもんか。若い男性なら喜ぶはずだ」
 そ、それもその通りなんだけど……
 この人、ムードもへちまもなーい!
「いいからほら脱げ。ほら勃て」
 先生はまた僕の股間をにぎにぎする。なんかもう無茶苦茶だけど、この人は言い出したら聞かない。僕はあきらめた。
「わかったよ、わかりました。勃てばいいんでしょ勃てば」
「まったく前置きが長いんだから」
 まともな付き合いは絶対できないタイプだな。この先生。
 男としてどうかと思ったけど、仕方なく僕は先生のするがままに任せた。先生はカエルの解剖実験するみたいな真面目な顔で、ベッドに座った僕のトランクスを下げる。
 ふにゃん、と垂れてしまった。
「あああー……情けない……」
「ほっといてよ! こんな急に言われたら勃たなくて当たり前でしょーが!」
「ほっとくわけにはいかんのよ。どうするかなあ。きみもっとリラックスしなさい」
「だったらそういう雰囲気にしてよ」
「女の子じゃあるまいし。うんと、どうしてほしいんだ?」
 やけっぱちで僕は言った。
「パイズリでもしたら? 先生自慢のおっぱいで」
「別に自慢はしてない。それに私は脱ぎたくない」
「勝手だなあ……」
 いつもそう。エッチのときも先生はこんな感じだ。めったに服を脱がない。だいたいおっぱいでしてくれたことなんかない。無駄なんだって。前戯はいいから早くなんて言うこともあって、ほんとに女としてどうかと思う。
 ……白衣のまま後ろからって、実はすごくいいのかもしれないけど。それが当たり前だとさすがに、ねえ。
「仕方ない、折衷案でいくか」
 先生が背中の後ろに手を回したので、あれっと思った。
 何かもぞもぞした後、ぱちっと小さな音。それから、おなかのところからセーターの中に手を突っ込んだ。そして……あ、ああー。
 ブラジャーひっぱり出した。
「これつけたままじゃあ、さすがに硬いよなあ」
 とか言いながら、僕の前にしゃがんで、
 ふわっ
「あう……」
「どーだ?」
「い、いいです……」
 さわさわしたニット越しに、やわらかーい先生のおっぱいが感じられる。
「ほれ、んっ、ほら」
 先生は両手でおっぱいを持ち上げて僕のちんちんを挟む。ニットの編み目が先っぽにこすれてぞくぞくする。じかにしてもらったことないけど、それよりも気持ちいいような気がする。
 それに、体温がじわじわ伝わって、なんだかすごくほんわかしてしまう。
「ああーう……」
「お、効いてきたな」
 先生は嬉しそうに言う。技や薬じゃないんだけど。
 不満はあったけど、体は正直だった。僕がほんわかするのに合わせて、ちんちんがぐんぐん大きくなった。ぴーんと立って先生の細い鼻をにらみつける。
「大成功」
 満足げな顔の先生に、僕はつい聞いた。
「ね、亜貴先生。匂いどう?」
「イカくさい」
「……せんせえ〜。仕方ないじゃん。思いっきり運動してたんだから」
 がくっと来た。ほんとにこの人は。
 僕がへにゃにゃーとなりかけると、先生はあわてて辺りを見まわした。
「わわ、すまん。いま平常心なもんだからつい本音が。さかってる時はいい匂いに思えるんだけど」
 色気のない言い訳をして、先生はデスクからガラス瓶をとってきた。湿ったガーゼを出す。
「待てよ〜、今きれいにして、それからお口で行くから、なんとか踏ん張るんだぞ」
 そう言って、ガーゼでちんちんを拭き始めた。
「ひゃっ!」
 アルコールだ。本気で消毒してるよ。
「冷たいのは逆効果かな? 待って、すぐすぐ」
 お医者さんらしく丁寧にガーゼを動かす。先っぽの丸いところ、その下のくびれ、棒のとこ、それにタマタマまで。
 あ、なんか……
 これはこれで……
「亜貴せんせ……いいよそれ」
「おっ、そうか! それはよかった」
 そう言うと、先生はぽいとガーゼを放り出した。ああ、よかったのに……
 でも、その次は口なんだから。
 僕はもう、どきどきしていた。なんだかんだ言っても、先生にしゃぶってもらえるのは興奮する。
「よーし、行くぞー」
 ぱく。
 ……
 …………
「あ、あの、亜貴先生?」
「はに?」
「いや、ね、なんなの?」
「あひわっへるの」
 全然動いてくれない。すっぽり口に入れてくれたのはいいんだけど、唇で根元をくわえただけで、ぺろぺろもぬるぬるもしてくれない。
「生殺しだよう」
「ひや、だから」
 ぽかっと口を離して、先生は当然のように言った。
「言っただろ。私、この硬さを口にしたかっただけ」
「なにそれ」
「こーこーせーの疲れマラって、さぞ硬かろーなーと……」
「じゃなに、ずっとそのまま?」
「うん」
「……はああ……」
 なんて言うか、もう、間違えた。出会う相手を。
「いくらなんでも、萎えるよ、僕」
「だめよ、困る。頑張って」
「頑張って頑張れるものじゃないよ」
「うーん」
「そんなにほしいなら、まともにフェラしてよ」
「疲れる」
「あのね……」
 先生ほど巨乳で美人じゃなくてもいいから、同級生の彼女をとっとと探した方がいいのかも。
 とは思うんだけど、ここまでいろいろやられてしまうと、今さら冷静にもなれない。とにかく出したい。
「あのね亜貴先生、僕のそれ、まだ完璧じゃないから」
「うん?」
「もっと優しくしてくれたら、もっと硬くなるよ。その……副交感神経とかで」
「あ、そうか。忘れてた。私としたことが」
 先生はちらりと僕を見上げる。
「じゃ、してやるから。ちゃんと硬くなれよ」
「はいはい……」
 ようやく、先生は僕の望み通りのことをしてくれ始めた。
 口いっぱいに唾液をためて、とろーっと落とす。
 ルージュを塗った唇ではむっと挟んで上から下まで側面を滑らす。
 細い指でタマタマをふにふに揉む。
 くっぽりくわえて奥まで入れて、舌とほっぺたでうにうにちろちろする。
 あったかい。
 ぬめぬめ。
 柔らかい。
 やる気の先生は、やっぱり凄かった。さっきの同級生、撤回。
「亜貴せんせ……さいこー……」
「ふん、とーれん」
「ね、おっぱいもんでいい?」
「よひ、ゆうす」
 僕はかがんで、先生のおっぱいに手を伸ばした。大きなふくらみが、もたっと手の平に乗る。持ち上げてぽよぽよ、うーん、重い。握ってむにむに、うーん柔らかい。
 女の人のおっぱいって、どうしてこんなにほっとするんだろう。体じゅうから力が抜けて、胸がぽかぽかあったかくなった。
「んむー」
 はむはむしていた先生が、顔を離して手でしこしここすりながら言った。
「いいぞ、博史くん。リラックスしてきたな」
「亜貴せんせ、すげーいいもん……」
「これよ、私がほしかったのは。あー凄い。皮の下が木の棒みたい。噛み応えあるわあ」
 先生は楽しそうに裏筋のところをきゅいきゅい押す。それ痛い。痛いけどいい……
「やば……出るよ」
「らめらめ、もっとねはって」
「粘れっていっても、そんなにこりこりくわえたら……」
「はー、ふー、ろうひよ。もっとあひわいたいほにー」
 名残惜しいとばかりに、先生がくむくむ口をつぼめる。だめそれ逆効果、ガマン限界――
「先生ッ!」
 僕は先生の顔を引っぺがした。そのぬるっとした動きで、いってしまった。
 びちゃっ、と先生の唇に精子がかかる。じゃなくて、かけた。
「はあっ! はあっ!」
 これだけからかわれたんだから、逃がすつもりはなかった。先生の頭をしっかり押さえて、僕は思いきり出した。びくんびくんとはねるちんちんで、先生のつやつやしたほっぺたと涼しげな眼鏡に思いっきりかけてやった。
 つばを飲みこんで、先生を見下ろす。先生のきれいな顔に僕のべたべたした液がかかって、どろどろになっている。ざまあみろ、という気分だった。
「はああ……」
 僕は仕返しができたことに満足して、先生の頭に体を預けた。


「……ふむ、顔射と来たか」
 亜貴は人差し指で頬をぬぐいながらつぶやいた。
 それ自体には不満はない。いつかは出るとわかっていた。眼鏡のおかげで目には入らなかったし、顔を突き出していたからセーターの胸元も汚れなかった。髪も大丈夫。
 例の栗の花の匂いがすごいが、それも平気だ。精液は排泄物ではないし、出した博史もそこそこ清潔で病気などない少年だ。衛生的には問題なし、と身も蓋もない感想を抱く。
 不満なのは、感触だった。
「今の勢い、よかったよなあ。ほっぺたへこんだぞ」
「え?」
「それに、射精の瞬間の律動感もいいな。あれは惜しい……」
 不審げな博史の顔など目に入らず、勝手な考えをおしすすめる。
「勃起が最高になるのは射精直前なんだよな。んで射出圧を逸らさないためには覆ってしまうのが一番。一番だけどそれは飲むことになるな。飲んでも無害か、もちろん無害か」
「あの、亜貴先生?」
「うん、決めた」
 亜貴はさっきのガーゼできゅきゅっと眼鏡を拭いて、博史を見上げた。
「次、口に出しなさい」
「口い?」
「はい開始」
 再び亜貴は吸いついた。ほうっ、と妙な声を博史が上げる。委細構わず、次の勃起を求めて熱心に口を動かす。
 甘苦い精液が舌にからむ。無害無害と言い聞かせながらそれも潤滑油として使う。くすぐったいのか逃げようとする博史の腰を、しっかり抱えこむ。ついさっきの強制顔射を忘れる亜貴ではない。
「せんせー……そんなにされたら僕……」
 ふにゃふにゃだった博史の性器が、蘇った。口の中でぐんぐんたくましくなるそれを、亜貴は喜びとともに迎える。
 ……さすがに回復が早いなあ……
 骨も筋肉も入っていないとは信じられないほどの硬さで、性器がそそり立つ。血流の熱さと拍動がじんわりと舌に伝わる。亜貴は学術的好奇心に胸をどきどきさせながら、その外観を緻密に粘膜でトレースしていく。
 ……ちょっと反ってるな。十四センチぐらいか。これだけあれば子宮口に接触するなあ。ほんとに精液注入器官だなあ。なんてえげつないんだ……
 指で睾丸を包みこんで、根元の膨らみを刺激する。
 ……ああ、鬱血してる鬱血してる。それにまだ一杯溜まってる。しかし前立腺って凄いな、よくこんなキチキチの尿道通って射精できるもんだ。何psiぐらいの射出圧なんだろ……
 あまり女らしからぬ妄想に浸っている亜貴の耳に、博史の焦った声が届く。
「せんせ……すげーよ……めっちゃ情熱的。そんなにちんちん好き?」
 別に情熱的じゃ、と否定しようとして、亜貴は気付いた。
 自分もさっきから心拍数が上がっているし、呼吸も荒くなっている。下着の中も――性器も濡れてきた。
「……ふふ。すひ」
 軽く笑って、亜貴は顔を強く博史の股間に押し付けた。茂り始めた陰毛に鼻をねじ込む。少し酸味があるほどの汗の匂いも、不愉快ではない。
 私は欲情しているな、と亜貴は認めた。
 セックスに移るかこのまま口腔愛撫を続けるか、少し迷った。だが、続けることにした。博史はあと二回ぐらい余裕で射精できるだろうから、今回は当初の予定通り口でもいいだろう。
 どうせなら最大の勢いを引き出してやりたい。
 亜貴はちゅぽっと口を離して、ペニスにすりすり頬ずりしながら博史を見上げた。
「博史くぅん……いっぱい出して。あとでセックスもしてあげるから、まず私のお口にね」
「せんせ……! いいの? せんせの口の中汚しちゃってもいいの?」
「ベタベタにして……」
 かあっと博史が顔に血を昇らせ、頬に当たる性器がぐっとこわばった。素直だなあ、と亜貴は微笑む。
 深くくわえこんで、容赦なくしごき上げた。びくん、びくんと鼓動していたペニスが、びくくくっ、と痙攣した。
「せんっ……!」
 びゅうっ、びゅうっ、と奔流が飛び出した。亜貴は牛の乳しぼりを思い出しながら、丹念に幹をしごき上げた。口蓋を突き破りそうな圧力で噴出が続き、口の中に粘性の高いゲルが溜まっていく。
 ……二回目でもこれか。高校生っていいなあ……
 鼻に抜けた濃い匂いで、頭がくらくらする。自分の鼓動と股間のうずきが一気に高まる。こりゃ一体どういう作用だと思いながら、犯されたくなったことだけは正直に自覚している。
「見せて……せんせ……」
 博史がはあはあとあえぎながら見下ろしている。亜貴は、期待に応えてやった。
 薄く口を開け、ほんの一条とろりと唇から垂らす。
「飲んで……」
 亜貴は白い喉を見せつけて、ごくりと精液を嚥下し、強烈に博史を誘惑した。
 さあ犯せ。
「せん……せ……」
 ぎらぎらと目を輝かせ、理性を失った博史が、亜貴をベッドに引きすりあげ、押し倒した。


 亜貴先生のタイトスカートを思い切りめくり上げて、ストッキングとショーツを引きちぎった。
「こら、替わりがないのに」
 叱られたけど、怒ってないみたいだ。珍しい。先生は、セックスの時だっていつだって、おっそろしく冷めてるのに。
 今日こそほんとにエッチな気分なのかもしれない。ぼくはカタカタ震えながら先生のむっちりした足を開いて、あそこを覗き込んだ。
 薄いさわさわの毛が、濡れてきらきら光ってた。
 目の前が見えなくなるぐらい頭に血が上った。こんな風に正面から見るのも始めてだ。その上、こんなにはっきりエッチな証拠が見られるなんて……
「先生! べたべただよ?」
「うん……したいらしい」
「してあげるよ、思いっきり!」
 僕はがばっとそこに顔を突っ込んで、思いきりぺろぺろし始めた。先生の香水の匂いと、甘酸っぱいおしっこの匂いが混ざって、最高だった。
 味と匂いと、それに形も先生はきれいだ。
「せんせ……まだ全然ピンクじゃん」
「言わんでよろしい」
「ぴらぴら、小っさあ……なんかおいしそう」
「言うなって!」
「すげえきれい。ずっとしゃぶってたいぐらい……」
 ちょっぴり戸惑ったように、亜貴先生が手をばたつかせた。
「言うな、なんか恥ずかしい……」
「恥ずかしい? 先生が?」
「不思議だな。何度もセックスしてるのに」
「不思議じゃないよ。それ女の人なら普通だよ……」
 先生にもそんなところがあるんだ。なんか……可愛い。
 僕は先生のお尻を持ち上げて、クンニしまくった。先生時々、あっ、とか、んっ、とか小さく声出すんだ。そんなの初めてだったから、余計興奮した。
 そのまま死ぬまでしゃぶってたいほど、先生のそこは可愛かったんだけど、じきに髪の毛を引っ張られた。
「ひ、博史くん。そろそろ次……」
「次? 入れてほしい?」
「そう。入れて……」
 この人、すぐ言っちゃうから、焦らす楽しみはないんだよなあ……って、そんなの贅沢か。
 それに、顔を上げたら、真っ赤なほっぺで切なそうにこっちを見ている先生と目があったから、焦らすどころじゃなくなった。もう僕のはぎんぎんだ。
 今まで、亜貴先生のがあんなにきれいだなんて知らずに入れてた。なんかすごくもったいない。
 そこに僕のちんちんを突っ込んでいいんだ。
「せっ、せんせ、入れるよ」
 先生の体を這いあがりながら、僕は前置きもなく入れてしまった。ちょっと堅い入り口をぷりっと抜けて、ぐにゅーっと奥まで入っていく。
「うわあ、ぬるぬるう……」
 目を閉じて少しがまんした。亜貴先生が今までで最高の濡れ方だから、うっかりするとすぐ出ちゃいそうだった。
「動かないのか?」
「ちょ、ちょっと待って……」
 僕は先生のセーターをごそごそめくり上げて、おっぱいを出した。ふるるん、とほわほわのお肉が揺れる。
「しばらくこっち触らせて……」
 突っ込んだまま、僕はおっぱいを揉み始めた。こんな風に揉むのも初めてだ。亜貴先生、乳首もピンク。
 揉んで吸って、寄せてこねて、したいことをしたいだけやった。指が埋まっちゃいそうに柔らかい。死ぬならこの間で死にたい。
 そんな僕を、先生はやさしく見ている。せかさないなんて珍しい。
「せんせ……おっぱいもいいの?」
「ん……いいよ。でも、博史くんに満足して欲しいからかな」
 う……うわあ。先生がそんなこと言うなんて……
 もしかして、先生本気で僕を好きになってくれたのかな。この人が……僕の彼女?
 なんだかもうメチャクチャ興奮して、ちんちんがビクビクうずいた。僕はおっぱいで遊びながら腰をガクガク動かした。はん! と先生がのけぞる。
「硬ぁ……いいぞ、博史くん」
「せんせもいいよ! あったかくってくにゅくにゅでとろとろだよ!」
 じゅぶっ、じゅぶっ、と音がする。亜貴先生がぴくぴくあそこを動かしてる。ああもう、我慢できない!
「出るっ! 出すよ! せんせっ!」
「いいの? 中で出しちゃって?」
「でも、でも」
「妊娠するかもよ。私に博史くんの子供生ませたい?」
「……い、意地悪っ!」
 そんな脅しをかけるくせに、先生はちっとも抵抗しないんだ。おっぱいとあそこと、ふわふわに柔らかい体全体で、僕をぎゅっと抱きしめる。
 もうどうなってもよかった。
「いいよもう、できちゃえー!」
 僕は思いきり突っ込んだまま、発射した。ドピュッと先生の子宮に打ち込むと、先生は嬉しそうに叫んだ。
「いいぞっ!」
「せんせっ! あっ、ああっ!」
「もっと、たくさん、そうーっ!」
 亜貴先生がイってる。今までの二回よりももっとたくさん、僕は精子を先生のおなかに流しこんだ。


「いい度胸だったねえ」
 何事もなかったみたいに服を着て、ピーナツをぽりぽりかじりながら、先生がにやっと笑った。
「膣内射精の見本みたいなセックスだったね。ほんとに孕んじゃったらどうする?」
「ど、どうするって……」
 僕は青くなる。そんなこと、改めて言われても……
 すると、先生はいきなりけらけら笑い出した。
「心配すんな、基礎体温ぐらい測ってるから。今日は安全日中の安全日だ」
「そ……そんな不確かな方法でいいんですか! 先生お医者でしょ!」
「医者だから精密にわかるのだ」
「……そうなのかなあ」
「んーまあ、しかし覚悟は買うよ。ああいう気迫のこもった中出しは好きだね」
 先生はにこにこ笑ってえげつないことを言う。
 えげつないんだけど――その笑顔を見ながら、僕は決心した。さっきの先生が、今までで一番優しかったら。
「亜貴先生……」
「ん?」
「け、結婚してください! 僕、働きます!」
 声が裏返ってたと思う。必死だった。  ところが先生は、眉一つ動かさずに返事をした。
「やだ」
「……え?」
 ぽかんとしてる僕の前で、先生はピーナツを天井に投げて、ぱくりと食べた。
「そう先走りなさんな。まだお付き合いもしてないじゃないか。言ったでしょ、高校生の硬いのを実験したかっただけだって」
「実験って……でも、今まであんなに優しかったことないじゃない!」
「そうかちゃんと優しそうに見えたか。そりゃ良かった。私には演技の才能もあったんだな」
「え、えんぎ……」
「燃えただろ?」
 先生はぴこん、とピーナツをぶつけた。僕はぶるぶる震えながら叫んだ。
「大体、先生はなんで僕に目をつけたんですか!」
「従順そうだったから」
「は?」
「ほら、きみは上級生にいいようにおもちゃにされてるじゃないか。だから私の言うことも聞くかなあと」
 もう何も言えない。先生は面白そうに首を振る。
「んじゃ、今日の用件はこれで終わりだ。きみ、帰りなさい」
「え」
「ほら、とっとと。パンツはいてズボンはいて」
 先生は聴診器にピーナツをひっかけて、ぱちぱちぶつける。僕はあたふたと服を着て、保健室を出た。
「先生、ぼくのことおもちゃとしか思ってないのかなあ……」
 ため息をついて、僕は歩き出した。


 亜貴はドアから顔を出してその背を見ていた。博史が去ってから、中に戻ってぽりぽり頭をかく。
「伝わらんかったなあ……なんでだろう」
 首をかしげている。
「中出し好きって言ったし、「まだ」付き合ってないって言ったのに……なんで告白されないかな」
 それで好意を示したつもりなのだった。
「いきなり結婚しろだなんて、デリカシーがないんじゃよ彼は。……結婚、結婚か」
 みるみるうちに、ほうっとその顔が赤くなった。
「それはそれでいいか。一生食べ放題だよな」
 次からはそれでもOKしてやろう、と亜貴は期待しながらうなずいたのだった。



―― 終わり ――



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