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Notes:


 パーキンソン病の進行度や、予後を評価する指標として、重症度の分類が行われています。最も広く用いられているのが、Hoehn(ホーン)とYahr(ヤール)による日常生活動作(ADL)を指標とした5段階の重症度分類です。
 1967年に世界で初めて考案され、30年以上たった現在でも、世界中で広く用いられています。
 これは、下肢・体幹の歩行、平衡障害に重点をおいた分類で、一側性の障害を I 度、両側性の障害を II 度、両側性の障害に姿勢反射障害が加われば III 度、一人で歩くことはどうにかできるが、日常生活の一部で介助が必要になれば IV 度、車椅子または寝たきりで全面介助になると V 度としたものです。
 Hoehn & Yahr重症度分類が優れている点は、その重症度数を示すことにより、患者の運動症状の状態をイメージすることが容易なことです。
 一方、右側に示しました厚生省(現:厚生労働省)異常運動疾患研究班による3段階の生活機能障害度(介助の必要度)があります。
 地域によって差はありますが、厚生労働省特定疾患対策の治療対象疾患として認定されるのは、Yahr重症度のIII 度、生活機能障害度 II 度以上です。