Shizuoka Japon
 

DOME-Image はじめに

 宇津ノ谷にまつわる数々の歴史や伝承は此処を通り行き交う人々により語り継がれてきた。
 古くは9世紀(平安時代)伊勢物語に歌われ文学、絵画にも登場する“蔦の細道”は、今も尚そこを歩くことにより当時の面影を伝え偲ぶ貴重な1本の山道である。 まわりは山々に囲まれた立地条件で昔から難所であった故、ここを通る人々にて其の時代ごとに路の様々なエピソードが生まれてきた。

 明治から現代の平成に至るまでの約120年間に半径1km以内の山に5本のトンネルが掘られ存在する。
 宇津ノ谷地区は其の遠い昔の道から現在の東海道国道1号線に至まで日本の道の歴史縮図を垣間見る場所でもある。

 1990年には東海道ルネッサンスプロジェクトの一端による新たなバイパス工事が着工し(参考イメージ-1992年)1998年には新たな平成の新宇津ノ谷トンネルとその道の駅が完成した。
 その反面、そこを覆うように生えていた竹林と茶園、田圃、は潰され、昔からの土地に住んでいた住民も余儀無く後を追われていったのである。人と物、時代の光と影がここでも交差する。
 時の大量物資と人、文化を迅速に運ぶ為 山には新たに巨大なドーム状のシルエットをなす空間が掘抜かれ残された。
 新宇津ノ谷トンネルを通過する車の騒音を余所に今も尚ひっそりと蔦の細道が存在している。

 国道1号線のトンネルから蔦の細道(つたのほそみち)に向かう斜面一帯は昔から主に孟宗竹(もうそうだけ)が生息し其の道に隣接したこの場所も竹薮を形成している故インスタレーションを行う上で大きな要因となっている。
 新国道の開発のために多く失っていった竹だが、何らかの形で道行く人と竹というこの自然素材が新たな接し方と成る様、試みる。

 
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 360°のパノラミックな外側の光を中で受け止める為に大小(直径18cm〜5,5cm)約900の竹の筒が使われ其の横側にはステノーペの部屋に利用したピンホールアイのシステムを用い様々な外の光の変化を内側へと伝える。
 外の光りは竹の筒の節に空いた各々の穴を透し内側に入った光はチューブ状の側面に其の映像風景を映す。
 竹の節の内部は1mm前後の薄い繊維質膜から成り筒の形を保持する重要な役割も果たしている為その節の膜を利用して光のフィルター部分として用いる。(太陽光が此の部分を照らすと内部はオレンジ色の光が漏れ人の血潮を見る時の類似する現象が現わす)
 このインスタレーションは蔦の細道(つたのほそみち)と隣接した竹薮とそこを通過する人々の陰影を映す条件可能な場所を選び制作した。
 筒"夢の内側は其処を通過する光りと人陰が各々の竹筒の中で回転または移動し映し出され揺れ動く光りと時間を感ずる場となっている。
 蔦の細道を訪れる方々が共にその場の光とコミニケーションしてもらう作品である。

サムネールをクリックしますと大きくイメージを御覧いただけます。 PHOTO ©2008 Okushima
使用した竹について

 孟宗竹の持つ性質と其の特有形体は根本が太く縦に伸びる繊維質は下部は堅牢で上部はしなやかなのが特徴で筒状から成る竹の節と節の間には生じた空洞を形成し其の節間空洞状内部は淡いベージュ色は人肌に似た繊細な色を呈している。其の特有なチューブ状形体素材そのものを利用した。

使用した竹は、竹の中でも太く、根に近い一番しっかりしている場所を使用している。竹は水を吸収しやすい性質があるせいか、1つのパーツは、思ったよりもずっしりと重い素材となっている。
 
DOME ©2008 TERUHISA SUZUKI