冬のぬくぬく作戦です! 「寒い……」  戦車の中で、五人のうちの誰かがつぶやいた。  学園艦の山中、とある尾根。灰色の空のもと、大きめの草の繁みの中に、あんこうチームの四号戦車はうずくまっていた。枯葉色のカモフラージュネットをかぶっているが、もうとっくに意味はない。天然の真っ白な毛布が車体を覆い隠し、さらにあとからあとから、白いものが降り積もっているからだ。  戦車道、冬。  みほ、優花里、華、沙織、麻子の五人は、際限なく冷えていく、暖房のない鋼鉄の箱の中で、ひたすら身を震わせていた。 「んうううう、さぶい……」  青ざめた顔で一番に寒がっているのは、やはり麻子だった。祖母の手編みの毛糸のセーターをまとった両肩を抱きしめて、膝をすり合わせてガタガタ震えている。身体が小さい分、冷えやすいのだ。それに操縦席は、後部でアイドリングしているエンジンからもっとも遠い。 「手がかじかんじゃって、ダイヤルつまみづらいよぉ……」  麻子の隣の沙織は、左右の手で交互に使い捨てカイロを揉みながら、無線機をいじっている。尻の下にはクッションを敷き、厚手のオーバーニーソックスを履いた膝に毛布をかぶせて、タンクジャケットの上に冬用のセーターを着ているが、それでもとうてい暖まらない。 「戦車は好きですけど、この状況だけはちょっとつらいものがありますよねー。うーふ」  こちらは戦車服の上に、ドイツ軍Uボート下士官用の革ジャンパーを羽織った優花里が、砲弾ラックから魔法瓶を引き抜いて声をかける。 「こんなこともあろうかと、ホットコーヒー入れてきました。眠気覚ましもかねて、どうですか」 「わあ、いただきます」「私も」「くれ」「麻子さっきも自分のコーヒー飲んでたじゃない、お手洗い、大丈夫?」 「寒くて死ぬ。とにかくあったまりたい」 「そーお? 私はほしいー。砂糖とミルクいっぱいね!」 「わかりました」  やがてコポコポという音とともに、ふんわりと香り高い湯気が上がる。「お願いします」と回されたマグカップを、みほが華に渡して、華が麻子と沙織へ届けた。  ちょっと変則的な渡し方だ。普段なら、優花里が直接沙織に渡すほうが早い。そうしなかったのは、戦車の姿勢のせいだった。  四号戦車は今、主砲を三時方向に向けていた。この戦車は砲塔下にバスケットが設置されており、上部の三人がそこに入っている。砲塔が回ると三人も回る。主砲が三時を向いていると、装填手の優花里はエンジンのそば、一番後ろへ寄ってしまうのだ。  砲手の華は逆に前方側に来る。だから、前部にいる麻子と沙織にマグカップを渡すために、優花里が華に手渡しを頼んだのだ。  登下校用のハーフコートを羽織ったままの華が、自分のマグカップの湯気にあごをくすぐらせて、深呼吸する。 「モカコーヒーですね」 「やっぱり五十鈴どのはわかっちゃいますか」えへへ、と優花里がうなずく。「いつもはMREについてくるネスカフェのインスタントなんですけどねー。今日は奮発しました!」 「甘くってとってもいい香り。そういえば、みほさん」 「はい?」 「この間ケーキ屋さんで、モカ、お好きだって言ってましたよね。ちょうどよかったですね」 「あ、うん。はは」  言われてみれば、というように、みほが小さく笑った。  その笑いにかぶさるように無線機がザザッと雑音を立てた。聞き取った沙織が報告する。 「カメさんチームの救助、あと三十分以上かかりそうだって……」 「あらあ……」「なんてこった」  華が小首を傾げ、麻子が毒づいた。  四号がこんなところで待機する羽目になったのは、別の場所にいるカメさんチームが、練習前からスタックしてしまったからだった。生徒会の三人が乗っているヘッツァーは車高が低い。雪の吹き溜まりにはまりこんで出られなくなったのだ。  近くにいたB1と三号突撃砲が救助に取り掛かって、合計三両が抜けたので、そのまま練習試合を始めることはできなくなった。それで、どうするか考えたみほが、他の全車両に、救助が終わるまで現状待機の指示を出したというわけだ。 「優花里さん、ホウキ」 「はい」  ホウキを受け取ったみほがキューポラのハッチを開けて身を乗り出し、防弾ガラスの視察口や砲塔まわりに積もった雪を掃き下ろす。寒風が渦を巻いて吹込み、沙織が悲鳴を上げる。 「さっむ、風さっむ! みぽりん、相手も動いてないんだし、あとでよくない?」 「こういうのは習慣だから……」  そう言うとみほは外に出ていき、マフラーまわりと操縦席視察口の雪もざっと下ろして、ほあぁぁ寒い寒い、と戻ってきた。 「出ないくせつけると、こもるようになって外を見なくなっちゃうから、ね……」 「た、大変だね、車長さんは……ふぁっしゅ!」  沙織はそう言って大きなくしゃみをした。 「みほどの、それ、薄くないですか?」   みほの服装は華とたいして変わらないハーフコートだ。みほは「ちょっとね」と答えて、革ジャン姿の優花里を少しのあいだ見つめていた。  雪は音もなく降り続いている。四号の長い砲身が、白い櫛のように背を立てていく。ハッチを閉ざすと風音も消えた。るん、るん、るん、とアイドリングするエンジンの穏やかな振動だけが伝わってくる。とん、とん、とん、とそれに合わせて響く硬い音は、沙織がすり合わせた脚で床を叩く靴音だ。  外界と遮断された狭い空間に、五人の女子高生の身動きと息の音だけが立ち込めている。 「こうしていると……」と華が言った。 「世界に、私たち五人しかいなくなったみたいですね……」 「ちょっと、寂しいよね」と沙織。「そうですか?」と華が訊く。 「わたくしは、こういうのも好きです。お花の世界でも、動と静を意識してこそ、姿が引き立つもの。戦車に乗るといつも激しい動きばかりでしょう。……五人で静かにこうしていられる機会って、なかなかないじゃありませんか」 「それはそうだけどさー」ちらっとバスケットの隙間から奥を覗く。 「みぽりんは? じれったくならない?」 「んん、私もこういうのは、好きかな……」  首を伸ばして視察口を見回していたみほが、ぽすんと腰を下ろして、砲塔内面に貼り付けられているパッドに背中を預ける。 「戦闘前はいつも緊張して、頭の中が作戦でいっぱいだから……みんなとこうやって座ってるだけなのって、何か、新鮮」 「そっかー……で、ゆかりんは……聞くまでもないか」と笑う沙織。「みんなと戦車の中にいられるんだから、最高だよね」 「そうですね……私はちょっと寂しいかも、です」 「え?」  沙織は目を凝らすが、みほよりさらに奥にいる優花里の姿は見えない。 「雪の日って、去年の冬を思い出しちゃって……」 「去年?」 「まだ、みなさんと出会ってなかったころです」珍しく、訥々とした口調で優花里が話す。「学園に戦車があるのはわかってましたけど、それを見る方法も動かす方法もなくて。一人で格納庫裏に行くことがよくあって。そういうときに雪が降ってきて……私、泣いちゃったんですよね」 「あー……」 「このままずーっと一人なのかなって……」  つぶやくように言ってから、不意に明るい声を上げた。 「でも、今は大丈夫ですけどね! こうしていられるのは楽しいですよ」 「あはは、やっぱりそっか。んで、麻子は――」  二人の間を隔てるトランスミッション越しに操縦席を覗きこんだ沙織が、ぎょっとして叫ぶ。 「麻子、麻子!? ちょっとあんた大丈夫?」  麻子は胸の前に引きつけた拳をカタカタ震わせながら、青白い顔をしてぐったりと頭をあお向けていた。目がうつろに濁っている。 「さぶ……しぬ……」 「ああっ、なんか静かだと思ったら、麻子凍りかけちゃってるよ! えーとえーと、華!」 「はい?」 「そこから麻子をひっぱり上げてくれない? それで、ちょっと抱っこしてあげて!」 「わたくしがですか?」 「華がいちばんあったかいと思うの!」 「わかりました、やってみますね」  華はそう言うと座席横にしゃがみ、予備砲弾ラックの上から身を乗り出して、一段低くなった操縦席に両手を伸ばした。麻子の腋に手を入れて、ぐいと引く。麻子がするりと抜けた。 「あ、いけそうです」 「お願い!」  うんしょ、と小柄な麻子の体を引っ張り上げると、華は自分の膝に座らせた。いったんそうしてからハーフコートの前を開けて、ぱさりと胸に包みこむ。 「あふ……冷泉さん、すごく冷えてしまってますね。氷みたい」 「大丈夫そう?」 「ちょっとマッサージしてみます」  コートの袖から腕を引き抜くと、ふっかりと包み込んだ麻子の腕や脚に手をやって、華がもぞもぞと揉んだ。 「麻子さんって細いですよねえ。これではこごえてしまうのも無理はないです……」  心配してその様子を見守っていたみほが、車長席から通信手席に声をかける。 「華さんて、あったかいの?」 「ハグしたときそうじゃない? 華ってなんかすごく丈夫で全然冷えない体質なんだって。みぽりん知らなかった?」 「うん、私は全然。優花里さん知ってた?」 「いえ、私はそういうのあんまりやらないので……」 「私もだ。沙織さんならではだよねー」  やがて、「は……うう」と声がして、麻子の細い脚がぴくぴくと動いた 「なんだ……これ」 「あ、気が付きましたか」 「五十鈴さん……? うう」 「麻子、大丈夫?」  麻子はコートの中でもぞもぞと揉まれたまま、しばらく返事をしなかったが、やがて華の胸元からぴょこんと顔を出した。 「あったかい」 「ああ、よかった!」 「生き返った気分だ。んおお……これは、きもちいい……」  麻子の頬にうっすらと血の気が戻ってきた。首を回して、華の胸に顔をうずめる。 「あったかいぞ。ここで寝てしまいたいぐらい……んふう」 「麻子さんもあったかくなってきましたよ。それに、小さくて可愛いです」  母性を刺激されたのか、華もコートの下で麻子を優しく抱きしめてなで回す。  するとそれで甘え心が付いたのか、麻子は華の豊かな胸の谷間を嗅ぐみたいに、すんすん、ふにふにと顔を押し付け始めた。 「うふー、これは柔らかい……ふわふわだ……」 「んっ、ちょっと、くすぐったいです。ま、麻子さん、じっとして」 「あっ、そういえばこの子っておっぱい大好きだった! こら、麻子! 友達のおっぱいを枕にしない!」 「そう言われても……この柔らかさは離れがたい……」 「あっ、麻子さん、手は、手は……やっ、そこはダメですぅ……!」 「麻子ー!」  華が艶っぽい声を上げて悶え、しっかりと抱きついた麻子がむやみにもふもふと動く。コートに包まれているので具体的にどこを触っているのかまでは分からないが、手先らしい盛り上がりは大きな胸のふくらみを撫で回しているだけではなく、腰やお尻の方まで降りているみたいだ。 「うわぁ……」  横で見ていたみほと優花里は、顔を赤らめてひそひそと話し合う。 「ね、優花里さん。あれって、麻子さんどういうつもりなのかな……?」 「深い意味はないと思いますけど。冷泉どの、人との距離感に無頓着なところがありますから……」 「そういえば、朝に寝起きでふらふらしてるときは、かついでも引っ張っても反応ないよね」  自分が他人に引っ張りまわされても気にならないので、逆に他人の体にも躊躇なく触れるということか。麻子にとって華のおおらかで温かい肢体は、具合のいいクッションか電気あんかのようなものなのかもしれない。  もう一度、麻子が顔を出すとそれがはっきりした。すぽんと頭を現した麻子は、いつのまにかコアラのように華と向かい合わせで抱き着いていて、無造作に言ってのけた。 「代わるか? 西住さん」 「え?」 「とても快適だぞ。五十鈴さんは」  言われた華は、上気した頬に美しい黒髪を散らして目を潤ませ、はぁはぁとこぼれる熱い息を手の甲で隠しているのだが、麻子はそういうことは全然気にならないらしい。  みほはほっぺたをかいて苦笑する。 「あはは……それはちょっと、遠慮しようかな……」  すると華が、んくっと息を呑みこむと、そそくさと乱れた髪を直して、微笑みを向けた。 「あの、わたくしはかまいませんよ。こうやってくっつくと、とても温かいのがわかったので……」 「華さん?」 「あ、みほさんなら、今の麻子さんみたいなことはなさらないかな、と」  すうはあ、と呼吸を整えて、落ち着いた顔になる。どうやら本当に、変な含みはないみたいだ。  もともとみほのほうも戦車の外ですっかり体が冷えてしまっていたから、ふんわりと暖かな空気をまとった華を見ていると、ちょっとあったまりたいな、という気分になった。「えと、じゃあ……」と腰を浮かせかける。  すると華が、みほの姿越しにその後ろに目を留めて、あ、といたずらっぽい笑みを浮かべた。 「ごめんなさい、みほさん。ちょっと失言をしてしまいました」 「失言?」 「ええ。みほさんを温めるのは、わたくしの役割じゃないみたいですよ?」  言われて、みほが振り返ると。  優花里が、感情豊かな眉を悲しそうに曇らせて、何かを訴えかけるような目で、じっと見上げていた。 「あ……」  あわててみほは膝を反対に向けて、手を伸ばす。 「優花里さん! ごめんね、つい」 「ううう、みほどのぉ……」 「待って、待って! 忘れてたわけじゃないから。その、優花里さんはあったかそうなやつ着てるし、大丈夫なのかなって」 「大丈夫……ですけども……」 「ごめんね、大丈夫じゃないよね? えっと、そっち行っていい? 行くね?」  みほは右斜め前の装填手席に、なかば無理やり身を押しこんで、優花里の肩を抱いた。待っていたように優花里が首にしがみついてくる。 「みほどの……!」 「うんうん、ごめんね。優花里さん、私の好きなコーヒーも入れてくれたよね。あっためてくれる?」 「はいっ……」  二人が革ジャンとコートの前を開き始めるいっぽうで、前部の通信手席では沙織がむくれていた。 「何よもー、みんなばっかりあったまって。私、さーむーい!」 「しょうがないな、沙織は」  ついさっき心配してもらったことなど忘れたみたいに、ぶっきらぼうに麻子は言ったが、華にこそこそとささやいてから、前へ声をかけた。 「ほら、こっち来い」 「え?」 「通信手席、狭いだろ」  沙織が見上げると、華がするすると優雅に身を滑り落として、操縦席に移っていた。砲手席では麻子が両手を広げている。 「早く。冷える」 「う、うん」  沙織は通信手席の背もたれを折り畳んで、低いところから這い上がってくる。麻子が砲塔の内側に背中を張り付けるようにして場所を空けてくれたので、入れ替わりに砲手席に収まった。  「んっしょ。こう? わっぷ」  どさっ、と沙織の膝に麻子が腰を下ろした。首に腕を回して抱き着く。 「これでいいか」 「ま、麻子」 「五十鈴さんから、直輸入だ」  ぎゅう……と抱き締められると、温まっていた麻子の体温が、じんわりと伝わってきた。「うっひゃ……」と思わず沙織は声を上げる。 「あったかくないか?」 「あ、あったかいけどさ……」 「じゃあ、遠慮するな。ん……」  麻子は小さなお尻を沙織のおなかに沿わせてむずむず動かしたり、太腿をさらさらとさすったりして、目を細める。 「もちもちだ。五十鈴さんはふわふわだったけど」 「わ、悪かったわねっ、お肉ついてて!」 「ん? 誉めてるんだぞ?」  あくまでも邪気のない澄んだ目で言って、麻子はぽふんと沙織の胸に顔を押し付ける。 「うん、こっちも大きくて気持ちいい」 「ちょっと、麻子!」 「沙織はお菓子みたいな甘い匂いがする。……ぎゅーしてくれ」 「ぎ、ぎゅーって」 「背中が寒い」 「もう……」戸惑いながらも、沙織は麻子の背中に腕を回して抱き締める。「こう?」 「ん」麻子がこくりとうなずく。「やっぱり、沙織がいちばん落ち着くな……」 「それはいいけど、胸、むねっ……!」 「いやか?」 「いやじゃないけど、っふ、ま、麻子ぉ……!」 「もっと撫でて」  成り行きで麻子の背中をさするうちに、起伏のない小柄な体が、弾力のある自分の胸にぴったりと収まってくる。意外な心地よさに混乱して、沙織は顔を赤らめ、変な汗を浮かべてしまう。 「えーっ、えーっ……?」 「いいじゃありませんか、武部さん」操縦席から華が楽しそうに微笑んでいる。「もともと、お二人は仲良しなんですし。たまには素直に可愛がって差し上げては?」 「素直にってそんな、改まって麻子を可愛がるなんて、なんか……」 「ふー……沙織は柔らかいな」 「何、なんなのぉ……?」  決まりが悪いのか、最初はぎくしゃくした手つきだった沙織も、撫でているうちに落ち着いてきたらしく、穏やかにポンポンと麻子の背中を叩くようになった。 「もう……ちょっとだけだよっ」 「ん」  麻子のほうは機嫌のいい猫のような満足げな顔だ。  その沙織たちの足元を透かして、華は奥のほうを見ようとするが、装填手席は薄暗くてよく見えない。ただ、革ジャンに包まれてぴったりと一つになった影が、ぼんやりとうかがえるばかりだ。  ぼそぼそと抑えた声が聞こえるような気がする。 「わた、私なんて、五十鈴どのや武部どのほど大きくも、柔らかくもないですけどっ……」 「ううん、すてきだよ、優花里さん。あったかいし、いい匂いがするよ」 「みほどのだって、すべすべでいい匂いです! く、くんくんしちゃいますよっ……?」 「うん、くんくんして。私もしたい……」  二つの頭がさわさわと動いて、栗色の髪と焦げ茶の髪が混ざり合っている。間にある空薬莢受けに遮られて、砲手席の沙織たちからはお互いに見えていないみたいだ。だから気が散らないのだろう。  華はそちらから目を離し、すとんと操縦席に身を落とし、アクセルペダルを少しだけ踏みこむ。どるるる……と四号が気持ち大きな音を立てて、四人のささやき声を包み込む。  いつしか車内には、ほのかに汗ばんだチームのみんなの、熱く甘い香りが立ち込めてくる。雪の気配も鉄の冷たさも遠ざかって、心地よい小さな巣のような雰囲気が満ちる。 「とても……いいです。こういうの……」  くん、と鼻をひくつかせて、華は夢見るようにつぶやく。 『西住ちゃーん、お待たせー! 引き揚げ終わったよー、練習はじめよっか! ……西住ちゃん、西住ちゃーん?』  熱くなりすぎたあんこうチームが無線に答えるまで、ちょっぴり長い時間がかかった。  (おわり)