roujin-2@ 環境老人科学マニュアル〜97 西本方宣
はじめに
Pediatrics(小児科学)とGeriatrics(老人科学)は、その語呂合わせのように、近しい存在であるというのが、この4年間の所感である。ageing(加齢)と言う時間軸に添って考える限り、これだけ科学的でないfeelingはない。これからの時間を、この感じが正しいものなのか否かを一臨床医として、できうる限り解明して行くことに使いたいものだと思っている。
私は93年9月5日に、旭川のInternational Congress of Clinical Ecology(国際臨床環境医学会)で発表するというすばらしい機会を得た。そのテ−マは、Stress to the driver from the traffic environment(ドライバ−に対する交通環境からのストレスについて)である。その最後の部分で、これから近い将来、ageing(加齢)が町の臨床医の一番身近で重要な研究課題となるだろうと付け加えた。なぜなら、我々町医者は、その両者をともに診察すると言う意味で最も恵まれた状況に置かれているからである。 ageing(加齢)これこそが、我々の未来をささえる、親しくかつ永遠のテ−マである。このマニュアルを読んでくださる方は、対である環境小児科学マニュアル〜89も是非ご覧頂きたい。私の主旨をご理解頂けると思う。Stress(ストレス)、これがヒントである。
目次
老人の特質とその対策について
第一部 老人病院とは 頁
A 改定医療法の要点とそのゆくえ 1〜9
B リエゾン老人病院-生と死に臨んで 9〜13
第二部 老人の痴呆とケア 1〜9
第三部 痴呆以外の老人の疾患特徴と対応について
A 一般内科的診察 1〜5
B 老人病院におけるMRSA感染への取り組みについて 6〜8
C ウイルスと言うストレッサ−と免疫反応(B型肝炎) 9〜17
D 緊急時のベッドサイドメモ 18〜23
E 感染症患者の取り扱いについて 1〜6
F 小児科・内科用剤一覧(付録漢方製剤) 1〜4
付録 漢方製剤30手 5〜15