そのプリさんの頼みなら、まあたいていのことは聞いてあげなきゃなあ、と思ってた。
何しろ四回も殺しちゃったから。時計地下のハイオークと弓オークたち、強くってさあ。徒歩騎士の私はタゲとり遅くて、一人じゃ彼を守り切れなかったの。
その上、精算の時に間違ってS2角弓店売りしちゃったし。ああもう、最低っ。
そんなわけで、臨時PTを解散する前に、私は彼に言ったんだ。
「ごめん、ほんとにごめん。今日はぜんぶ私のミスでした。だからさ、おわびにあなたに何かあげるよ。言ってみて」
プリさんは私をじーっとみて、ぽそっと言った。
「何かって、アイテム?」
「アイテムじゃなくてもいいから。お金でもいいし、次回の臨時タダでつきあってもいい」
「何かしてもらう、ってのでもいいわけね」
「うん。よっぽど変なことじゃなきゃ」
「そう? それじゃ、言うけど……そこに挟まれたい」
プリさんは、石畳にぺたんと座りこんでいる私の、スカートの裾のあたりを指差した。
私の目が点になった。
「……は?」
「挟まれたい」
「なにを?」
「顔」
「なんで?」
「したかったから。前からずっとしたかったから! ウサミミ騎士子のあんたと組んだ今がチャンスだから!」
プリさんは突然両手のこぶしをぐっと握って、バーベル上げの選手みたいな格好で吠えた。
「挟まれたいんだッ、騎士子のむっちりたっぷりした太ももに挟まれたいんだッ、挟まれてむにむにされてそれでも無理やり顔突っ込んで、ミニスカの中のパンツに鼻ぐりぐりして、かぐわしー乙女の香りを胸いっぱいに吸ってみたいんだああああああッ!」
その人は金髪に悪魔羽根をつけて草の葉をくわえた、ちょっとカッコいい人だった。その人がそんなこと言うなんて、私は思ってもいなくて、死ぬほど驚いた。
てゆーか、どこの誰が言ったってびっくりするっつーの、こんなセリフ!
理解が追いつかなくて、こめかみの辺りに子供のポリンぐらいある大汗をぶらさげながら、私はおそるおそる言った。
「あ、あのね? 私が言ったのはそういうことじゃなくて……」
「何かしてもらう、でもいいんだろ?」
「う」
「肩揉んでくれとか、膝枕させろとかぐらいは考えてただろ?」
「ま、まあそれぐらいは……」
「それとたいして違わないだろ? しゃぶれとかやらせろとかじゃないんだよ、顔突っ込むだけでいいんだよ、痛くしたり服破ったりしないよ、なー頼むからさあ!」
泣くな。てゆーか寄るな。寄ってだばだば膝に涙垂らすな。
そのままだとしがみつかれて号泣されそうだったから、私はプリさんの顔を押し戻して、しぶしぶうなずいた。
「私の責任だし……しょうがないなあ、もう。ちょっとだけだからね」
「うんうんうんうんうんうんうんうんうんうんうん!」
十一回って、あんた……そんなに飢えてたの……
い、いや、それだけ私が魅力的なんだよね? そうだよね?
無理やり自分を納得させて、私は立ちあがった。プリさんを連れて、街の片隅の人のこない建物裏に移る。
辺りを確かめて座りこみ、私はちょっとだけ膝を開いた。プリさんが前にしゃがみこむ。
小さな声で、言った。
「はい、どうぞ……ほんとに、ちょっとよ」
「うんんっ!」
新しい武器を手に入れた一次職みたいに、きらきらした目でプリさんがうなずいた。ほんとに無邪気な、心底からうれしそうな――って、その目で見てるのが私のぱんつなんだから、無邪気どころじゃないよこれは。要するに性欲の塊じゃんこいつー!
見せようと思って見せるのなんか初めてだから、私も心臓がばくばく言いっぱなしだった。だってぱんつだよ? その下、あそこなんだよ? 普通恋人にしか見せないじゃない。
何やってんだろ私、と思ったけれど手遅れだった。プリさんが私の膝に両手を置くと、はーはー息を荒げて、そこに頬ずりした。ちゅ、とキスしてつぶやく。
「あー、騎士子たんのひざぁ……夢にまで見たひざ……」
見るなそんなもん。
「いや待て俺、こんなところで満足するな。今は奇跡の時間だ、一秒も無駄にしてはならんッ。いざすみやかに、神聖なる熱き柔肌へッ!」
わけのわかんないことをつぶやいて、プリさんは押しつけた顔をするする登らせてきた。なんかやばい気がしてくる。こいつ、ほんとに押しつけるだけで止めてくれるのかな。
スカートの裾に髪がかかるぐらいの所までくると、真下の狭い隙間に向かってぎゅーっと顔を押し下げようとした。狭そうだったから私が足を広げようとしたら、こっちの敵にバッシュだ! っていう戦闘中の叫びと同じぐらいの鋭さで、命令された。
「いやっ、足は開かなくていい!」
「いいの? でもきつそうだし」
「きつくてナンボだ、騎士子の太ももが易々と開いてはならんのだ!」
「……はあ?」
「全職最強の耐久力を誇る騎士子のあしっ! それはボリュームとパワーを兼ね備えた肉の門! 貧弱なハンターやヤワいだけのプリとは次元の違う、みっちりとしながらそれでいてたっぷりとしたこの太ももを、自らの顔面もて強引に押し開いてこそ、真にその魅力を堪能したと言えるのだぁぁぁ!」
……アレ?
……この人、アレなの? キで始まってイで終わる人?
逃げようか殴ろうか迷っている私のことなんかお構いなしに、プリさんはぐにぐに顔を振って足の間に入ってきた。あ、腰つかまれた。
……やばい、マジでやばい、逃げられない……
股の間から声が立ち上ってくる。
「ああ……コレだ。コレだよ、サウル、ジョージ、レン、シュナイダー、康夫……」
誰ソレ。
「俺は今、貴様らの夢見たユートピアにいる。この、頬骨を砕かんばかりに強靭でいながら、あくまでもしなやかで硬さのない肉……ぴったりと頬に張り付いたなめらかな肌、かすかにさわつく産毛、優しく温かいぬくもり……コレ、コレなんだぁぁぁ……」
じわっ、と足の裏側があったかくなった。ちょっとちょっとなにこれ、いやだ涙? 何に号泣してるのこいつは! 感情の出しどころ絶対間違えてるって!
いや、もうツッコんでる場合じゃなかった。
「はっ、はむっ、これがっ、騎士子たんの足、騎士子たんの太ももッ!」
ぎゅって押さえこんでるのにプリさんは器用に首を曲げて、片足の内側に吸いついた。飴でもなめるみたいにぺろぺろちゅむちゅむ舌を動かして、私の肌に唾液をぬりたくった。
「うまい……うまぁ……乾いた汗のほんのりした塩味、それとは相反する不思議な甘みッ! 想像通り、いやこれはそれ以上ッ! もっと、もっとだぁ!」
ぞくぞくぞくぅっ、と寒気がくる。やっ、やだもうこいつっ、私の足は食べものじゃないー!
「やっ、やめてっ、いやっ!」
「何を今さら、ここまで、ここまで来て止められるかぁ――騎士子たぁーん!」
てろーっ、と舌を這わせたまま、プリさんはホードも顔負けの勢いでスカートの中に顔を突っ込んだ。太ももの付け根がむにゅっと押し開かれて、ぱんつの真ん中に鼻が――
「くひぃんっ!」
鼻があそこの粒をくりっ、て!
一瞬ふるえたけど、私は動きを止めた。押しつけてるプリさんが、止まったから。
真ん中に食い込ませた姿勢で。ぱんつに隠れてるはずのひだの、ちょうど真ん中にきゅっと鼻を押し入れて、下のはし辺りに唇をつけていたから。
この姿勢で下手なことしたら――できるわけないじゃない、噛まれたらどうすんの! そこメチャクチャ弱くて痛いんだから!
すうっ、と音がした。
すうっ、すうっ……はーっ。すーううう、くんくん。
「や……っだ、そんなぁ……」
吸われてた。かがれてた。私の、あそ、こ……
恥ずかしさで息が止まって、耳がフレイムハート押しつけられたみたいに熱くなった。
「まずは……足と同じ、爽やかな甘い香り、つまり汗の匂い」
……ちょっと待って。
「それに、ツンとくるしょっぱい香り、つまりおしっこの匂い」
まっ、待ってそれ解説なんでいちいちそんなこと、
「さらに、酸味のあるねっとりしたやや品のない香り、つまり……」
うあああだめだめ言うなそれ言わないで言っちゃやだ、
「女性器の、ひだの匂い」
〜〜〜〜〜〜っ!
「……エレ、ごめん。ミリア、許して。コーデリア、あんたが正しかった、私考えなしでおっちょこちょいの馬鹿だった。こんな、こんな……」
「ん?」
「知らない人に匂い知られるよーなバカだったよ私ー!」
「……恥ずかしがってんの?」
「そーよ当たり前でしょ私メインキャラでエンブレムしょって商人まで見せて言いわけ出来ないほど身元割れてんのよ!? ギルドのみんなに顔向けできないよー!」
「おおう、真っ赤になってイヤイヤする騎士子たん……」
だからそこでボス倒したみたいな爽やかな達成感を顔に出すなー!
って、あ……
「最高ぉぉぉぉぉぉ!」
にゅくにゅくにゅくっ、て私のあそこがかき回された。ハンタのCA食らったみたいにパンッ! と意識が吹っ飛んで、ものすごいしびれが這い登ってきた。
「あっ、あっ、なにこっ、なにこれっああああっ!」
「いいっ、いいよ騎士子たん、もっとぐいぐい締めつけて、もっとぐいぐい押しつけてっ!」
違う押しつけてない、プリさんが押しつけてるだけ、でもこれっ、なんかすごいっ!
むぐむぐ激しくプリさんが顔を振るせいで、ぱんつの股のところが左右にずれる。ずれる布にこすられて中のひだがふにふに潰れる。そんなに激しくこすられるの初めてで、初めてのしびれがピリピリはじける。奥の方で沸騰したみたいに熱い泡がぷつぷつ生まれて、入り口までとまらずにあふれてくる。
「きたきたきたきたキタ━━━( ゜∀ ゜)━━━!!」
突っ込まれたままの鼻の下で舌がぐりぐりねじ込まれてる。ぱんつなんかじゃ堰きとめられなくて、その舌の上にどんどんおつゆがあふれてく。プリさんがそれを嬉しそうに舐め上げる。レアか私はー!
ってこの人、息は? どうやって息してるの?
ばっ、とスカートを持ち上げた私は、驚きよりも恥ずかしさで絶句した。
息なんかしてなかった。私の太ももとぱんつの間に、一ミリの隙間も作るかって感じでべったり張りついて、そのまま私のおなかの中に入ってきそうなぐらい、顔全部をあそこにねじこんでいた。あふれた唾液と私のおつゆで、ぱんつは色が変わりその人の目から下もすっかりべとべとだったけど、それでもちっとも苦しそうじゃなくて、例の至福の笑顔でくむくむと舌を動かしていた。
それだけじゃなくて――知ってはいたけど、見たらそりゃ赤くもなるって、ズボン下ろしてアレごしごししてた!
さっきまでの気持ち悪さとは、はっきり違う、頭のてっぺんがじりじりするような快感が湧いた。
こいつ、そんなに私のあそこ好きなんだ……こんなどーぶつみたいな格好してもいいぐらい、私のあそこ食べたいんだ。
ふふ……うふふ。ざまーみろ、私の汚いとこなんか好きなんだ、このどーぶつ、ごみっ、人間トイレっ!
「へーえ、そんなにほしいんだ」
私は両足を膝から内側に曲げて、プリさんの背中を押さえつけた。プリさんの悪魔羽根もむしりとって、頭をもっと押しつけた。
「じゃ、あげるわよ。私のやらしいトロトロ好きなだけあげるわよ。そん代わり笑うからね。トイレ並みの男だって一生笑ってやるからね。これからはレアもお金も公平もぜーんぶあげない、私のおつゆだけでこき使ってあげるからね!」
「はっ、はいぃぃ!」
あっ、しまった、これって思うつぼ――あ、ああっ、ああああっ!
ぱんつがすり切れるぐらい、ひだも粒もくちゃくちゃに押しつぶされるぐらいの食いこみが来て、私はのけぞった。
じわっ、じわっ、とすごい量のおつゆが漏れる。ぐちゅぐちゅじゅるじゅると耳をふさぎたいぐらいの音が上がる。ひだの一枚一枚の隙間を調べるみたいに舌が動く。ごくごく喉を鳴らして、がしがしおちんちんをしごきながらプリさんがうめく。
「うまい、ひや、おいひいっ、このてろてろの泡立ちと濃密なとろみ、わずかな塩味だけなのにたまらなくいやらしい匂いっ、ききき騎士子たんの本気汁ぅっ!」
「う、うるさいっ、いちいち言わなぁっ、やっ、やはあぁんっ!」
もうほんとにほんとに、ツッコミの気力もっ、まともな考えも、なにもっ!
髪の毛かきむしってウサミミずり下げてわけわかんない状態で足にだけ力を込めてるうちに、背中をびんびん突っ走ってた寒気が押さえ切れないぐらい大きくなって、とうとう体中それ一色になった。
「ひく、ひく、ひくぅっ、ひいぃぃぃぃんくぅっ!」
「おぉっおっ、しっ、しおぉぉぉぅ!」
ぱしゃっ、とあそこが軽くはじけるみたいな感触を最後に、私は飛んだ。
かすかに聞こえるびちびちいう音を、プリさん射精してんだなー、と妙にはっきり考えながら。
それからそのプリさんとは、たまにさせてあげる関係になった。いまだに理解できないんだけど、何度繰りかえしてもプリさんはいちいちプレイの手順を声に出していう。そうすることで興奮を呼び覚ましてるみたい。そこまで手の込んだことする気力ってどこから湧いて来るんだろ。なんつーか男って馬鹿?
で、私はとゆーと。
病み付きになった。――こら、バラしたら許さないからね。いやがってるのを無理やりってのが、男は燃えるらしいんだから。お客が減ったら困る。
そう、お客とってる。いや別にお金もらってないって。ただ、ちょっと狩りでタダ働きさせたり、めんどいアイテム製作の材料集めさせたりするだけ。私の側も口でしたりほんとのエッチさせたりするわけじゃないんだから……これ、別に商売女じゃないよね? ね?
まー、それでもいいんだけどさー……
うち、女騎士のギルドだから。早いうちにあっさり仲間にばれちゃって、追い出されるかと思ったら、逆にみんなが参入してきた。みんな今まで男の視線は意識してたけど、どの程度人気があるのか試してみたいと思ってたんだって。
で、試して自信が大暴走。お客がそろってご奉仕したがったから。なんで世の男どもは、私たち騎士の太ももにこうも狂うかな……
それはともかく、うちのギルメンに声かけてくれれば、たいていはさせてあげるから。よっぽどの厨じゃない限り。
私たちも、さ。太ももに男の人挟んで狂ったみたいに喜ばせるの、けっこう好きだから、さ……。
終わり
TOP
なんか例のスレにそーゆー妄想がバーストしてる人がいたので、つい影響された。
馬鹿作品だから、まあ醒めた笑いを浮かべながら抜いてくれれば。