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envd02-01511281218/第四回公判2 ......

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 次は、弁護士さんです。こちらは、味方なので親切です。おもに、ユミちゃんの図を中心に、他車との位置関係をこまかく聞きます。「図の車1から3は、アウジの位置ですね。」
「ハイ。」
「1の時に他の車が追い越していったのですね。」
「ハイ。アの車は、抜くというよりは並んで走っている感じで、前の席に男の人が2人乗っていました。..それから急ブレ−キがかかりました。」
「急ブレ−キは、車1の位置ですか。」
「ハイ。」
「止まったのですか」
「止まったように感じました。」
 
「B点までの間で他の車に追い越されましたか。」
「ハイ。」
「追い越していったのは、アの車ですか。」
「よくわかりませんが、アの車はもう通り過ぎていたと思います。」
「B点に来たとき、前方にはAの車とウの車がいたわけですね。」
「ハイ。」
「このウの車がアの車と同じなんですか。」
「ハイ。ウは、もうだいぶ前にいて、そのあとにAが見えました。」
「では、A点からB点に進む間に抜いてったのは、アの車ではない?」
「違うと思います。」
「じゃあ、エ〜と、追い越していったのは、Aの車ですね。」
「はい。そうだと思います。」
 このあたりやたらアやAが出てきて難しいのですが、要するに図の注のような状況のようです。抜いていった車がアであること、B点では前に2台おり、A点で抜いた車は、車Aではなく、車ウであること、車Aは、A点とB点の間で抜かれ、車ウが車Aに先行していたのは確かであることであります。ややこしいでしょう。
 おもに、被告のボクとの食い違いの点をうまく解釈し直そうというわけです。さらに続きます。
「車のいろですが、被告人があづきいろと言ったのに、後で相談はしなかったのですか」
「相談はしていません。」
と言った具合です。
 ここで一言。確かに、人間の目とか耳とか結構間違いをします。ましてや、ほんの一瞬の出来事なので仕方がないと思います。それは、レ−ダを操作するK警官にも当然言えることで、訓練を繰り返しているから、一般人よりもうまく操作できるということは言えても、だから間違いないとは言えないのです。マ、しかし、ユミちゃんは、面倒臭くなると時々平気でいい加減に答える癖があり、これが、食い違いを指摘される根拠になったわけで、どんなことでも、とにかく正確にやんなきゃね。
と、言うわけで、食い違いを訂正しなかったのは○。知らず知らず食い違いを作っていったのはX(バツ)。
 こんどの裁判の根本はそこにあります。抜いていった車もいるのです。たしかに複数の車がいて、それでも警察は取り締まってしまったので、その時は1台しかいなかったと答えたのです。つまりユミちゃんとは逆に、いいかげんがいやで、完ぺきをねらってウソをついてしまったのですね。そのウソをつかなかったら、警察側は、逆にもっと有利だったでしょう。こっちは車の速度は100キロか、
120キロか確かにどっちだとは言いがたい状況でしたからね。それなのに、完ぺきにしようとしてウソをついたので、却って困っているわけです。こんなわけで、ウソはX(バツ)。

 さてさて、次はボク、被告人の番なのです。

 ボクに対するヒルカワさんの質問は非常に簡単で、例のしつこい位の無関係なことに対するつっこみは、なんと全然ありませんでした。あまり簡単なのでたいした記憶もありません。なぜ110km以下だったと言いきれるのかというようなことも余り聞いて来ませんでした。すべては、調書の通りという事でしょう。
 さて弁護士さんに変わりました。いままでの事故歴とか、自動車に関する事をその他今度の事件と生活の係わりなどをいろいろ聞かれました。「あなたの年収は、..」という質問もありました。それは、その範囲で、一回に20万円もかけてくるほど、自分が正しいと主張したいのだということをアピ−ルするためでしょう。実際、この裁判のために少しでも収入をあげようと仕事をかわったくらいですからね。だれが、半年でヨ−ロッパに1月いられるくらいの金をすき好のんで負けそうな裁判にかけますかってんダ!性格でしょうかねエ。貯金はそんなわけで0だし、まことにもって大変なのです。(ブツブツ...)
 次に例の地点での状況を確認してから、具体的な質問に入りましたがこれらはいままで既に述べてきたことの繰り返しでした。
「110km以下である、と言うことはどうやってわかりますか。」
「私はこの車との付き合いが長く、当時ですでに満6年乗っていました。このエンジンは3500回転のところで、二次吸気バルブが開きますから、大きな音がしてきます。このときそうでなかったということは、3100〓3200回転位で約100から105キロですから、この程度のスピ−ドであったということは、メ−タを見なくても分かります。」
「あなたは、抜いた車のことは見なかったのですね。」
「はい」
ざっとこんな調子でした。例のカリアゲ君たちの特徴なんかも聞かれましたっけ。あまりあがらずに喋れましたね。
 ほかには、I警官がピョコンと飛び上がったこと、B地点での警官の態度など、ちゃんとボクの主張を覚えていて、その線に沿って親切に質問をしてくれました。
 終わりに近づいて、「このような公判を望んだ動悸について申し述べたいことがございますか。」と言う質問もありました。(ありますともありますとも!)
「110kmでも、スピ−ド超過ですし、ショ−バイがら、あまり事を荒だてるのは避けたく、従ってこのような事態は避けたかったのが本心です。しかし、検察の職業的尊厳を無視するような行動や、患者さんの不利益をいたずらにもたらすような態度に怒りを覚えたのがその最大の理由です。」
ついでに、いつぞやヒルカワさんが電話をかけてきたときに、私に、「天地神明にかけて、私はあなたが正しいと思いますが、警察官も家族がいることですしそのことをお考えになって....」と話したことも言ってやろうと思いましたが、これは次の機会にとっておくことにしました。
「では、最後に、全体のことを考えておっしゃりたいことがありましたらどうぞ。」
 これについては、すでに公判中簡単な原稿を作っていたのですが、弁護士さんに一部修正してもらい、出番を待っていました。
「裁判長。メモを読み上げてよいでしょうか」
と問いました。許可があった後、おもむろに次のように述べたのでした。
「私が思うところを述べますと、調書添付の手前の自分の地点で、他の3台をバックミラ−で確認しています。その直後…」
「チョ、ちょっと待ってください」と突然、裁判長がさえぎるではありませんか。
「あなたのおっしゃっている自分の地点とはなんですか。」
弁護士さん「エ!?」という表情で、ヒルカワさんを見ます。
ヒルカワさん立ち上がって、裁判長のところへ行きます。
「あれ、お渡ししたとおもっとったんですが、ありませんか。」
なんと、ヒルカワ氏、ボクちゃんが真面目に書いた現場での図を裁判長に渡していなかったのです。なんてヤツ!
「コピ−と、とりましょうか。いやしかし、これは」
「取ってください。」
「ワ、わかりました。」
と言うことで、しばし休廷とあいなったわけです。


(続く)