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roujin-6/その問題点 ......

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roujin-6@ e.その問題点
 夜間看護料の新設などから、やる気のある若い看護師は、生き残った一般病院に流れる可能性が強い。また、療養型病床群での一番危機的問題は、適応されるのが新しく建設される病棟だけではなく、現在患者収容中の病棟も含まれるから、既存の病棟でそのまま転用できない、と言う問題である。1床あたり、1.5倍の大きさが要求されるとか、廊下の巾の問題となると改造はほぼ不可能である。病室については、6床の部屋を4床にしたり、2床を1床にしたりしなくてはならないから、凡そ患者数はそれまでの満床の8割になり、係わる介護員の人数は増えるというジレンマに陥る。つまり、改造ができないことが最大のネックとなる。既設の病棟から転用するに当たっては、経過措置を取るとされてはいるが、運用は「経過」が取れるとしても、費用の方は待ってくれない。
3.老人病院制度の改革
1935年(S.10)には男女とも平均寿命は50才に満たなかった。1992年(H.2)には、男子75.8才、女子81.8才となり、65才以上の高齢者は約1500万人になった。つまり、人口の約12%である。予想では2114年(H.26)には、65才が3000万人を突破し、人口の2〜3割に達する。ところが、これまでの医業としての体系は、それに適応していなかった。原因の一番は、「投薬」依存型でスケ−ルメリット依存型産業で有り続けたことである。つまり、出来高払い制のもとでは、薬価差益が経営原資である現状が長く続いた結果、それに頼る体質が出来上がっている。加えて、加齢のため多種の疾病を合併することもあって、70才以上の老人の薬剤数は40才のそれよりもかなり多く、10種類以上の老人が1割弱と言う現状である。老人への薬剤療法が確立されていない事実と、それに対しての抜本的な策のないまま目先の改革がおこなわれた感じがある。
 療養型病床群の充実に向けて、まず、老人病院制度の改革が92年10月から行なわれている。老人病院でのキ−ワ−ドは「介護」と言う概念である。聞こえはよいし、大切なことではあるが、本質の回避はいなめない。