皇帝陛下は15歳! 設定資料集 第六話版
☆ 初めての方へ ☆
「皇帝陛下は15歳!」は、ジングリット皇帝クリオン一世が、人に頼まれて、あるいはやむをえない事情により、あるいは自分の煩悩に引きずられて、当たるを幸いかたっぱしから、娘たちやそれ以外を手ごめにしていく話である。
そのテーマはエロであって、軍事でも政治でも身分制度でもない。そんな匂いのする展開に向かっているが、それらの大騒ぎはすべて、クリオンと娘たちのエロを粉飾する嘘っぱちである。最終的にはその嘘っぱちすらエロで呑みこんでしまう予定。
この設定資料集は、読者の方々が興味を覚えた時に読んでくださればいい。読まなきゃわからないなどということはないので、ご安心を。ただし、注意点として、この資料集と本編では、ともに、漢字に読みがなを打つ<ruby>タグを多用している。ブラウザが対応していない場合は、「麗虎リーフー」などのように、ルビが後ろにきてしまう。申し訳ない。
なお、今回第六話版は、全般的にかなりの改訂を行った。本編と合わせてお楽しみあれ。
まずは、今までのあらすじを述べてみる。
・第一話
四月。
十五歳の少年クリオンは、ジングリット帝国皇帝の十八番目の息子だったが、グレンデルベルト領での事故により、皇帝・他の王子・大貴族たちがほとんど全滅してしまったので、成り行きで皇帝の座についた。
彼が支配することになった帝国は、名目上は大陸最大の強国だが、実は前帝の無理によりガタガタになっていた。改革しようにも生き残った貴族たちの妨害は激しく、十五歳の子供の皇帝など誰にも相手にされない。
おまけに、まだ女も知らないのに世継ぎを作るようせっつかれてしまう。前帝の侍女たちに打算的な求愛を受け、クリオンは困り果てる。
それを救ったのが、彼の幼なじみの侍女である、十七歳のソリュータ。彼女は自らの処女をクリオンに捧げ、彼に男としての自信と皇帝としての責任を目覚めさせる。
ソリュータと初めて結ばれたクリオンだが、同時に一つの厳しい制限も生まれた。彼女の父は、数少ない大貴族の生き残りであるグレンデルベルト侯爵であり、クリオンがソリュータを妃に迎えてしまうと、侯爵と皇帝の癒着が疑われることになってしまうのだ。
それゆえ、二人は互いに愛し合いつつも、表立って結ばれるのは許されない関係となった。最初にしてただ一回の交わりを証しとして、ソリュータは以後、クリオンに精神的な支えのみを与えることになる。
ソリュータととともに困難な道を歩むことを決心したクリオンは、今までのけ者にされていた有能な官僚、レンダイク男爵の力を借り、貴族たちと対決する姿勢をあらわにする。
前帝の死にまつわる謎や、東の大国・大明合衆帝国の陰謀が迫る中、クリオンは真の皇帝への第一歩を踏み出す。
・第二話
五月。
大陸のどこかで、謎の集団・プロセジア占星団のひそかな動きが始まる。
クリオンは王都フィルバルトで、財政難の帝国の再建に頭を痛めていた。そこへ愉快な道化のマウスと、友人である隣国シッキルギンの王子・キオラがやってくる。十四歳のキオラは暗殺者の目をごまかすために少女の姿をしており、クリオンとキオラは秘密の関係を持ってしまう。
そんなある日、レンダイク男爵から財政難の打開策が提案される。それは、帝国の穀物を商う大商人・ビアースに話をつけて、彼が妨害している天領からの税収を正常化させる案だった。
ビアースの屋敷に出向いたクリオンはしかし、帝国府とビアースの関係を強化するためという名目で、丸めこまれたも同然に、ビアースの娘・エメラダを城に引き取らされてしまう。
クリオンは彼女の処遇に悩むが、周囲の人間はいつのまにか彼女を受け入れる態勢を整えてしまい、クリオンもエメラダを妃の一人として迎えることにする。
ところが、いざクリオンが手を出そうとすると、エメラダは豹変し、商人の娘として身につけた活きのよさで、男らしくないクリオンをこき下ろす。彼女は父から、皇帝を骨抜きにするよう言いつけられていたのだ。
クリオンは戸惑うが、その時突然、エメラダの召使の男・シェルカがクリオンを襲う。クリオンが持つ剣に宿る「ズヴォルニク」は、主の命令を聞かない厄介な聖霊だったが、クリオンはなんとかそれを制御し、からくもシェルカを撃退する。
意外な強さをクリオンに見たエメラダは、またしても態度を変え、皇帝の妃になることを承知して、彼に身を捧げる。
エメラダはソリュータと張り合いつつも第一の寵姫となり、父ビアースを逆にやりこめて、商人たちの帝国府への協力を実現させる。
クリオンはシェルカを説得して自分の護衛官に取り立てる。彼の口から、ジングリット国教会であるイフラ教会の陰謀が匂わされる。
教会は皇帝を狙っているらしい。また、大明もジングリット攻略に向けた動きを開始する。
エメラダやキオラ、マウスたちと一時の休息を楽しみつつ、クリオンは帝国の行く末に思いをはせる。
・第三話
七月。
前帝の側室だった十九歳のレザは、年上の元妃ニュクスの命令を受け、貴族の窮状を訴えるためクリオンのもとへ旅立つ。
クリオンは隣国シッキルギンに反乱鎮圧のため遠征している。反乱軍のミゲンドラ軍は弱いはずだったが、意外に強くて初戦は敗退する。
その戦争の最中にレザに乗りこまれて、答えられずにクリオンは困惑。戦の疲労も抜けていないため、エメラダと休む。
その後も数度、ジングリット軍はミゲンドラ軍と干戈を交えるが、はかばかしい戦果を出せずに敗退する。そんな最中、ジングリット軍の貴族による不正事件が起こり、デジエラがそれを処罰する。おごる人間の醜さを見て落ちこんだクリオンは、文官のスーミーに一時の慰めを求めてしまう。
総司令デジエラの案により、巨鳥エピオルニスを駆る高速勅使団が呼ばれ、反攻作戦が始まる。
ミゲンドラ軍は実は、ジングリット軍の中に間者を入れていた。それが暴かれているとも知らずジングリット軍に襲いかかり、今度こそ撃退される。その最中、間者のトラスク司教がクリオンを狙い、危うくクリオンは命を落としかける。
トラスクを撃退したものの、ジングリット軍には最後の強敵が残っていた。それは異常な強さの聖霊を操るミゲンドラ王族のチェル姫だった。兵士は倒れ、デジエラですら近づけもしない。
その時、クリオンについてきたレザがチェル姫を説得し、戦を終わらせた。
戦後、ミゲンドラ軍の反乱というのは、キオラの従兄のキナルの作り事だったことが判明し、キナルは罰を受ける。
クリオンは見事に戦を終わらせたレザを妃に迎える。そしてまた、キオラもチェル姫と結婚することになったが、二人は初夜をクリオンたちと同じ床で行ってしまい、チェル姫の国のしきたりで姫はクリオンをも夫にする。
そして、フィルバルト城の奥院に新たに三人の姫が入る。
帝国内ではニュクスたち旧貴族はさらに排斥され、デジエラのような人間が台頭する実力主義になる。また大明では、クリオンの命を狙うイフラ教会の動きを利用するよう、大統領の霞娜が指令を出す。
・第四話
八月。
税収調査のためにジングリット北部領を巡っていた、帝国府理財補司のキンギューたち一行は、ホブローという村で一夜の宿を求める。そこは小さな幸せそうな村だったが、奇怪な秘密を隠していた。キンギューは秘密を目にして、恐れおののく。
王都では、帝国府が教会の内偵を進めていた。皇帝を狙う彼らの陰謀はいよいよ明らかに思え、天領総監レンダイクは、クリオンの身を守るために、彼を城下の巨大学園、国立汎技術学校の生徒としてまぎれ込ませるという、奇想を提案する。エコールには、クリオンの剣の師匠であり、ソリュータの実兄でもある、レグノン・ツインドが教師として着任していた。彼の手引きにより、クリオンは学院に潜りこむ。それも、素性を隠すために、少女の姿を装ってだ。
エコール中等部の生徒、十五歳のポレッカは、成績不振で悩んでいた。彼女の本当の望みは、下町の大衆食堂の娘としての腕を生かして、料理人になることなのだ。だが、世のために役立つ人になれという、両親の期待をかけられて、しぶしぶ進学校のエコールの生徒となった。
彼女の前に現れたのが、謎の美少女シロン。抜群の頭脳と運動能力で、あっという間にクラスの人気者になった彼女が、どうしたわけか、寮生のポレッカと同室になってしまう。
劣等感を感じながらも、ポレッカはシロンに惹かれていき、仲の良い親友となる。
生徒たちは知らないが、シロンはもちろん、クリオンが変装した姿だった。その姿のままで、男子寮のレグノンの部屋を訪れたシロンは、昔、彼に初めて自慰を教えられたことを思い出し、また、少女としての自分にも惑わされて、ついレグノンと、男女の交わりをしてしまう。
幾日かしてから、その感覚を引きずったままの彼のもとに、今度は城を抜け出したキオラがやってくる。シロンはレグノンに教えられた心地よさを伝えようと、キオラを抱いてしまい、彼を寵姫の一人として扱うようになる。
ポレッカに対しては、同性を装っている手前、自分を抑えていたシロンだが、ある時、彼女とともに踏み込んだ学院旧校舎で、高等部の乱暴者、タッスの悪事を見てしまう。彼は、悪党団の回天党と語らって、旧校舎を不法な取り引き品の保管所として使っていたのだ。
回天党の首領、キャメリが現れ、シロンとポレッカは捕らえられる。二人きりの密室で、おびえるポレッカをなだめるためにシロンはクリオンとしての正体を明かし、ついに彼女と結ばれる。
二人の窮状を救ったのは、神出鬼没の道化、マウスだった。彼の知らせによりレグノンが旧校舎に駆けつけ、二人を悪党の手から助け出す。
キャメリたちが今回隠していたのは、なんと武器だった。それを注文したのは教会で、教会の僧たちが反乱のために武器を必要としたのだ。
武装して今にも王宮を襲おうとする僧たちを、レグノンとクリオンは食い止めようとする。そこに王都防衛の第二軍が現れ、僧たちと軍との戦いが起こる。
僧たちを兵士が倒し、レグノンがキャメリを殺した。しかし、僧たちを指揮していた謎の女が、聖霊の力を表して、クリオンの命を狙う。女は、大明の宦官、麗虎だった。
第二軍の軍団長ガルモンは、麗虎の攻撃で手傷を負うが、クリオンは聖霊ズヴォルニクの力を借りて、麗虎の右腕を切り落とし、勝利を得る。
その後、シロンが姿を隠してしまったので、ポレッカは落胆して学院をやめる。下町の実家で料理の手伝いをしていたが、ある日そこへ、城からきらびやかに飾られた馬車がやってくる。
馬車に乗って城へ向かったポレッカは、シロンが皇帝だったことを知り驚く。気後れしながらもクリオンの誠意を信じて、ポレッカはソリュータたち寵姫の仲間に入る。
その頃城の地下では、捕らえられた麗虎を、道化のマウスがいまだ明らかでない理由によって、尋問していた。
・第五話
九月初頭、間奏曲的な中篇。
チェル姫のいたずらによって、おかしな欲望に突き動かされる体になってしまったクリオンが、チェル姫、キオラ、レザ、ポレッカ、エメラダ、そしてレンダイクの祐筆スーミーを、次々と抱く。
レザとともに、南のギニエの町で起こった悪魔騒ぎの対処をしたり、エメラダと一緒に、北部領でキンギューが経験してきた異変のことを聞いたりする。
なお、この第五話には用語解説がついていない。
以上が、第五話までのあらすじ。
引き続き、登場人物を紹介する。
☆ 登場人物 ☆
●クリオン・クーディレクト・ジングラ 15歳 男
ジングリット帝国皇帝ゼマント四世の十八男。
五歳のとき、当時七歳だった侍女ソリュータとともに、辺境グレンデルベルト領へと預けられた。
奇禍によってゼマント四世が崩御した後、ジングリット皇帝の座に付く。即位してクリオン一世。
ごく素朴な田舎で育ったため、王族らしからぬ言動が多い。即位後は自覚を持ち、帝国の指導者として育っていく。
外見的特徴は以下の通り。
淡い緋色の短衣とズボンを身につけた少年である。短衣は腰で縛って裾を流しているので、短いスカートのようにも見える。
柔らかな金髪が初春の風をふわりとはらむ。大人のように刈り上げてはいない。首の後ろから耳の前まで、半円を描いて切り揃えている。
手足も細かった。筋肉が足りなくて服の布地が余っている。腰に下げた突き専用のレイピアは、それが彼の腕力で扱える最適な武器なのだろう。両刃の長剣や槍兵のバンカーシールドは似合いそうもない。
いくつかの特徴が、彼の姿をあいまいにしていた。遠目には少女のように見えないこともない。
剣技はこの年にしては達者なほうだが、もっと年上にはいくらでも強い人間がいる。体重が軽いのも不利。しかし、護衛のシェルカの手ほどきを受けて、上達はしているようだ。また、実戦経験も着実に蓄えている。
兄貴分にして師でもあるレグノンの手ほどきにより、武器としてレイピアを用いる。さる事件ののち、そのレイピアに封球をはめ、調律剣として使うようになる。
封じた聖霊は「ズヴォルニク」。北海カリガナの海王を名乗る強力な怒濤霊。
ズヴォルニクは主人のクリオンにしばしば逆らう、凶暴な霊だが、時には完全に従うこともある。それらの判断には、どうやらクリオンの血筋が関係しているようである。
●ソリュータ・ツインド 17歳 女
クリオンの侍女。グレンデルベルト侯スピグラム・ツインドの長女。
本来貴族の姫である娘だが、父によって忠実にクリオンに仕えるよう躾けられた。優しい心根と細やかな気配りを持ち、グレンデルベルト領民たちにも慕われている。
芯はしっかりしており、クリオンとともに受けた高等教育のおかげで、時に周りが驚くような大胆な行動を取る。
クリオンに主従を越えた愛を抱いている。
外見的特徴は以下の通り。
いたって飾り気のない姿である。服装は白いエプロンと袖のふくらんだ黒いブラウスと、膝下のスカート。装身具と言えば髪に差したレースのティアラだけ。絹糸のような長い髪は黒い。脚の肌すらタイツで隠している。多様な人種が多様な装飾を身につけるこの国では、地味な部類に入る。
だが、背筋の通ったきれいな立ち方をしていた。すらりと伸びた両足のつま先が揃っている。歩き、走ったら、四肢が優雅に屈伸するだろう。
顔立ちにも同じ印象があった。化粧といえるほどの手入れはしていない。必要ない肌だった。唇は小さく、鼻筋が涼しい。まつげは長いが、よくものを見そうな大きな瞳のおかげで、うるさく感じられない。
整っていて、年より大人びて見えるようで、でもまだ育ちきってはいない。花というより柔らかな葉、それが朝露を乗せてきらめいている。清楚、という言葉では少し足りない。――そんな娘だ。
●スピグラム・ツインド 48歳 男
グレンデルベルト侯爵。ソリュータの父、レグノンの兄、クリオンの育ての親。妻とは死別。
かつて帝国府に勤めていた大貴族だったが、ゼマント四世に疎まれ、グレンデルベルトに封ぜられる。
クリオン即位後は、非公式のよきアドバイザーとして彼を助けていた。しかし、貴族領の没収政策により、グレンデルベルトにも執政官が入ったため、今は隠居の身。
●レグノン・ツインド 24歳 男
ソリュータの兄。レグノン卿と呼ばれる。
妹のソリュータと同じく美しかった母の血を引き、貴族的な美貌で娘たちに人気がある。クリオン即位後しばらくして帝国府に上り、国立汎技術学校で教鞭をとる。
クリオンのもっとも身近な同性。陰に陽に様々なことをクリオンへ教えた。彼にレイピアを教えたのもレグノンである。
ふとしたことから、クリオンと道ならぬ関係を持ってしまったが、それに溺れたり、またクリオンを溺れさせたりはしなかった。今までと変わらず、少し距離を置いて理性的に見守っている。
●イシュナス・レンダイク 45歳 男
レンダイク男爵、またはイシュナス卿と呼ばれる。
有能なテクノクラートだが、スピグラムと同じく、前帝の時代には閑職に追いやられ、低い爵位しか与えられなかった。クリオンによって枢機に返り咲く。
現在は天領総監。事実上のジングリットの最高行政官である。
●ラハシュ・ジューディカ 68歳 男
儀典長官。帝国府のしきたりに関することや、フィルバルト城内外の庶務を監督する。
伝統を墨守する旧弊な人間で、グレンデルベルト大禍によって皇族がほぼ全滅したあと、残されたクリオンに皇室の血筋を守らせるため、世継ぎを作るようしつこく勧める。
●デジエラ・ジングピアサー 32歳 女
ジングリット軍四十万を束ねる総司令官。東征将軍の称号を持つ。紅の髪を持つ美しい戦士。
彼女の調律剣に宿る「ロウバーヌ」は、一撃で百名の兵を倒す火炎の聖霊である。それなくしても、一対一の対決で彼女にかなう者はいない。
いかなる窮地にあっても動揺しない冷静さと、苛烈なまでの合理主義は、直属の部下マイラに通じる。だが、それだけが彼女のすべてではない。時として、思いもよらない優しさを部下に示すこともある。
その卓絶した戦闘能力、人望、厳しさ、優しさは、貧民だった彼女の生い立ちによって育まれた。ジングピアサーとはジングを貫くものという意味で、前帝ゼマント四世に剣を向けた勇気から、授けられた名前である。
●マイラ・ニッセン 25歳 女
軍人。もとヴェスピア疾空騎団第一連隊長。クリオン即位後しばらくは近衛隊長をつとめ、皇帝の身辺警護に当たった。
現、高速勅使団団長。 巨鳥エピオルニスを駆って帝国狭しと飛びまわる。
調律剣の聖霊は「キシューハ」。射程は飛びぬけて長く、高圧旋風で十数名の敵兵を切り刻む。
心中に何かの葛藤を隠している様子だったが、今回ついにそれが明らかになり、クリオンとの、また帝国との関係を新しくする。
●ホレイショ伯 30歳 男
グレンデルベルト大禍のあと、かろうじて生き残った残存貴族の筆頭。改革を進めるクリオンたちに反対する。
正式には、ホレイショ伯爵ノルド・メルチン。
●キンロッホレヴン四十九世 百数十歳 男
ジングリット国教イフラ教の大神官。おそるべき老齢の怪人物。
●トリンゼ 30歳 女
皇帝付きの女官。侍女頭。
侍女たちは前帝時代に選りすぐられた美貌の娘たちばかりであり、それを武器に、寵姫となることを狙っていた。
次々に現れるクリオンの寵姫たちに立場を奪われていたが、彼女たちの際立った個性を認め、侍女としてかしずくようになる。
●ジュナ 19歳 女
同上。紅茶色の巻き毛を持つ快活な少女。
●チュロス 20歳 女
同上。青みがかった髪を持つ物静かな娘。
●ゼマント・ロフォーデン・ジングラ 52歳 男
前ジングリット皇帝、ゼマント四世。
武断と奢侈を好み、外征、遊行を繰り返した。また、十二人の寵姫たちとの間に十八男十四女の子供を残した。
グレンデルベルト大禍にて帰らぬ人となる。
●霞娜 15、6?歳 女
東方の異文明国、大明合衆帝国タイミン・エンパイアステイツの大統令。
そのあどけない笑顔に隠された巨大な憎悪を知るものは少ない。
●麗虎 22歳 宦官
女性大統令に仕えるため生殖能力を捨てた美しい宦官たちの一人。
霞娜の忠実な腹心にして愛人。
霞娜の命を受け、さまざまな陰謀を成就させようと、大陸各地で暗躍しているらしい。
第四話では皇帝に一騎打ちを挑み、敗れて右腕を失った。
以上、第一話既出。
以下、第二話既出。
●エメラダ・ビアース 18歳 女
豪商ビアースの娘。豊かな緑の髪とよく育った肢体を誇っている。
才気煥発、利にも敏く、実務能力は高い。だが、教養でソリュータに負け、以後よきライバルになる。
●ジュゼッカ・デ・ビアース 40歳 男
ジングリットいちの豪商。
下心あってクリオンの政策に手を貸すが、娘エメラダに足元をすくわれて、計画に失敗する。
●キオラ・シッキルギン 14歳 男
隣国シッキルギンの第一王子。クリオンとは昔馴染み。
母国の政争が激しくなってきたため、ジングリットに避難してくる。
美しい少年であり、クリオンとは以前から密かな関係を持っていたが、第四話において決定的な一線を越え、以後、同性ながらクリオンから寵姫として扱われるようになった。また、チェル姫とは、クリオンを含めて三人で、夫婦の関係である、ということになっている。
なお、彼がクリオンと関係を持っていることは、チェル姫の他に、レザが知っている。
●マウス ?歳 道化
キオラが母国からつれてきた道化。自称四十八の芸をもつ間抜けのマウス。
常にけばけばしい怪奇な衣装をまとい、踊り狂っている。その衣装のせいで、性別は不明である。
お手玉、剣舞、針金使い、変装、吟唱、薬の調合など、多彩な才能を持つ彼(彼女?)だが、最も不思議なのは、いつでもどこにでも現れる、その神出鬼没さかもしれない。
●ラブリス・ベクテル 41歳 男
ジングリット国軍本営工武廠に所属する工匠。工武廠は武器防具の発明改良を行うところ。
めがねをかけた実直な技術者で、調律剣を始めとする高度攻撃兵器の研究の第一人者。ただ、前帝時代に、失言ひとつで半年間投獄されたことがあり、気が弱くなっている。
●サレスチナ・イマロン 46歳 女
ジングリット帝国府理財司。財務事務次官に当たる。平民。
歯切れのいい下町言葉と堅いそろばんで帝国府じゅうから恐れられている。
泣いて頼むとけっこう予算をくれるらしいが、本人に言わせれば、おかげで白髪になってしまったからやめてほしいそうである。
●ベルグット・キンギュー 29歳 男
ジングリット帝国府理財補司。イマロンの右腕。平民。
エコール出の秀才で、計算は得意だが、駆け引きというものがわからず、イマロンに怒られることもしばしば。
第三話登場のネムネーダの友人。
最近の彼は様子がおかしいらしい。
●カムマン・リュードロフ 58歳 男
フィルバルト城の侍医。白い山羊ひげをたくわえた温厚な老人。
薬草の権威にして、筋金入りの即物主義者。医術の腕は確かだが、情緒などかけらもなく、人間をまるで患部の集まりのように扱うので、人からはちょっと敬遠されている。
●シェルカ 24歳 男
エメラダの従僕。青い髪を持つ長身の男。元奴隷。
湾刀を使う剣技は若くして練達の域に達している。ある事件の後、皇帝クリオンの護衛をおおせつかる。
以上、第二話既出。
以下、第三話既出。
●レザ・ストルディン 19歳 女
前帝時代に権勢を振るった大貴族、ストルディン公爵の一人娘。そして前帝の寵姫。
ただ、前帝は彼女に手をつけぬままなくなった。
寡黙な深窓の令嬢で、気位は非常に高い。貴族をないがしろにするクリオンに敵意を抱いていた。が、思っていたよりも温かいクリオンの人柄に惹かれて考えを変え、クリオンの第二側室となる。
その気品に満ちた美貌は城で一番と称えられ、本人もそれを当然と思っている。あまりにも誇り高いため、クリオンが他の娘に手をつけても動揺すらしない。必ず自分のもとに帰ってくると信じている。
●ノストラ・フォーニー 37歳 男
外征の主力となるジングリット第一軍の軍団長。銀髪の魁偉な壮漢。
兵種は重騎兵。二の腕ほどの太さの騎槍を調律して使っている。聖霊は「サガルマータ」、一秒に一度、ひと抱えもある火弾を吐き出す火山霊。
彼の価値観は単純である。強いものには挑み、弱いものは守る。この論理の行きつくところ、総司令デジエラ・ジングピアサー将軍に挑んで破れたこともある。以来心酔。
斗酒を辞さず、すこぶる美声。彼との宴会は全軍団兵が望む。デジエラを除いて。
●ロン・ネムネーダ 29歳 男
ジングリット第一軍遊撃連隊連隊長。まるっこい小柄な体の男。
兵種は高速騎兵。最も危険な機動要撃戦に投入される、第一軍随一の精鋭。彼は金属霊「タングスタイン」を調律剣に宿し、数千の鋭い針を一度に放って、敵を刺し貫く。
人は彼の、まるでぬいぐるみのようなころころした外観にだまされる。そのころころさは戦闘時、飛び跳ねるボールのような素早い動きを可能にし、敵を翻弄する。が、普段はおっとりのんきな平和そうな若者である。
理財補司キンギューとは学院で同期だった。妙な縁で仲がいい。
ジングリット軍の指揮層は全体に若く、活気にあふれている。それが、前帝の無茶に軍と国が耐えられた理由であろう。
●スーミー・シャムリスタ 25歳 女
天領総監付きの祐筆。レンダイクの秘書。
極めて記憶力がよく、耳にしたあらゆることを暗唱してのけるので、総監の目に止まって侍女から秘書に抜擢された。
実はレンダイクの愛人でもあるのだが、ふとしたことからクリオンは彼女の秘密を知ってしまい、あまり口外できない関係を持ってしまった。
クリオンはなぜか、彼女だけは寵姫に取り立てようとはしない。クリオンが卑怯であるのかもしれないが、それだけではない何かが、彼女の側にもある。
●エムディン・トラスク 34歳 男
イフラ教の神官。今回の遠征でジングリット軍に従軍した。
実はミゲンドラ軍と内通していた。皇帝暗殺を狙うも、失敗して討たれる。
●チェル姫 10歳 女
シッキルギン連合王国内の小領地、ミゲンドラの姫。盟主国シッキルギンに対して反乱の軍を起こす。
無垢であどけない少女だが、調律剣の一種である雷天笏「シリンガシュート」を持ち、異常な個体戦力を誇る。
シッキルギンのキナルにだまされて、殺戮者になりかけていたところを、レザに諭されて、目を覚ました。
現在はキオラとクリオンの二人の妻であると自称し、気ままに二人の恋人の間を行き来している。いたずら好きでおしゃまなところもある。
連れ合いにしか明かさない、「チェルゲンナーデ・エレクラウニー・ビッセルミオ」という秘密の名前を持っている。
●フランボニー侯爵 35歳 男
ミゲンドラの貴族。シッキルギンに迫るジングリットの脅威を察知し、チェル姫に進言して軍を挙げる。
ミゲンドラ軍敗戦時に死亡。
●キナル・シッキルギン 18歳 男
シッキルギン王国の国王キルマの孫。キオラの従兄弟に当たる。
王位継承権がキオラより低いため、以前から彼に対して陰謀を企んでいたらしい。キオラは彼から逃げるためにジングリットへ去った。
今回、フランボニー侯爵と語らって乱を起こす。
●ニュクス・ヘルネベルテ 41歳 女
前帝ゼマント四世の側室。レザを含めて十三名の側室の一人。正妃は以前死亡している。
側室たちはフィルバルト城の「百花館」(フロール・パレス)と呼ばれる屋敷に住んでいて、ニュクスはそこの実力者である。が、他の妃たちと同じく、グレンデルベルト大禍で息子を失ったため、今のクリオン皇帝に対してあまり発言力がない。
クリオンが進める改革を憂え、レザをそそのかして、昔日の優雅な生活を取り戻そうとする。
しかし、ことがかえって裏目に出て、遠方の離宮に押し込められる。
以上、第三話既出。
以下、第四話既出。
●ポレッカ 15歳 女
フィルバルトの下町の水車通りにある、こまどり亭という大衆食堂の娘。両親の期待を負って、十一歳から国立汎技術学校に入学し、寮生活をしていた。その後、クリオンに見初められて城に入る。
空色の髪をおさげにした少女で、そそっかしいところがあり、落ちこんだりもするが、普段は快活で働き者の娘である。
特技は料理で、本人は下町で一番だと思っている。しかしこれはまだ自覚が足りなかったらしく、近頃では城の料理番に鍛えられ、本物の料理人としての頭角を現し始めた。
クリオンの寵姫の中では最も身分が低いが、その重圧に負けないよう懸命に頑張る、けなげな娘である。
●ジョカ 15歳 女
ポレッカの同級生。ポレッカよりずっと成績がいい。
●タッス 16歳 男
国立汎技術学校の生徒で、高等部の不良少年。
不良たちのリーダーを務め、悪い大人と付き合っていると専らの噂である。親は成金らしい。
エコールでの騒動でキャメリの不興を買い、命を落とす。
●レグノン・ツインド 24歳 男 (再出)
第一話以来ご無沙汰の、ソリュータの実兄。クリオンとも親しい。
家長である父のスピグラムが帝国府に上がっていたため、地元グレンデルベルト領の采配を担っていたが、この度その地も天領になって執政官が入ったので、王都にやってきた。貴族ゆえに顕職につくこともできたが、ソリュータがクリオンの妃になることを避けたのと同じ理由で、国立汎技術学校の教師に着任。
かつては都に上がるたびに姫君たちと浮名を流した、名うてのプレイボーイ。教師になってもその性癖は治まらない。
教師のくせに剣を下げ、「レイピアの先生」として女生徒たちの熱い眼差しを集めているが、第四話において、それがはったりではないことを示してみせた。ために、今度こそ本格的に求愛してくる生徒が現れて、ちょっと困っているようである。
●キャメリ 28歳 男
フィルバルトに根を張る悪党。
窃盗、詐欺、婦女子誘拐、魔薬密売など、悪事ならなんでもござれの集団「回天党」の首領。
第四話においてレグノンと渡り合い、倒された。
●エイレイ・ガルモン 34歳 男
ジングリット軍第二軍軍団長。禿頭の寡黙な巨漢。
兵種は重歩兵。重量霊「マートネール」を宿した二ヤード半の巨大な戦斧を振るって、岩をも砕く。
とにかく口を開くことが少なく、たとえ敵に降伏を呼びかける時にでも彼自身はしゃべらず、従卒の兵にしゃべらせる。一体どうやって彼が従卒と意思疎通をしているのかは、第二軍の兵士たちにとって最大の謎である。
●シロン 15歳 女
国立汎技術学校に夏季休暇の間だけという名目で現れた転入生。
頭脳明晰、運動万能、中性的な美貌とあって、男女を問わず大人気。
以上、第四話既出。
第五話に新しい人物は登場しない。
以下、第六話登場。
●ハイミーナ 18歳 女
イフラ教会異端審問軍、ザナゴード聖槍隊の討伐尼。
身長五フィート十インチの長身に鎖法衣をまとって、重量級のハルバードとバンカーシールドを構え、銀髪をなびかせて神敵を掃討する姿には、帝国正規軍ですらも二の足を踏む。
入信は六歳のとき。爾来、神の兵士として数十名を殺戮してきた。その性は無慈悲にして狡猾で、正義のためならどんなに邪悪なことでもするという。だがそれは、彼女に課せられた罪をつぐなうための、やむをえない行いらしい。
教会の掲げる正義に全面的に依存して血を流しつづける彼女が、皇帝に侍るさまざまな娘たちと出会ったとき、何が起こるのか。
以上、第六話既出。
新しい人物の登場はそろそろ収まり、既出人物の描写が重要になってきた。
☆ 地理・用語等 ☆
●ジングリット帝国
大陸中央、南北六百リーグに渡って広がる国。大陸いちの強国。
人口九千万。王都は中南部オン川に沿う河川都市フィルバルト。
北には寒冷な北海があり、そのカリガナ諸島にいたるまでが領土である。
西にはシッキルギン王国を始めとする十数の中小国が接している。しばしば小規模な紛争が起こる。
南には険しい山地と広大な半島があり、戎衣の蛮族が住んでいる。山地で鉱産物が取れるため、こちらとはごく日常的に国境を争っている。
東には平坦な砂漠を挟んでタイミン・エンパイアステイツがある。距離は最も遠く、争いは稀だが、それだけに軍を送ってくるときはどちらも本気になり、激烈な戦いが起こる。 通貨はメルダ金貨、フラグム白銅貨、バク鉛貨。一メルダ金貨が一万円に相当する。一フラグム、一バクは、それぞれ酒一瓶分、ひとさじ分の代金に相当するらしい。
距離単位はリーグ、ヤード、フィート。それぞれ約五キロ半、一メートル、三十センチ。
●グレンデルベルト領
ジングリット西部、フィルバルトより二百リーグの位置にある辺境領。
ソリュータ、レグノン、スピグラムのツインド一族の領地で、クリオンが五歳から十五歳まで過ごした土地である。
風光明媚なグレンデル湖を擁し、保養地として名高いが、商産業的な価値はそれほどない。
隣国シッキルギンとの間を湖が阻んでいるが、水運によって古くから交通がある。
●大明合衆帝国
人口五千八百万、東方の覇権を握る大国。
嬢院という娘たちが主導する議会による、民主制の進んだ政体を持っていたが、近年霞娜が大統令についてからは、独裁色を強くしているようである。貴族制はない。
精霊を利用した高度なテクノロジーを持つ。大明ではジングリットのように「聖」霊とは言わない。恐れ敬うことなく霊たちを道具として使役している。
●シッキルギン連合王国
対外的には王国だが、大陸西部に群居する小王国を束ねた、連合会議の名称である。議長がシッキルギン国王。
歴史は古く、文化程度も高い。最高学府である国立汎技術学校の創設や、古代から維持している度量衡単位などは他国に真似されている。大陸各地の言語もこの辺りから発祥したものが多い。
伝統的にというか因習的に、連合内での小競り合いを繰り返して合従連衡を続けているため、総体としての国力はジングリットや大明に劣る。
●イフラ教会
五星暦を誕生させた聖者イフラの創始になる、巨大宗教。
勢力範囲はジングリットのみにとどまるが、国民のほぼすべてがこの宗教の洗礼を受けている。
節制、貞節、奉仕などを説き、引き換えとして最終日の安息を約束する。「五星重なる時、罪障滅消して四難八苦を忘れさせん」が教義である。
財源となる荘園や独自の審問軍を持ち、いよいよ帝国府への叛意を明らかにする。しかし、なぜ彼らが帝国を支配しようとしているのかは、まだ謎のままである。
●プロセジア占星団
大陸のどこかにいて、星の動きから人々の命運を推定しているらしい、と噂される集団。
大陸の誰もが名を知っている。絵本や童話の中の存在として。
●国立汎技術学校
現代の用語を用いて言えば、政経理工系の実務政務者を養成する機関である。これと対を成すのが学問系の学校だ。ぶっちゃけた話が、フランスで言うところのグランゼコールとユニベルシテである。
ジングリットにも学校が欲しかったのでエコールをおいた。グランゼには他にもポンゼショセとかENAとかなんとかあるらしいが、響き重視でエコール・ポリテクニクを採用。
●聖御法
この世界では人間は魔法を使えない。魔法に類するものは聖霊が使うが、それとても大自然の力であり、エネルギー保存則には違反していないらしい。
人間は聖霊に話をつけ、封球という球に封じこめて使用する。聖霊と武器、聖霊と人間、人間と武器、いずれにも相性があり、適合しないとけがをする。
聖霊を非軍事分野に応用することは考えられていない。これは人々のメンタリティーのせいもあるが、それよりも困難だからという理由が大きい。太陽の力を地上に再現する核融合が困難であるごとく、荒れ狂う大自然の力をだましだまし使うのも難しい。核兵器と同じように、一瞬の放出のほうがはるかに易しい。
聖霊に話をつけること全般を聖御、剣への応用を調律という。
強度単位ヘイリンについての詳しいことは不明。聖霊間の相対的な比較ぐらいに使うのが適当だろう。
マイラが使う「キシューハ」が強度四百八十ヘイリンで、ほぼ短機関銃程度の攻撃力を持っている。同クラスはネムネーダの「タングスタイン」か。デジエラの「ロウバーヌ」、フォーニーの「サガルマータ」は一ランク上がり、戦術兵器としては最強の強さがある。ヘイリン数で言うと八百から千ぐらいだろうか。
これ以上の聖霊は戦略兵器級となり、制御もだが運用法が難しくなってくる。クリオンが持つ、推定強度千五百ヘイリンの「ズヴォルニク」はまさにこのクラスだろう。強すぎて迂闊に使えないことが今回第三話で明らかになった。
それら聖霊兵器は強力なものだが、少し考えてみると奇妙なことに気付く。火災、津波、嵐などの力を封じこめたものにしては、逆に弱すぎるような感じがしないだろうか。
……いや、それについては、まだ語るべき時が来ていない。
以上の解釈はジングリットでのものであり、大明を始め大陸各地には別の理論体系があるようである。
以下は予告。
☆ 第七話登場人物 ☆
●フウ 15歳(人間換算) 未性
ジングリット南方の広大な樹海地帯に住んでいる、フェリド族の娘。
フェリドは人類とは異なる蛮族で、人と豹の性をあわせ持ち、金色の瞳と自在に動く耳と尾を備え、夜走る。言葉は通じない。
その総数は百万とも五百万とも言われているが、樹海は深くフェリドは速いので、未だ詳しいことは謎のままである。
●ジャムリン 32歳(人間換算) 雄性
フェリド最大の集団、ウォラヒア大支族の族長。
フウに求婚している。
●セマローダ 55歳(人間換算) 雄性
フェリド最古の集団、ローダホン支族の族長。
史上初のフェリドの使いとして、人間たちの前に現れる。
☆ 第六話言いわけ ☆
言いわけというか……今回は死力を尽くして書いたので、もう気力があんまりない。(笑)
マイラが加わってしまった。OK? だめ? でも最初から決めていたし。
伏線がいよいよ増え、明らかになり、また、作られた。このクソややっこしくもつれた糸を、最後まですべて切らずにつなげられるのか。見通しはあるが、我ながら不安だ。
以前サクラ大戦にたとえたが、隊員たちもそろそろ勢ぞろい。ポレッカなんか、可愛い割りに出番が少ないので、ちょっと残念。ううむ、どうしてやろうかな。
クリオン受けは一度きりと、これも以前書いたのだが、予定変更。すごく萌えるシチュエーションを思いついしまったので、もう一度断行する。
ご意見をたくさん頂いているが、答えられるものもあれば答えられないものもある。
シェルカ萌えー! という方、ごめんなさい。彼にはあまりスポットが当たらなさそう。
トリンゼ・ジュナ・チュロスの三人にも、クリオンの手はつかない。今回はちょっと活躍したが。
デジエラどうしよ。クリオンが手を出す出さないのガイドラインにおいて、彼女は境界線上なのだ。むー、難しい……
そしてソリュータだが、彼女は途中どうなろうとも、やはり最重要のヒロインだ。どういう意味かは言わないが、彼女からスポットを外すことは絶対ない。エピローグまできちんと登場するので、お楽しみに。
今後の予定は、大分変わってこんな感じ。
第7話 フウ 2002年 冬
第8話 霞娜 他 2003年 正月
最終話 秘密 2003年 初春
最終話にはさらにエピローグがつく。それも含めて、最終話は、シリーズ最大のボリュームになる。この調子で続いていくと、トータル1.4MBにもなるか。文庫本五冊分。
ああ恐ろしい……
さて、今回の能書きはこれで終わり。
いつも応援してくださる皆さん、ありがとうございます。
今後いよいよ、物語は大混乱になっていきますが、完結までは必ずもっていきます。長い目で見て、お待ちください。
それでは、第七話で!