ドッタさんはすごくつよい 「ほりゃあああ! ていっ! ていっ!」  ドワーフのカタドッタさんが三つ編み揺らしてメイスでゾンビをブチ砕く。 「ELG SOM SLGMNNNA……!」  ぼくの炎術がまだ動いているゾンビを黒焦げにする。 「あと少しですよ、レンキさん!」 「はいよ! とどめはお任せ!」  太古の死霊都市の路地を、ぼくとドッタさんは戦いながら駆け抜ける。  トンネルに逃げこむと、ぼくたちはようやく足を止めた。 「はー、今日はたくさん倒しましたなあ!」 「えらいたくさんいましたよね……」 「あそこはゾンビたちの巣だったのかもしれないですなー。ともあれ、無事でよかったです」  通路の脇を水路が流れ、前方に出口が見える。外は夕暮れの原野だ。  ここは城壁の下をくぐる上水路。死霊都市へ川水を導き入れている。清涼な外気が吹きこむので敵は出て来ない。  ぼくたちはいつも、拠点に帰る前にここで戦利品を改める。 「よいよい、と」  ドッタさんはかついできた袋をドカリと地面に置いて、額の汗をぬぐう。牛一頭丸包みにしたみたいな大荷物だ。そんなのを背負ったままで鉛のメイスをぶん回してモンスターをなぎ倒し、体当たりをぶちかまし、路地から路地へと駆けずり回るんだから凄い。  小柄な女の子なのに。  小柄、といっても人間の基準とはだいぶ違う。背丈は確かにぼくのみぞおちまでしかない。でも横幅はほぼ同じだ。ずんぐりむっくり脚が短く、お尻が大きい。――そういった体つきが、鎧の上からはっきりわかる。ヘルムとガントレット、バストプレートとパニエメイル。あとの二つは女性向け装備だけど、武骨な金属製には違いない。  小さな体で怪物どもを蹴散らす、ドワーフの女戦士なのだ。 「お宝がたくさん、ぶん捕れました。ひとっこふたっこ、みっこよっこ。わほ、こいつは第八王朝期の鼎じゃねえですか? わーい大もうけ」  戦利品をうきうきと石畳に並べていく。このまま骨董屋が開けそうなものすごい量だ。ぼく一人ならせいぜい二つか三つ取ってくるのが関の山だろう。 「さすがドワーフですね」 「そりゃードワーフは金物にうるさいですからな!」  そうじゃなくて、とてつもない馬鹿力だって意味なのだが。  でも、得意げに鼻をひくつかせる、ドッタさんの可愛い顔を見ていると、余計なことを言わなくてよかったと思った。  そう、ドッタさんはとても愛らしい。ヘルムの後ろからごわごわの三つ編みおさげが二本。顔は小さくて丸っこい。鼻はぺたっと低く、ほっぺたはぷにっと柔らかく、垂れ目で眉が太くて――まるで年下の子供みたいだ。多分、学生のぼくより年上なんだけど。  目鼻立ちのくっきりした美人だとはお世辞にも言えない。  でもぼくは、肉片のこびりついた顔でお日様みたいにぴっかり笑うドッタさんに、とても安心する。 「まー言うても工芸の品に詳しいだけですから? それ以外はちーと苦手ですし。この小汚ねえ巻物、なんですかね、レンキさん」 「ああ、それは賤神教の教典ですね。二期補遺か。大学へ持ってったら十五輪ぐらいになるかな」 「十五輪! 二人で半月は遊んで暮らせるじゃーないですか!」 「いやあそこ渋いから十輪ぐらいかも……すんません、ぼくがもっと強面なら交渉できるんですけど」 「いやいやー、価値がわかるだけでもすごいですって!」ドッタさんが背伸びしてバンバン肩を叩く。痛い。「あたし一人だったらー? きっとなんじゃこのボロクズはって捨てっちゃってましたもん。レンキさんは炎術もお上手ですしー、助かっちゃってますよほんと!」 「お互い様ですよ。ぼく一人じゃとてもこんな危ないところは入れません。感謝してます」 「いやいやいやいや」バンバンバン。「痛い痛い」  二人で荷物をまとめながら、ぼくは言った。 「でもぼく、本心からカタドッタさんに感謝してますよ」 「ほん?」 「図書館浸りでヒョロガリのぼくが、死霊のうろつく太古都市の深部まで行って帰ってこられるのは、重装ドワーフのカタドッタさんが守ってくれるからですよ。それ以前に、ぼく一人だったら、そんなところ行こうとも思わなかったに違いない……」  巻物を丁寧に包み直して、ぼくは笑う。 「冒険の楽しさを教えてくれてありがとう、カタドッタさん」 「いやへへへ、何をおっしゃるやら、レンキさん」  ドッタさんがほっぺたを両手で押さえてくねくねする。焦げ茶の三つ編みがブンブン揺れる。 「あたしだって本心から嬉しいですよう。斡旋所のおっさんに、なんたらおめードワっ娘が探索者になりたい? 水汲みか金山掘りの間違いじゃねえのかって笑われてたあたしを、ご一緒しませんかって誘ってくれたのはレンキさんではねえですか。そんたらヒュムの美形さんに誘われるだなんてあたしぁー、夢じゃねえかと思ったですよ。うふ、うふふふ」 「ぼくを美形なんて言う女の子は、町には一人もいませんけどね……」  ぶっちゃけドワーフの男みたいに毛むくじゃらじゃないってだけで、そう見えたんだと思う。 「いやーレンキさんは素敵なヒュムさんですよ! ほんにまったく」   そう言って不意にドッタさんは、にまっと体を寄せる。ぷんと甘酸っぱい汗臭さが匂う。 「ね、ね、ね。盛り上がったところで……やっちゃわんですか? 今宵も」 「ええー……いいんですか? ドッタさんとこ、婚約しなくちゃだめなんでしょ」 「そういう決まりですけどぉ〜。レンキさんだってお好きでしょ?」 「や、それはそうなんですけど……」  ためらっていると、ぷにぷにほっぺをぽーっと赤く染めたドッタさんが、さわさわっといたずらっぽくぼくの股間をまさぐった。 「ほら、レンキさんの元気な棒っ杭、くぽくぽしてあげちゃいますから」 「はうっ。で、でもこんなとこで……」 「こんなとこ言いましても、誰も来ませんって。ね、ちゃっちゃかハメちゃいましょ?」 「あー、もう!」  ぼくは観念して、しゃがんでドッタさんを抱きしめた。  ガチャガチャンと鎧が鳴り、ドッタさんが嬉しげにささやいた。 「うふー、だからレンキさん、好き、ですっ」  ぼくたちは照れ笑いを交わした。  死霊都市を支配していた魔王が、名高い勇者に倒されたのが三年前。  それ以来、この都市には無名の探索者も入れるようになった。  都市にはガラクタからお宝までさまざまな遺物がある。探索者はそれを探し出して、外の拠点砦や、もっと離れたシデの街で売る。町には斡旋所ができて、そこに登録すると、同じ目的の人間や他種族と引き合わせてくれるようになった。  そうやって出会ったのが、ぼくとドッタさんだった。お互い、ドワーフの女の子なんて/人間の学生なんて、頼りになるかどうかわからなかったけど、何度か通ううちにけっこう相性がいいとわかってきて、自然に固定パーティーみたいになったのだ。  本当にそれだけだ。戦闘中や、砦で他の連中の前にいるときは。  何が言いたいかというと、ぼくとカタドッタさんは仕事上の仲間であって、恋人同士でも婚約者でもなんでもないってことだ。  でもぼくたちは、戦いが終わって拠点に戻る前のひと時、こんなことをしてしまうようになった。 「はあー、レンキさんはほんといい匂いがしますなー」  石畳に敷き広げた野営用の荒布の上。ぼくたちは互いの装備を脱がせ合いながら、体に触れたり軽く口づけを交わしたりする。  上衣を脱いだぼくの胸に、ぺた鼻をすんすん押し付けるドッタさんへ、ぼくは苦笑してしまう。 「ここ二、三日洗えてないんですけど……」 「それでこんなもんですか? ふえー、ヒュムさんは不思議ですなー。若葉か香木みたいにいい匂いがしますよ?」  ドッタさんは肌着越しにぼくの胸をちゅぷちゅぷ吸う。柔らかい唇の感触が心地よくてうめいてしまう。 「はふふ……ド、ドッタさんこそ、匂いますよね」 「うがー」  ぼくが背の低いドッタさんのヘルムを外して、頭に顔を寄せると、ドッタさんは照れ隠しにぶんぶん腕を振り回す。  鉄張りのガントレットとブーツを脱がせ、バストプレートとパニエメイルの掛け具を外す。ガシャリガシャリと鎧を外して、ドッタさんは肌着姿になる。ざっくりした粗織布の胸巻きと下穿き。ぷにぷにでぽってりした体つき。汗ばんだ白い肌から、むわっと濃い体臭が立ちのぼる。  シナモンがけの干し肉みたいな、ひゅんと甘くてこってりした匂いだ。実際にそういうものを嗅いだことはないけれど、印象がそんな感じ。図書館で振りまかれたら困るが、こういうところだとむらむらしてくる、おいしい匂い。 「ぼくも好きですよ、この匂い」 「やぁー、もおー」  ぼくがあぐらをかいて腕を回し、たぷんとした大きなおっぱいや肩口をくんくん嗅ぐと、ドッタさんは太い眉をしかめて困る。 「ドワーフはくせーくせーってよく言われるけど、そんなこと言う人、初めてですよう」 「人によるんでしょうね。お互い様ですよ」  お互いをくんくん嗅ぎ回し、胸やお尻や股間まで遠慮なくまさぐりあいながら、にへっと微笑み合った。 「ぼくら、動物みたいですね」 「ですなー。こんなところ、他の人には見せられませんなー」  そう言うと、ドッタさんはぼくの膝にどふんとまたがって、向き合わせにきゅっと抱きついた。 「はぁー、若くてすべすべのヒュムさん、すてきぃ……」 「ほんと体目当てですよね、ドッタさん」 「だってぇ、あたしたちこういうことってほんと縁がなくてぇ」  柔らかくてお肉たっぷりの熱い体が、すりっすりっと押し付けられる。頬を真っ赤に染めたドッタさんが、はーはーと舌を出してぼくの顎をちゅぷちゅぷ舐める。 「ドワーフの娘たらー、族長の命令で、同族のあいつの嫁になれー、そいつの子を産めー言われるばっかりで、好きな相手とまぐわうなんてー、できねえんですよ? あたしー、こんなキモチいいことあるなんて、レンキさんとするまで知りませんでしたがー」 「そういうのも大変ですよね……」  ぼくはドッタさんの後ろに回した手で、むにむにとお尻を揉む。腰の幅がぼくの一倍半ぐらいありそうな安産型だ。 「レンキさんこそ、なしてーあたしみてーな、泥くせードワ娘にむらむらされるんです? ヒュムの男って、おんなじヒュムとかエルフさんみたいな、すらすらしゃらーんな綺麗な娘さんがお好きなんでしょ?」 「すらすらしゃらーんな子たちは、ぼくみたいなヒョロガリは相手にしてくれないんですよ。あ、いえ、だからドッタさんで我慢するとかではなくて」  誉めてないことに気づいて言い直したんだけど、そんなことはドッタさんは気にしなかった。 「そぉですかー? まーヒュムが好きっていうドワーフの女も見かけませんですがなー。するとー、えへへへ」  何を思ったのかドッタさんは急に顔を上げて、恥ずかしそうにほっぺたを押さえた。 「なんですか?」 「いやー、これはあれかなあと……お似合い、ってやつ? でははは」  ブンブンお下げを振ってから、ちらっと上目遣いに見上げた。  ぼくはぞくぞくして、思わずドッタさんを思いきり抱き締めた。 「可愛いなあ、ドッタさんは……!」 「くふふう? そんなもんですかぁ? ほりゃっ……!」 「あがががドッタさん強い強い!」  ぎゅうう、とものすごい力で胴締めされて、あばらが折れるかと思った。 「はあぁぁ……さて!」 「さて!」  腕を緩めたドッタさんと見つめ合う。たれ目の瞳が濡れてキラキラしている。さっきからまたがって当たっている股間は、鍋物みたいにくつくつに熱く、それに圧されているぼくのアレも下着の中でガチガチだ。 「ヤりますか!」  そう言ったドッタさんが、でも? と小動物みたいに小首をかしげる。 「その前に、もっとぺろぺろします?」 「したかったらどうぞ」 「でへへへ、レンキさんはどーなんですか。んりゃ、んりゃ」  ぐいぐいと露骨に股間を押し付けてくる。ちゅく、ちゅくと下穿きの中から音がする。ぼくも頭がぼうっとするほど熱くなって、そこに手を差しこんでぬちゅぬちゅまさぐる。 「ぼくもドッタさんをもっといじりたいですけどね……」 「あっ、指っあっ、いっいっ」  ドッタさんは後ろへのけぞって股を開く。ぼくは沸かしたハチミツの壺みたいな熱いひだを指の腹でかき回してから、手を抜いて舐める。 「――しょっぱ」 「あたしも洗ってませんよう、ばかー!」 「じゃあ、お互いきれいに洗いっこ、ってことで」 「もー、知らんですよ!? くさくても!」  ぼくたちは下を脱いで、互い違いに横たわった。むっちむちのハムみたいにどっしりしたドッタさんの太腿を押し開いて、中心に顔を埋める。ドッタさんは下の毛もごわごわだけど、もじゃもじゃってほど濃いわけではなく、例の甘い肉の匂いがふんわりとこもっていた。  その下の粘膜の唇は、体格のわりに、ちまっとしてとても慎ましい。指で開くときれいなピンクのひだの底から、白いねっとりした汁が漏れ出している。鼻口を押し付けるとびくっと震える。舌を押しこんでこね回すと、ねっとりしてしょっぱいチーズの味が顔を包んだ。 「ひゃは! うに、あやふ、レ、レンキさぁぁん……」 「ぷは、ドッタさんの味付け、濃い……」 「言わんでいいです!」 「ほら、ドッタさんもおしゃぶり」 「んんっ」  ぎんぎんと突き出しているぼくのモノが、かぷっ、とくわえこまれる。んおっ、と声が出る。はむはむ、ぢゅるるぅ、と最初に唾液をなすりつけてから、ドッタさんは改めて先端から、すぼめた唇と舌でちゅむちゅむ、るろるろと細かく舐め始めた。きゅっと皮を剥いてくびれのところを念入りになぞり回す。 「んっ、んふっ、ぷふっ、んむ……」 「そっ、それ、気持ちいい……」 「ですかぁ? そぉなんだ……も、もっとしますね?」  下のおつゆに負けないほどたっぷりと唾液を出して、にゅぷにゅぷと熱心に舐めてくれる。というより、味わってる。小さなドッタさんがそっちに食いついてしまったので、ぼくの顔がドッタさんのあそこに届かなくなったけれど、それも気にしてないみたいだ。  ぼくは思わず頭を上げてそっちを見る。とろんと溶けた目で、夢中になって吸い付いているドッタさんの横顔がつやっぽい。 「ドッタさん……それ、好き?」  こくこく、と声も出さずにうなずいた。腰に手を回して、ずぷぷぷ……と根元まで呑みこんでしまう。  ぼくの敏感な先っぽが、弾力のある広い舌の上を過ぎて、奥の狭い穴にまでぐっぷりと届いてしまった。ぼくは思わず手を降ろして、ドッタさんの頭を包み、うなじや首の後ろを撫でまわしてしまう。 「うあ、すご……の、喉まで届いてません? ちんちん」 「んっん」 「だいじょうぶ?」 「んっ」 「あっ、やば、出そうですっ……い、いいの?」  ドッタさんは離れない。ぐぽっ、ぐぽっと深い音を立てて根元からくびれまで何度も出し入れしてから、まるごとずっぷりと呑みこんで――棒の下の玉袋のところにぐにぐにと鼻を押し付けて、きゅっと唇を締め付けた。  ねっとりした温かい感触と、可愛いドッタさんにいやらしいものを差しこんでいるという興奮で、ぼくは一気に達してしまった。  「んうううっ!」  どくん! とほとばしらせる。熱く真っ白な快感の矢が、びゅるっとドッタさんの喉へ飛びこむ。すかさずごくんと嚥下される感触があった。思わずドッタさんのつやつやの太腿を強く抱きしめながら、ぼくも夢中になってしまった。射精のことだけで頭いっぱいになって、どくん! どくん! と立て続けに撃ち出し続ける。  脚をピンと伸ばして体液を出し切り、ぼくはどっと脱力した。はあはあとあえいでいると、ずるりとあれを吐き出したドッタさんが、はわぁ……と顔の前にくぼめた両手に息を溜めた。 「ふはぁ……青臭ぁい……」 「ドッタさんも……たいがいですよ……」 「あたし、この匂いほんとダメで……」  よいよい、と向きを変えて、どてんとぼくの前に横たわった。白く汚れた唇に舌を這わせてささやく。 「子種って、興奮しますなぁ……」 「うっわ、やらしー……」 「ふへへへ」  ドッタさんがにやにや笑う。ぼくは重さでだぷんと垂れたおっぱいをもみもみする。 「そういうこと言われると、すごく孕ませたくなっちゃうんですが……」 「てぎるもんならやってみー、ですよぉ……」ドッタさんは膝頭でぼくの萎えた股間をぐにぐにする。「ドワーフとヒュムじゃー、滅多なことでは当たりませんよぉ? 赤ちゃんできたら表彰ものです」 「でも、もしできたら?」  「そんときゃー、産んでやりますよ」ぱん! と粉挽き臼みたいに大きな腰を叩いてうなずく。「赤んぼの五人や十人、どってことないです」 「言うなー……」 「あっでも、けっこん……もしてないですし?」  急に困ったように眉を寄せるものだから、かえって興奮してしまった。  肩を押してごろんと向こうを向かせる。後ろから抱きついてたゆたゆのおっぱいを念入りにむぎゅむぎゅとつかむ。ふわふわで指が埋まりそうだ。戦ってないときにドッタさんはどこもかしこも柔らかい。  ついでにおなかも、むにゅっとつかんだ。すらすらしゃらーんな細身のエルフやヒュムと違って、腰のくびれなんかどこにもなく、あまったお肉がぽてぽての段になっている。 「こんだけおなかたぷたぷなら、赤ちゃんぐらいどうってことないでしょうね」 「は、はわ、ひゃや」  ドッタさんがくねくねと肩を動かしてもだえる。触られるのが気持ちいいみたい。ぼくはごわごわ三つ編みの髪を嗅ぐ。汗と皮脂の甘い匂いと、女の子を後ろから抱きしめているという興奮で、一度蒸発した欲情がまた膨れ上がる。 「しちゃいますよ、いいです?」 「し、したいですかぁ?」 「したいですよ……ドッタさんとまぐわいたい」  血が詰まってむっくりと起き上がったアレをお尻にこすり付ける。んっ、んっとドッタさんが尻を揺らす。  「もっと、もっと欲しがってくださぁい」 「ドッタさんにこいつを入れたいですっ……!」  とっくにとろとろに溶けている谷間に、反り返ったアレをぬちゅぬちゅこすりつけると、はいっ……とドッタさんがかすれた声で答えた。 「入れて、くださぁい……」  顔は見せず、白い背中とつやつやの丸い丘だけを差し出して震える姿に、ぼくはぷつんと理性をなくした。  お尻の谷間を手で押し分けて――薄開きでほぐれているピンクの谷間を、ずぷん! と硬いアレの先で貫いた。 「くひゅぅん!」 「ドッタ、さんっ……!」  ずちゅんずちゅんずちゅん、と小さく慎ましやかな穴を突いてなじませる。じきにほぐれてくると中までずっぷりと差しこむ。ふっくらしたお尻の肉がかえってクッションになってしまうので、腰をつかんで思い切りぐりぐりとねじ込む。  ぼくの腰骨がぺったりと密着してドッタさんのお尻を押しつぶし、狭い穴の奥までふかぶかとアレが届いた。きゅうきゅうと甘えるように締め付ける粘膜が、溶けそうに心地よい。 「ドッタさん、ドッタさん!」 「ふあ、レンキ、レンキさん……」  ドッタさんは力を失ってくなくなになる。お尻だけをリズムに合わせてひくっひくっと差し出しながら、向こうを向いた顔をほにゃほにゃに蕩けさせて、抱かれ心地を楽しんでいる。 「もっと、して、そこ、もっとぐぽぐぽしてぇ……」 「こ、こうですかっ」  横になったままじゃ思うように動けない。ぼくは膝立ちになって腰をつかみ寄せた。ドッタさんのは四つん這いに――なれるほどには、もう体がしっかりしてなくて、敷き布に伏せてしまう。ぼくはそれに気づいて、顔の下に丸めたマントを押しこんでとげた。 「ああ」とドッタさんが嬉しそうに声を漏らす。「ありがとうです……も、もう、好きにしていいんで……」  ドッタさんが楽な姿勢になったことで、ぼくも遠慮する気がなくなった。両手でわしづかみにしたむっちりお尻に、思うさま何度も腰を叩きつける。ぱんぱんぱん、と景気の良すぎる音が上がって、ゆさゆさとお肉とお下げが揺れた。 「た、種付けしていいんですね?」  訊くと、少しだけドッタさん振り向いた。まだ困ったような顔をして、はいともいいえとも言わない。それが、ぼくが一番興奮する表情だった。ぐっとお尻の肉を引き寄せて、歯を食いしばった。 「しますからねっ!」 「だっ」  だめですよぉ……とからかうような甘い声が聞こえた気がする。  その瞬間にはぼくは達していた。最大までぎちぎちに硬くなったアレをおなかの奥へ突き込んで、どびゅっ! と種袋の奥から搾りだしていた。 「んんっ……くうっ! んぐっ! ぐっ! くふうっ!」 「やぁぁ……もおぉ……ばかぁぁ……」  途切れ途切れの可愛いささやきが、びゅっびゅっと飛び出していく真っ白な流れと絡み合って、頭の底を心地よくくすぐる。  ぼくは最後の一滴まで出し尽くしても、ぺったりと重なったお尻の柔らかさを手放す気になれずに、長いあいだくっき続けた。  澄んだ川面に立った小さな女の子が、ばらりと髪をほどいて、ばしゃばしゃと水を浴びている。 「はあー、たっぷりやりましたなー。あたし大満足でした」  ぼくも隣で水浴びしながら、ぽってりとしたドッタさんの裸に目を奪われていた。 「あそこがまだジンジンしてます。お」  眉根を寄せたドッタさんが、んんっ……とおなかに力を込めると、こぷっと股間から白い液の塊があふれだした。ぽちゃり、ぽちゃりといくつも立て続けに水面に落ちる。 「あはは、レンキさんってば、体は細いのに子種はすごい量ですな」  ドッタさんはにこにこ笑っているけれど、熱が冷めたぼくは心配でしょうがなかった。 「あの……ドッタさん、ごめんなさい」 「んお?」 「つい興奮して中に出しちゃったけど……その、ぼく……」 「責任、取られんおっしゃいますー?」 「えっ、その、ええと……」  頭の中がぐるぐる回ったけど、無理のひとことはどうしても口にできなかった。むしろ、さばさばしたドッタさんの態度を見ていると、覚悟を決めたくなってきた。 「でっ、できるだけお手伝いしますから! その……あてとか、なんにもないですけど……」  ドッタさんは、自分一人食っていくのがやっとの、情けないぼくをじっと見ていた。  かと思ったら、やにわにぶふーっと噴き出した。 「ふっ、ふひははは、お手伝い! レンキさんお手伝いって! 近所のおばさんみてーなこと!」 「は、はあ……ほんとそうですね……」 「心配いらんです。ドワーフは子作りの季節が決まっておりますからなー。今はそうでないです。赤ちゃん作ろうたって、できんですよ!」 「あ、そうなんですか?」 「なんですかーそのほっとした顔!」  ぼくを覗きこむと、ツンとドッタさんは顔を背けた。「いや、すんません……」とぼくはまたうなだれる。ほんとにどうしようもないな。 「ヒュムさんはヤッたらヤリ捨て、できたらほったらかしが当たり前ーて、言われとりますからなー」  まあ、ドワーフの女の子と結婚した男って、街でも見たことないよな……。  そんなことを思っていると、岸辺に這い上がろうとしたドッタさんが(何しろ背が低いので)、つるんと滑って後ろへバシャンとひっくり返った。 「わ、ドッタさん!?」  ぼくはあわてて助け起こそうとする――が、手をかけたドッタさんの体が、重い! 「わっぷ」  ぼくも頭からバシャンと水に突っこんでしまった。  するとそばに立ったドッタさんが、「しょうがないですなー」と苦笑したかと思うと、ぼくの胸と腰の下に手を入れて―― 「えい」  ズボッと頭の上まで持ち上げてしまった。 「は、はわわ」 「ほりゃ」  すとん、とぼくを岸辺に立たせて、隣に這い上がると、ドッタさんは眉毛をへの字にしてぼくを見上げた。 「そんなんじゃー、お手伝いもできませんですよ!」 「ですよね……」 「ですです。――んでも?」ドッタさんは目を細めて、いたずらっぽく笑う。「お心遣いはー、嬉しかったですな?」  ぼくはまばたきする。ドワーフの女の子のはだかの肩に流れる髪が、トンネルの出口から差しこむ夕日の最後の残りを透かして、きらきらと輝いている。  ぼくが馬鹿みたいに見つめていると、ふとドッタさんは横を向いて、上ずった口調で言った。 「ま、まー、話が進みすぎましたな? あたしら、ただの仕事仲間ですしー?」 「ですか」 「ですよー? ついつい一発ヤッただけ!」  ぼくたちはまた顔を見合わせると、ぶふっと笑った。 「そうですね、ヤッただけの仕事仲間ですね? ぼくら」 「そーそー、そーですよー。その、だけって言っても? かなーり具合はいいですが?」 「具合はよかったですね! ほんとにね!」 「ですなー、またヤりましょうな?」  ぼくたちは背中を向けて体を拭く。  でも、ぼくにはよくわかった。――ドッタさんがぼくと同じように、すごくにやにやしているって。