服部於由 はとりべのおゆ 生没年未詳

武蔵国都筑(つつき)郡の人。上丁(かみつよほろ)。天平勝宝七歳(755)二月、防人として筑紫に派遣される。

 

我が()きの息づくしかば足柄の峰()ほ雲を見とと(しの)はね(万20-4421)

【通釈】俺が旅で留守にしているのが辛かったなら、足柄の峰を這うように動く雲を見ながら、俺のことを偲んでくれ。

【語釈】◇息づくし 恋しさに嘆息する思いでいるさま。◇足柄の峰 足柄・箱根山塊を広く指す地名。◇見とと 「見つつ」の東国訛り。


更新日:平成15年03月21日
最終更新日:平成15年03月21日