土師道良 はにしのみちよし 生没年未詳 略伝

伝不詳。天平十八年(746)八月七日、越中守大伴家持の館で催された宴に参席し、歌を詠んでいる(万葉集巻17)。この時の官職は史生。

八月七日の夜、守大伴宿禰家持が館に集ひて宴する歌

ぬば玉の夜は更けぬらし玉くしげ二上山に月かたぶきぬ(万17-3955)

【通釈】夜は更けたようだ。二上山(ふたがみやま)に月が沈もうとしている。

二上山 富山県高岡市にて撮影

【語釈】◇ぬば玉の 夜の枕詞。◇玉くしげ 二上山の枕詞。「くしげ」は櫛などの化粧道具を入れておく箱のことで、箱には蓋が付き物であることから、同音の「ふた」を導く。◇二上山 富山県高岡市と氷見市の境の山。

【補記】天平十八年(746)、越中守公邸での作。


更新日:平成15年03月21日
最終更新日:平成15年03月21日