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roujin-14/ケアに対する評価1 ......

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roujin-14@ では、ベッドから届く範囲で世界を見渡し、何ができるかを具体的に考えてみたい。先程来、老人の心理的変化を中心にケアの基本的考え方に触れたつもりだが、それをケア思考過程や計画の一歩だとすれば、それを日記に、つまり看護日誌に記すことで、ケアが行なわれた一歩の確認がなされることになる。さらに、日記につけるだけではなく、それを評価することにより、次のよりよいケアができるようになる。
評価の具体的項目は、これも文献から引用すれば、1.おとしよりからの生の評価 2.看護婦との人間関係の度合 3.信頼関係度合 4.快適・満足度の度合 5.家族の評価 6.介護技術の修得と程度 7.家族への指導と理解度 8.ケアにおしつけはなく適切であったかどうか 9.老人家族の理解力や実施能力を越えていないか
などであると言う。そして、ケアそのものにもテクニックがあり、洗面・頭髪の洗浄・便器の介助テクニックなどから、ベッドや使用器具の選別に至るまで、成書にも事細かに記されている。現場では、誰が実際にケアするか、例えば介護員であるとか、看護婦であるとかは余り問題ではない。スタッフが職種によらず、テクニックとは必要な知識であり、自らの教育的な質であることを認識するとすれば、医師とて例外ではなかろう。
さて、以上がスタッフの職種にかかわらない老人把握の前提とすれば、逆説的にはなるが、各職種の分担を考えることでよりケアがスム―スになるのは言うまでもない。看護婦は、基本的介護テクニックに加え、患者の精神衛生面を理解援助するテクニックが必要だ。看護婦の介助を簡単にまとめると、
1.バイタルを取る 2.睡眠と不眠のメカニズムに精通する 3.膀胱の働きと排尿調節 4.腸の働きと機能や下痢と便秘の管理 5.精神看護の基本的理解
の五つであると思われる。以上に関係するが、申し送り、伝票類などの紙を書くことが多すぎるのは看護業務を阻害する。(このことは、第3部でも触れる。)そこで、
1)検査伝票は医師が記入する。2)申し送りは交代時のみとする。 3)カ−デックスは、自分の申し送り用のメモにする 4)看護日誌を医師カルテと分離し、指示・処置など随時書き込む。リ−ダ−が適宜確認する。5)物品、処方・処置のチェックは、婦長が行なう。6)指示・処置はリ−ダが受ける。
さらに、仕事の優先順位とルチ−ンの仕事の把握を徹底させる必要がある。血圧が下がりつつある患者のバイタルをとっている(緊急的仕事)人のところにいって定時の注射をする(ルチ−ンの仕事)をするとか、緊急的処置を行なっているのに(過ちを防止する意味で多数の目がいる)のに、申し送りを先にする(ルチ−ンの仕事)など、なんのためのしごとか(看護と過誤)目的が混乱することも時たま見受けられる。これらは、ミィ−ティングを通じて、看護者の意志疎通を徹底する。優先順位は、常に考えるべき仕事で、重症度やケアの仕方、過ちや誤解をしないためにも全員の正しい認識と協力が必要である。この辺りが消毒の不徹底につながっているのなら、少なくもミィ−ティングの時間はしっかり取って個人的意識を高めるようにする必要があるし、その日のルチ−ンの仕事を整理し直して、しっかり各自に割り振る必要がある。
分業の際の心構えも大切である。仕事の合理化のため、チ−ムに分けてリ−ダ業務とルチ−ンを分けたはずであるが、今度はリ−ダ以外のチ−ムが別の人にバイタルを聞いても「係りでないので」という返事が帰るようだとOL仕事になってしまう。あの人とあの人が危ない、とか、どう言う状態であるとかの把握は、むしろ看護婦や医師の個人の職業的な興味や洞察力と関係し、自分の立場には関係することではないと思われる。しかし、分業をてっていするあまり、例えば、Aさんの検温の人にAさんのバイタルを聞いたらそう答えるなどというのは、いかにも行き過ぎている。なんどもある申し送りで、職業的な興味や洞察力なく聞き流していたことになる。これでは、なんのためのルチ−ン仕事か理解できなくなる。「医療はチ−ム作業」である。互いの私的感情はある程度仕方ないにしても、このことをしっかり念頭に起き作業する、精神の冷静さと成熟を要求されるのである。これを確認する場がミィ−ティングなのである。これがかけると、以上の業務に支障をきたし、結局患者の負担を増す結果となる。各作業は、合理的にやって反射のようになってしまえば、患者のためになるし、医療者側も、休み時間を有効にとれて仕事が楽になり、イザというときの火事場の力もでる。仕事が増えてもそのつど対応していつか落ち着くのを今か今かと待つよりは、最初から最大の仕事量を100として、普通が60くらいで行けるように考えるほうが得策だと思う。忙しい時ほど話し合いが必要な所以である。
 医師は、作業療法士などと連係した、リハビリの計画やテクニックに精通する必要がある。介護員は、実際のテクニックとしてのケアテクニックを正確に修得する必要がある。