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respiratory/呼吸系の巻 ......

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キモ男:次は呼吸器の病気だね。これは、まあ大人も子供も病原体としては、[172]性の上気道炎が一番おおいし、感染症としては、あまり大きな違いはないんだ。あるとすれば、免疫の発達具合や、肺の発達なんかに関係した違いだよね。
キモ女:そうなんだ。未熟児みたいに肺の発達が悪いとか、そういう違いね。
キモ男:そうだね。 未熟児で、[173]の欠乏、無酸素、アシドーシスなどの原因で、無気肺と呼吸困難を生じている状態を[151]っていうけど、これなんか、小児科的な肺疾患の代表だよね。間欠的陽圧呼吸などの処置をしなければ、3-4日で死亡しちゃうんだ。大変だよね。新生児ではこのほか、胎便吸引症候群や、肺出血などが重大な肺疾患だよ。肺出血は生後2-5日位で、突然シ−ソ−呼吸を始め、呼吸窮迫、数時間で肺胞内出血により死亡する。皮膚はロウ様に白くなる。
キモ女:おおこわ。まっしろになって、ハーハーしている未熟児ってそうなんだ。そういえば、もともと子供って呼吸数が大人より多いけど、新生児もそうだよね?
キモ男:新生児の[174]呼吸とは60回/分以上を言います。だから、正常でもかなり多いよね。
キモ女:感染症はどうなの?肺の。
キモ男:感染では、 年齢に応じて中心となる病原体に変化があるね。新生児だと?
キモ女:溶連菌でしょ?
キモ男:学童以下に多いA群β溶連菌じゃないよ。[175]群だ。[175]群溶連菌感染症は、敗血症、菌血症を生じる危険な感染。生後7日以内の早期型とそれ以降の遅発型に分けられる。早期型では肺炎も起こしやすい。いずれにしても、母体からの垂直感染なので、母体でのスクリ−ニングと早期発見、抗菌剤の予防投与が大切だね。
キモ女:でもそれって、バイ菌だよね。子供ではバイ菌が多いわけ?
キモ男:もちろん全体にはウイルスだよ。でも、免疫力なんかの関係でちっちゃい子ほど、二次感染を起こしやすいよね。つまり細菌感染を合併しやすい。小児の肺感染では細菌性とウイルス性が肺炎が7割以上を占めるんだ。後はクラミジアや[176]だね。 小児に特徴的な肺疾患としては、先天性喘鳴、喘息様気管支炎、クル−プ、細気管支炎、嚥下性肺炎などがあるが、1才以下の乳児で気道が細く柔らかいためにおこる先天性喘鳴をのぞくと、やはり感染症だよね。喘息だって、純粋にアレルギー性というのは、特に乳幼児では少ない。
キモ女:ねえ、細気管支炎ってなに?[177]ウイルスで起こりやすいって誰かいってたけど。
キモ男:そうだね。2歳位までの子が重篤になりやすいから、年齢依存の肺疾患とも言えるね。 細気管支炎でも、その診断では吸気性喘鳴や、多呼吸だから、重症度はなかなか見た目では分からない。ものの本によると、喘息のある乳児においては、喘息と細気管支炎の区別は事実上不可能と書いてあったりする。で、レントゲンとってみると、気管支周囲の肥厚や肺の過膨張なんかがあって診断がつく。簡単に分かることでは、酸素飽和度が95%未満であること、呼吸数が70回/分以上などが指標となるけど、泣いちゃうとなかなか分からないよね。
キモ子:すぐ泣くもんね。
キモ男:心臓や肺の病気では、泣かさないで子供を診察するのも小児科のテクニックなんだ。で、原因はキモ子が言ったように、[177]ウイルスなどが代表的だね。
キモ子:あと、喘息については?このところアレルギー児が増え続けているっていうけど。
キモ男:うーん、確かに多いね。でも治療法の進歩なのか、大発作なんてのは、あまり診なくなった。
キモ子:大発作って?
キモ男:字の通り大きな発作で、肺が過膨張して、呼吸ができなくなったり、肺胞から空気がもれて、皮下[178]を作ったり、緊急性があって、大変な状態だよ。でも全体には、数は増加しているのは軽症の喘息が増えているからだね。喘息について、むしろ大きく変わってきているのは治療の方だ。
キモ女:そういえば、吸入器も子供でステロイド吸ってる子も多くなったよね。
キモ男:そうだね。この数年で、テオフィリンの静脈内投与や水分の過剰の投与などは行われなくなり、ステロイド吸入が増えた。あとベ−タ刺激剤が第一選択になり、ベ−タ刺激剤と抗コリン剤の同時投与が行われるようになって来たようだよ。