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envd03-01511281828/第6回公判2 ......

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 さてさて、余計なことはこの辺にして結審、結審。「パ−タレイ!」の巻始まり始まりィ-。
 いつもの部屋にいつもの人、これが、大犯罪事件なら大勢の人が「ウン」とか「エヘヘン」とか咳ばらいをしながら、待っているのでしょう。ボクの大事件の傍聴は、なぜかK警官と検察の経理一名だけです。ヒルカワ君は、3分遅れで、しかめつらしく入廷してきました。いつものように、誰かの結婚式の時にもらったような紫のフロシキをといて書類を出し始めます。本日ボクちゃん、はその前の日カゼでも引いたのか、調子が悪く目をつぶっていました。いまなぜか北海道は温かく、保温のわるい南国山口の冬の方が寒かったのです。緊張のせいかな。いや、緊張はしているがドキドキはしませんしねエ。なんて考えているうちに、コツコツと裁判官の靴音が聞こえてきました。5分遅れて裁判官登場です。
「着席」の声がおわり、場内に「サテ!」といった雰囲気が流れます。本日やや緊張ぎみの白い顔をして、かといって、声の調子はいつもより、高く、やや震えたの朗読です。小心な奴!
「主文。被告西本方宣を有罪とし、罰金7万円とする。理由…..」
----判決文の言い渡しの時の自分の態度を心配してましたが、自分に何も起こらないと、感じました。裁判官の声の調子がすでに諦めさせてくれている。パ−タレィだこいつァ!そう思いました。主文を読み上げたときの事務官の顔「アレ!」をボクは見逃しませんでした。

 高校の化学の実験の時、今は無き先生が、分子量の話の中で6.02x10の23乗というアボガドロ数の説明をしました。わたしは、ほんとかナァ、と思って聞いていました。と、突然、いつもは、ぶ厚い二重底の近眼メガネを通して世界を見ているせいか、ジョ−クのジョの字もないような同級生が、突然顔を上げ、「西本、おもろいのオ、アホガどろ食うた数じゃと。」と言ったときの事を思い出しました。彼は、ボキちゃんが、授業中だろうとなかろうと、シャレばかり言って、優等生のジャマをするのを快く思っていないはずでした。だからだから、その時のショックと言ったら超ド級のすさまじさで、とにかく言葉を失ってしまったのでした。
こんどのもそれに似たような「らしくない冗談」のようでした。それに、
あまりの情けなさにがっくりしたのもあるけど、その副文つまり、理由の論告は、まるで、前に載せた蛭川の文章のコピ−のようで、正直いって驚きそのものでした。 地理的にも裁判所と検察は裏で繋がっているが、内容も、つまり、人も繋がっていると見たほうがよさそうな文章でした。
長々とした朗読が終わって周囲を見渡すと、蛭川も弁護士さんも感情は出さず伏し目。ひとりK警官だけのみ顔を赤くして喜んでいる。そう言えば、最終弁論の終了の時舌打ちしたのも彼でした。彼だけは真剣だったのかも知れません。ボクの失うのは金だけですが、。奴の失うのは職だからまあしかたないか。
え、論告の間どうしていたかって?最後まで真面目に聞いてましたヨ。笑いたくても笑ってはいけないでしょう。趣味でやってるんじゃないからね。
それにしてもまったく、あ〜ナサケナイッタラありゃしない。こんな情けない裁判ってあるんだなア。ボ、ボクの旅費120万、それに、裁判費用の10万。と弁護士費用36万。かッ返して!!!
こんどはさすがに我等が弁護士さんも不満顔。要は、被告の話だけでなく、弁護士の話も最初から無い、「無」なのと同じだからでしょう。
 すこしは、場内の雰囲気を察したのか、アルチュ−裁判官、論告がおわってから例のボソボソで、「西本さん、検事の態度で誤解があったようですが、それはそれで、ブツブツ....なんだァ?」
疑わしきは、罰せずの本末転倒版。蛭川の話は「信じるに足り」、被告と弁護士の話は「信用できない」(たしかに、そう言った)と言うのが論拠なのだから。だれがみても、レ−ダを肯定すると仮定しても、蛭川の話にもレ−ダ以外の証拠がないという事実はどうするのだろう。レ−ダを否定する、つまり、レ−ダがまだ科学的に実証された証拠力を持つと認知されてない現在の状況下では、三段論法的に割り切れば、裁判官は自分の感想で人を裁いてもよいということなのかと思ってしまいます。証拠はRC-720CRだと言うこと、つまり、レ−ダ−取締は是という頭からの条件での判決である。山口簡裁はこの程度なのだ。それても、全国でそうなのでしょうか。
司法って一体何?三権分立って?程度の低い裁判では、唯一被告人のみが真実を知っているという怖さ。これこそが冤罪の正体なのです。
 人が裁判で、自分は正しいと自己主張する意味、つまり裁判する意味の大切な部分が失われています。被告が罪を認めて減刑を請求する場合でも一緒です。法廷では真実に基づいて話が進むはずです。進行させるために適当に話を作るなんて言語道断。たとえば、裁判で有罪になったと言うことは、その当時、他の車両が居ないことになってしまった矛盾は、どうするんでしょう。たしかに、4台いたのです。その人達が偶然、「私は見ました」と言って出てくれば、例えボキちゃんが、違反をしていても、つまり有罪でも、裁き自体が間違っていることになるのです。
 だから、あえてボクはそう言いたい! だから、「あづきいろのス−プラ」を最初っから追っていれば良かったと思うのです。僕は最初っからそう主張していたのに。また、弁護士さんがKやI警官等と合うか、すくなくもTと接触をしていれば、弁護士さんの心証だけでも違ったでしょうに。結局初めてこの時、はなっからハンコを押していなければと言う反省をしました。もう金輪際たとて、自分が間違っててもハンコ押すもんか!検察官と裁判官が、正直者のぼくに、正直は馬鹿を見るよと教えてくれたのです。
おもえば、セ−ショ−ネンの非行もこうやって出来ていくんでしょうねエっと、オジサンは思ったのです。
 最後にボキちゃんは生まれて初めてドクタ−でよかったと思ったのです。ドクタ−は、デ−タがどう出ようと、本人の症状で判断するんです。犯罪を裁くとき、裁判官はギルティかノットギルティかしかないのに、私に有罪を宣告した瞬間、この人は我々の言う「誤診」を犯してしまったのですから。弁護士になる夢、裁判官になる夢を職業人になってからも捨てないでいましたが、この瞬間私は医者であることを神に感謝すべきだと思ったのはほんとうです。
 全ての行程もおわり、いつものホ−ル階段をゆっくり進みます。弁護士控え室のいつもの席で弁護士さんの「お力になれなくて」を聞いてから空港に向かいました。あした、ハワイに発ちマルコさんと結婚するのです。