5:12 2019/05/10  2007年に開始し、2013年以来停止しているカピスタシリーズの更新優先順位を、「死ぬまでになんとか完結させる」から、「他に書きたいものがあるあいだは書かない」に落とします。  理由は三点。 1.もともとの構成が大型ドラマになっていて、ここから終盤までのあいだに、ヒオリとニャンダが戦う山場がなければならない。だが、必要な段取りが多すぎて、実現が難しくなった。 2.12年の間に作者の好みが変わり、ヒオリとセリのカップルを情熱をもって書き切れなくなった。 3.それでもエロいシーンがあれば書く気が出るのだが、今後のストーリーにエロシーンが全然なさそう。  作者も人生の半ばを過ぎて、死ぬまでに何を書くか、そして執筆意欲の残りを何につぎ込むかを、真剣に考えたくなりました。そのあいだ、完結の難しいシリーズを抱えっぱなしでは、気になって他の作品を書く意欲が削がれるので、やむをえず断念することにしたものです。  長いあいだ待ってくださっていた読者の方には申し訳ありませんが、ご承知ください。  最低限やるつもりだったことは、以下の通りです。 ――――――――――――――――――――――――――――――――  ニャンダは新大陸の神を名乗るだけの、ただの美少年。つまりニセのカピスタ。  この者が突如ヒオリたちのもとに現れ、セリをさらっていってしまう。  ヒオリは新大陸諸族と同盟しつつ、西風号クルーを率いてニャンダとその腹心たちと弾道術の勝負をする。  密林弾道300ヤードのタイトル通り、ジャングルでのゴルフ勝負である。  セリの身柄をかけたこの勝負に、ヒオリは勝つ。  だがセリが頭を殴られて失神してしまう。  ヒオリは献身的な看病を行いつつ、セリの目覚めを待つ。  奇跡的な回復イベントを経て、セリが目覚める。  二人は旧国家の人々の間には居場所がないが、新大陸諸族に受け入れられる。  ヒオリとセリ、そして二人のあいだの子供は、バスコら少数の仲間と共にジャングルの奥へ冒険に消えていく。  です。 ――――――――――――――――――――――――――――――――  以下にこの8年間のプロットの変遷を公開しておきます。  ご覧になってわかるように、とにかくさまざまな検討は行いました。  結論としては、話の芯が細い割りに展開を広げすぎてしまい、収束させられない、です。 0:43 2016/01/18  前話のきぬぎぬの朝、水浴びをしていると野営地にニャンダが襲来。  セリもニャンダの付き人に襲われる。  あわやというところでヒオリが割って入る。  互いにお目見え。  ニャンダたちは様子を見に来ただけだという感じでたやすく去る。  セリも彼女らに脅威を覚える。  が、ヒオリは真剣な顔こそしているものの、そうではなかった。  ニャンダがカピスタではないことを――美しい少年であることを悟っている。 19:12 2015/10/08  ヒオリ、まずウカニヤ族に入って友誼を結ぶ。  パシニアを犯して第二の妻にする。  その後、ニャンダがやってきてセリがさらわれる。ニャンダは強い。ヒオリを嘲笑って去ってしまう。(その目的は、ニャンダにも妻を得て雌を引き寄せるため)  ニャンダを打ち破るため、そしてセリを取り戻すために、ヒオリは立ち上がる。 16:42 2015/06/15  ヒオリの考えている姿。  妻を連れてウカニヤ族に入るヒオリ。すると女たちが続々とよろめく。  それを見て、ヒオリに隷属するウカニヤ族。  まず、ヒオリの聖性がそこで固まる。  またヒオリも、セリを連れてこの部族に帰属することを宣言する。   この娘が私の第一の妻よ。  大事になさい。みなひれ伏す。 (セリの安泰を確保)  西風号メンバーに戻る、とウカニヤの斥候と船乗りが喧嘩をしている。  それを仲裁する。  そして仲間を集めて、演説する。  私はこれまで小娘でした。王庁の法意を表すと言いつつも、弾道術が強いだけで何もわかっていませんでした。それどころか自分が何者かもわかっていませんでした。  けれどここへ来て初めて、自分の本当の姿、自分のするべきことがわかりました。  私は、あいだに立つ者です。男と女、王庁とあなたたち臣民、人工と天然、そしてネリドと外域とのあいだに立つのです。  立って、その両者を取り結ぶのです。ぶつかりあいを和らげ、意志の疎通を取り持つのです。  これから私は、土民たちのあいだに入っていきます。ネリドの民がこの土地のことをもっと知るための、先鋒として行くのです。土民たちの中に僭主が立って、彼らを苦しめています。それを除くことができれば、彼らは感謝して友誼を結んでくれるでしょう。  そのために私は一人で行きます。あなたたちにも来てほしい。けれど、公平のために明かします。ともに来たら、あなたたちは背反者呼ばわりされるかもしれない。楽にネリドには戻れません。つまり、たとえ金を手に入れても、使う機会がないかもしれないということです。もちろん命の危険は言わずもがなです。  私自身は、もうネリドに戻らない決意を固めました。それでも捨て鉢になったわけじゃない。王庁の法意と弾道術は、終身私とともにあります。その二つを抱いてこの辺境で生きていきます。  誰にも同じ生き方は強制できないけれど、見たことのないものを見たい人は、私といらっしゃい。私が手を引いて連れて行ってあげます。  ウカニヤ族はすでに私のものです。ウカニヤと私が、あなたたちを新大陸へ迎えます。  ヒオリさま! と質問。はい、なに?  そのうヒオリさまは……男と女の……もじもじ。  ヤロウのアレがついてるって本当ですか? てめえ、何とんでもねえこと聞いてやがんだ! ボカッ。  うん、うんとうなずいて、ヒオリ。  みんな、うすうす気づいていたと思う。その通りです。私は、こういうものです。  衆人環視の中で、きらめく木漏れ日を浴びながら。  無造作にスカートを脱ぎ落とし、頬を染めて上着を脱いで外し。  それから胸当てと下着をも外して、すべて見せる。初々しく、けれども凛然と反り返る男性器。  男であり、女である者、それが私です。バスコがダッと出る。それだけでなくほかにも数名出る。上着をかぶせて包む。降りて、と勧める。  でもそれを断って。  最後になったけれど、みんなに言っておきたいことがあります。これまでありがとう。銀葉林でもどこでも、共に暮らせてありがとう。世話になりました、西風号。  そう言って朝に発つ。十五人ほどついてくる。 無理強いする気はありません。また、そんなことをしなくてもあなたたちは自分の判断をしているでしょう。 いと命じはしますが、公平のために明かします。もし私が死んだら、同行者に誉はありません。ネリドからの背反者とみなされるでしょう。同行者が称えられるのは私が生還した場合だけ。    すべてを打ち明け、今まで世話になったことに礼を言う。 こと――。  誰にも倒せない敵を倒すことです。  だから、あなた方が従わず、私だけが向かうことになっても、私はそれを咎めません。   制圧の全権を行使します。  その法であなたたちをしたがわせることはできないかもしれません。  しかし私一身の行動を差し止めることはできないはずです。  ニャンダがベシンガトを指揮して、他の部族を隷属させている。    ヒオリを、まずニャンダと会わせてしまう。      5:08 2012/06/23 3:09 2013/11/18 ・植民地がウカニヤ族に悩まされている  植民地自衛軍は現地人をぶっ殺すか仲良くするかで揺れている ・ヒオリたちがそれを引き受けて会いに行く ・ウカニヤは高圧的カピスタに悩まされている  ウカニヤはヒオリが来たので、ヒオリの支配下にあると言い張る  しかし証拠がない ・ヒオリが登場し、セックス勝負する  セリを従えているので有利  バスコを敵方の女の子とくっつけようか (以下、00より引用)  ヴィスマートは適当な協力的な少年を見つけて、パシニアの夫だということにしてしまう。だがヒオリは子育てどうしたらいいか悩む。  金砂湾のウカニヤ族が堂々と孕ませ子供を育てているのを見て、あーこれでもいいんだ、と開眼。 ・敵カピスタ、恥をかかされてぶちきれ、ウカニヤ族を襲おうとする。  ヒオリと西風号クルーこれを食い止め和解に成功。  植民地とウカニヤ族の橋渡しとなる。 ・ヒオリはウカニヤ族にセリの子育てを任せることができ、奥地の自然も見て歩ける。  これだあああああ ↓ 3:10 2013/11/18  ヒオリに毎晩犯される、夢うつつのセリから話を開始。  起きる。ヒオリと褐色美少女がいる。ヒオリは発情状態だが、寝ているセリを襲って種付けする。セリで抜くことで、発散。美少女は悲しい顔。 ↓ 10:24 2013/11/18 ●要素 ・水兵たちは金がほしい ・船長たちは功績と名声がほしい  だがヒオリたちは、彼らに大陸を荒らしてほしくない  金があるとみんなが群がってしまうかもしれない  が、金は――北のほうで超すごい鉱脈がみつかって、大暴落する  それで船乗り達みんな居留地に来る ・セリ、長棍入れをちゃんと持ってくる ・パシニアたちはニャンダよりも寛大なカピスタを求めている ・ニャンダは冷酷で高飛車でおろかであわれな女帝。  少数の取り巻きに崇拝されているために権威を持つが、本当の外乱には耐えられない。 ベシンガト族をけしかけてネリドの人々を襲わせようとしている。   新大陸人は数が多くて普通に強い。《ネリド側には銃砲がない》  単体戦力はそれなりに強い。「石投げ棒のニャンダ」 ☆ストーリー ・アバンでセリのセックスシーン入れるかな ・ヴィスマート教官と開拓軍は、やっつけられて戻ってくる。  ウカニヤ族がそれをエスコートしてくる。  教官負傷。接近戦サポートのパシニアがいなかったから油断した。  おまえたちは二人一組を崩すな。  開拓軍は弾道官の戦い方を知らないから手伝えなかった。  開拓軍、なぜ教官を手伝わなかった?  ケッ、弾道官だかなんだかしらねえが――  そんなやつに、ヒオリが弾道術を見せ付ける。  口を謹んで。教官はこの倍の距離で当てる。  あなたたちは値千金の武器を無駄にしたのよ。  で、ウカニヤ族はどうしてこちらにつく気になった?  ベシンガト族のニャンダは暴虐だ。カピスタが少なくなったのをいいことに君臨している。ナントカの雲の山や、ナントカの虹の円湖や、ナントカの銀針回廊も占領している。カピスタは豊穣の神だからみんな従わざるを得ない。。  ネ・カピスタでもないくせに……いや、まだわからんぞ、しかし間違いない。  ネ・カピスタとは?  真のカピスタのこと。次々と子孫を孕ませる力がある。  第一夫人が第二夫人を引き寄せる力を持つのだ。   スワイニがヴィスマートに女の子をあてがってるし、セリもパシニアを濡らしてヒオリに与えたがっている。  ニャンダにはそれがない。だがカピスタならあるはずだし……。  それって、要するに、美しい男なんじゃないの? 乳房は個人差もあるだろうし。  あっ。(みんなそれに気づかなかった)  調べればわかる。だがまず負かさなければ調べようがない。  ここでもう、ヒオリがカピスタだということを西風号クルーにも話さないわけにはいかない。話す。みんな信じない。ヒオリ、見せるしかなくなる。恥ずかしい。だがどっちみちニャンダと決着をつけるには見せるしかない。 ×見せる。ちんちん縮こまってる。 ×みんなが笑う。急に、たいしたことではない気がしてくる。 ↓15:29 2015/06/15  見せると不思議に勃起する。みんなそれを見て息を飲む。  艦長たち:私たちが強力するいわれはないぞ  パシニア:金鉱の位置を教えよう  セリ:ヒオリ、どうして手伝うの? 教官は帰ってきたし、私たちは逃げてもいいわ  ヒオリ:ウカニヤ族と新しい大陸を見て回りたい。巨怪に乗りたい。   パシニア族の中でなら、あなたと一緒に暮らせるのよ。  協力体制成立  巨岩地帯にいるニャンダの部族を見つけて、奇襲する。  熟練のロープワークで巨岩を落下させ、混乱を誘発してベシンガトを追っ払う。  十数人殺す。  逃げるベシンガトを追いかけて、谷底に追い詰める。皆殺しにもできるぞ。  だがニャンダ、一対一で勝負しよう!  石投げ棒ね。弾道術のルーツかも。  ルールは簡単。今いるこの位置から相手を狙い、互いの弾道術で相手を倒したほうが勝ちよ。  どう? ●人物 ・ランドロミア女伯爵ヴィスマート ・スワイニ ・パシニア  新大陸、ウカニヤ族の族長の猛々しい娘   カピスタに犯されたことを恨みつつ、安堵もしつつ、心乱れている  なぜなら、ヒオリに犯されたのでなかったなら、在地の乱暴なカピスタに犯されたから  他のカピスタだと、そんなものいるものか、と言われて探しに来る ・ニャンダ  ベシンガト族、族神。  カピスタの特権を嵩に来て辺りの娘を手当たり次第に食いまくる。  で、周りの娘が孕むんだけど、その子たちは普通の娘であり次のカピスタが生まれない=血が薄い。  ただ、ベシンガトの戦闘舞踊はあるていど得意で、実力も強いので周囲を制圧している。  褐色の肌に銀髪をなびかせた魔女。 15:45 2012/01/20 ・軍艦で出産はできない。出産すればセリは譴責の上ヒオリと引き離される。 女同士のカップルなど認められないので、セリの子供は現地で乱暴されてできた、ということにする。ヒオリは友情からセリについていてやりたい、と唱える。 だが、軍では、友達だから一緒にいるなどという理由は、当然ながら認められない。 妊娠が心配だというのはわかるが、女たちのところで暮らさせてやる。 ・ヒオリたちは……   1.妊娠したセリを大事にしたい   2.冒険をしたい    3.一緒にいたい     不要不急の問題の解決役をやりたい。  大部隊は投入できないが、さりとてほうっとくわけにも行かない、という件。  が、そういう命令をベケット総督が出してくれるかどうかが問題。  なので、「この手の問題が起きたらヒオリたちに任せるのが最善」という道筋を、まず作ればいい。  そのためには、そういう道筋がはっきり成立してくれる事件が必要。  そのような問題意識を、守られる当のセリが持ち、ヒオリに実行させる。  セリは考えはするが、敢行するのは苦手。それをヒオリがやってのける。 ・弾道官が死ぬと責任問題なのでカーマイン艦長は心配していた。  戻ったのでほっとする。バスコには、あとでおごるね! と。  ダスティン卿には嫌がられる。  もともと船に所属するわけではないので、上官のベケット総督に報告に行く。総督と弾道官のどちらが上かは微妙だが、総督は専横を通そうとする。弾道官のほうがやや偉いはずだが、実権がないので当座従うしかない。やんわりと待機を薦められる。  官僚的というよりは、オレの植民地ででかい面するんじゃねえという態度。  飼い殺しにされる。(セックス)。貝がおいしい。バスコに超おごる。それはセリとってありがたいのだが、いったん安楽になると、ヒオリがすぐにうずうずし始める。それで、このままではいけない、とセリが考える。  弾道官は要塞から前線集落へ出るに当たって、調査をしている。開拓軍に参加予定だ。意外にも南西の前線開拓地では、ウカニヤ族との交流が成立しているらしい。  ヴィスマートは適当なことをいっていたが、本家弾道官として、辺境の実相を見る、という口実をちゃんと作ってきた。  その調査で、要塞の陸側にいる北西側に気になるものが見えてるぞ、という。    潮の満ち干とともに、水が入ったり出たりする二つの洞窟。(黙っていても潮が出入りする便利な湾なのだ)  その前の森にウカニヤ族の一派のオーロロ族が住んでる。オーロロ族とは交流がなっており、湾の金を自由に取っていい代わり、二つの洞窟には決して触れない、という条件で和約が成立した。  今回、ベケット総督は洞窟前に航行標識を浮かべたいと言ってきた。が、土人が怒るので標識が置けず、困っている。なんとかできないか。(できれば場所も明け渡してほしい)  それでヒオリたちが出向く。パシニアもあとからついてくる。ヴィスマートは南西いきの準備で忙しい。  オーロロ族は威嚇し、攻撃する。ヒオリと勝負。向こうは水切り。ヒオリは弾道術で楽勝。そのあとでパシニアが出てきて、同族だと知る。 (フィフがイエス、ニヤがノー、従うがサパシュ)  カピスタだと知ると、ウソだろう、と言われる。種付けの力などあるはずない、と。ヒオリ、遠慮がち。セリに気を遣っているので。セリ、やきもき。あんなに淫乱で攻撃的なあなたが、私なんかに気を遣って性質を封じて、どうなるの。本気を出しなさいよ。  そこでヒオリはセリにキスして本妻宣言してから、封印解除、オーロロの娘にガチ種付け。ついでにパシニアにも。教官怒るかしら。怒ります。じゃあ逃げる? ううう。  やっちゃう。それ見てセリうっとり。ヒオリすごい……。俺たちにできないことを。  そのあとで二枚貝「潮呑み」の秘密を知る。オーロロ族はヒオリが敵ではないと信じる。  ヒオリ、要塞に戻って、望楼から下方の森に合図を送る。ドン、ドン! と大地が揺れる。「潮呑み」と友達になりました。航行標識は置いてもらえるけど、これ以上の侵略は考えないでくださいね。  ヒオリ、教官への秘密を作ってしまう。パシニア寝取った。  ヴィスマートはその日のうちにそれを知るが、口には出さずに取っておいて、もっとあとで勝負を挑む。セリの貞操をかけて。 =================================================================  王庁の法意を体現する制圧弾道官は、ネリドの国威に背くものを征伐する権利を持ち、義務を追う。二百九十八年前に忘れられたはずの法が、私たちの任命にともなって復活させられていた。 「そう。ネリド共和国議会は新大陸に足がかりとなる都市を築き、蛮夷を制圧し勢力を拡大することを決議した。この先頭に立って町を守るのが、植民地開拓軍だ」 「それは海軍とどう違うんですか?」 「開拓軍は、厳密には軍ではなく自警団だ。植民都市に移り住む移住者たちで構成される。一般人だから男も女もいる。となればまず間違いなく子供が生まれる。子連れで来るものも大勢いるだろう。子育てはごく普通の光景となる。そして――これはまず確実にそうなると思うが――敵地に植民して町を築くのだから、内輪もめなどやっている余裕は生じないはずだ。つまり、多少変わり者であっても迫害されない」 「弾道官の自主退職が許されるかどうかということだ」  私たちは、頭から冷水を浴びせられたような気がした。 「君たちは王庁の法威を託された軍官吏だ。自分の一存で退職はできない」 「どうすれば許されるんでしょう?」 「わからない。それは私の権限を越える」  ヴィスマート弾道官は悩ましげに首を振った。 「王庁かネリド議会、最低でも新大陸総督府長官の許しが必要だろう。いずれにせよ一度出頭しなければどうにもならない」 ・新大陸総督ベケット(ザンクム・ベネルガン・ベケット)。海軍少将。 「落着ベケット」。いつの間にか物事を片付けている。辣腕。植民を失敗するわけには行かない。本土にも戻らない。融通が利く。 ・金砂湾、陸側のサッコ・グロルの町と、島にある岩作りのガドリール要塞。 周囲二マイルは伐採植林されている。 ・副総督ミルゲルン 攻撃的な能吏。本土から飛ばされたが、復帰のチャンスを狙っている。メガネデブ。 ・カーマイン艦長 50代実直 悪人ではない 保守的な海の男 ・サー・ダスティン・シュタイン・グレイヴ 副長、下級貴族、守銭奴 ・シフラン 艦医 味方、善人 ================================================================================  ネリド共和国『猪突する壮士号』金砂湾――。  フリゲート艦、猪突する壮士号の帰還がきっかけになった。その船は竜骨が歪むほど大量の砂金を積んで帰ってきた。豪遊する水夫たちが、水底に砂金の輝く大河の話を吹聴した。三日後には港が空になった。  金は取り尽くされている 14:27 2012/01/20 ・ヤンチャだが素直で可愛い少年たち。  出会って最初は、まず舐められる。 昼間、塞止法の訓練で少年たちをしごく。 ヒオリにしごかれたあと、夜お風呂で一緒になってしまう。 傷跡見せられる。 ●8:09 2011/10/21 ポイントを分割する ・現地に到着  西風号クルーと再会 医者に見てもらう 子供おらんぞ 勘違いかー?  逆に、むしろできてなくて不安  お風呂に入る  塞止法の少年たちと出会う。(現地隊長むかつく、捨て駒扱い)  これを矯正してガード部隊に仕立て上げる(主にセリが教育)。 (ヒオリがボスになる。セリはボスの愛人的なポジションになる)  クソ隊長を追っ払って、現地指揮官に認められ、独断専行研を得る。  ランドミロア女伯爵が向かうはずの開拓軍が、現地で追い散らされて戻ってくる。  邪悪なオーク族に追っ払われてきた。  ヒオリたちにムチを使わせたい、あるいはムチ使いの敵を出したい。  その前に男たち(ショタ’s)を従えて、塞止法を使わせる。  その子たちは最初、間違った男に正しい教本で塞止法を教わっているが、ヒオリがカピスタとしてそれを奪い、少年たちを従わせる。少年の中のリーダーがヒオリに心酔。 (女の犯し方を教える、とか。「セリ、協力してね?」) (その前に、ちんこのある女として馬鹿にされる、キモがられるシーンも)。  リーダー少年が、男を倒してチームの主導権を握る。   「あっしは『猪突する壮士号』に乗り組んでおりました」 「――あの、最初に財宝を積んで戻ったフリゲート艦の?」  ヒオリが身を乗り出した。ご存知なんですかい、とバスコが日焼けした顔をほころばせる。 「壮士号が大陸の金砂湾に停泊しているあいだ、土人の連中と談判をして、いくらかことばを覚えやした。あそこはここから五十マイルも離れていやがるんで、すっかり言葉が通じるかどうか、わかりやせんが……」 「実は金砂湾に行くんでさあ」  バスコが種明かしをしたので、わたしたちは驚いた。 「あそこに? そりゃあ嬉しいでしょうね、あなたたち」 「いえいえ……セリさまもヒオリさまも、きっと面白いと思いますよ。みんな河口の金に目がくらんじまって、まだまだ奥地まで探検が進んでないって話ですからね」 「なあんだ、金しかないのかと思ったわ!」  ヒオリの浮世離れした言葉が、いちばん水兵たちを驚かせたようだった。 「金しか、だとよ」 「さすが学院出のお方は違うね」 ・ヒオリ  ハマンズダート弾道学院の今年の一年生の中でも、もっとも聡明で、優しく、リーダーシップがあって、見た目がいい。すらりとした敏捷そうな手足と、バター色の生き生きした肌、流れる墨のように美しい黒髪。二年後には自衛会長間違いなしだって言われている。  泳げない。  両性のカピスタ。  身軽、正確、俊敏。 ・セリ  地味で、無愛想で、冗談も苦手だ。冷たい印象の銀髪と、白墨のように生気のない肌。野暮ったい眼鏡。城下の男の子に告白されて、不器用なりに付き合ったことはあるけれど、つまらない女だと言われてすぐふられた。そしてそんな自分を変える気力もない。  ひんやりとして重い肌。巨乳。  質実、流麗、強力。 ・バスコ ウカニヤ族との通訳がちょっとできる男 ・レオン 身軽で木登りの得意な船員 ・五十代のカーマイン艦長  無精ひげの生えた精悍な顔に渋い表情 敬語しゃべり に、幻鏡燦が発生している最中の海水を調べてもらいました。その ・サー・ダスティン・シュタイン・グレイヴ、ダスティン卿  銀葉林とルン・ギ・ラルを発見し、幻鏡燦の原因を突き止め、さらにこの辺りで初めてウカニヤ族との交流を成立させた探検隊長。 ・ドクター・シフラン 温厚な船医 ・ランドロミア女伯爵ミゲイラ・ヴィスマート  コツコツと足音がした。礼拝堂の袖から黒衣の女性が入ってくる。背が高い。きれい。紺の髪をふっくらした緩い三つ編みにして、マントの背に流している。後ろには付き人らしい女の子。  女性が祭壇に立つと、皿型帽の前に描かれた白い丸が私たちを見下ろした。私たちの正装と同じ服装。口を開くと、低めの澄んだ声でその人は言った。 「弾道官ヴィスマートだ。今日は沖の島から来た。よろしく、娘たち」 ・そばにはふさふさした茶の髪の小柄なキャディ、スワイニ  薄くて軽そうな白のワンピース一枚の姿  ヒオリ男装とか、他のノーマルカップルとか。 ☆そもカピスタとは――  太古、生き物が男と女に分かれる前、すべてをこなしていた優秀の存在だった。  だが、男は男の、女は女のことをするほうが役に立つことがわかり、その時代が長く続いた。  女は蔑まれモノ扱いされてきたが、近年になってようやく女も重んじられるようになってきた。弾道術はその表れだ。男の中にも、女を尊重してくれるものが現われ始めた。  だからもうカピスタは頑張らなくていいのだ。  ひっそりと太古の命脈を伝えるだけでよい。   (15:58 2012/01/20追記)  ウカニヤを始めとする新大陸諸族は、カピスタを新大陸の神だと思ってる。  異人であるネリド人を憎むが、ネリドにもカピスタがいると知って動揺する。  カピスタは二つの大陸の人間をつなぐものだということが明らかになる。  二つの大陸の人間が接触すると伝染病になるが、古いカピスタの血は薬になる。