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◯ウイルスから遺伝子変異を考える。
retroposonという考え方。
retroposonは、ゲノム内を転移する二本鎖DNAで、retrovirusと同様な働きをするtransposonのこと。その名の通り、retrovirusの遺伝機能そのもの。retrovirus はまず、プラス鎖のレトロウイルスのRNA(レトロウイルス粒子内には、1組のRNAがある)の5’側の末端近くにプライマがつく。→プライマは5’側に短いマイナスstrongstopDNAをつくる→strongstopの酵素でプラス鎖の5’をとる。→この2本鎖になった短い部分が別のプラス側 RNAへとジャンプし、反転して3’を分解してくっついて、
→左側つまり5’側へと転写する。retrovirusのRNAの両端は同方向繰り返し配列 。経由中は、溶原化したphageのように、生物遺伝物質の一部として振る舞うこの状態のウイルスを内在性プロウイルス(endogenous provirus)という
先述した、ショウジョウバエdrosophiaにもこれが沢山ある。不安定な変異があって、それが欠失すると野生型に戻ったりする。このことも、ransposonが関与している。も複製が可能なtransposonであれば、ウイルス粒子用のタンパクを合成する(いまのところしていない。) 。
retroposonには、virus superfamily(逆転写酵素や、ウイルス産物である線状DNA(感染されたDNAに組み込まれる)を組み込むintegraseをcodeしている-単独で感染はしない。構造的には末端にLTRをもっている)とnon-viral superfamily(以上の酵素をもたない)に別れる。
*kw transposon: *ゲノム中を動くことが出来る独立した塩基配列で、自分自身でゲノムの別の場所に移ることが出来る。phage や plasmidのように独立で存在しない。
*transposonは”利己的なDNA”で寄生虫のようなもので、それによる組み替えは、遺伝子の欠失、挿入、逆位、転座といった結果をまねく。
* もっとも単純なtransposonは最近のIS因子で挿入をおこす。transposonはその療法の末端に逆方向繰り返し配列とtarget遺伝子の繰り返し配列をもつ-ニックがはいって一方の遺伝子が飛び出てtransposonとくっつくので繰り返し配列ができる。(これは、すべての転移に共通している)
*transposonは、複合して活性をもつ。両端の短いポゾンが挟んでいる領域は、両端ポゾンの移動で新しくできる。最近では、この挟まれた領域(トランスポゾンのマ-カと呼ぶ)が薬剤耐性をもつものもある。動いて、ニックをいれたり、宿主の標的部位にニックをいれ、自身と標的の DNA複合部位が出来る。トランスポゾンが乗っている2鎖DNAと標的側2鎖DNAはこの時点でHoliday構造をとっている。分離するときに、一方の 2鎖に欠失が出来る場合と複製画出来る場合とがある。
もし、transposonが乗っている部位がcentromereに近く、且つ標的2鎖がその近くに優勢遺伝子クラスタを持っていると、欠失がおこる転移の場合は、有糸分裂の際、優性遺伝子の乗っている2本鎖がcentromereを欠く結果となることが起こり、劣性遺伝となる。(トウモロコシなどの調節遺伝子がこれにあたる)つまり、トランスポゾンは調節遺伝子である(?)
*わかっている種類の transposonは、複製を伴わない転移をして、供給側には欠失が生じる。これらは、すべてtranposaceというDNAタンパク複合体が行う。
*人遺伝子ではAlu family(DNA6kbあたり、1個存在する確率がそれかもしれない。いずれにしても両末端に短い繰り返し配列のあるものはtransposonあるいは、retroposonである可能性あり。