物部古麻呂 もののべのこまろ 生没年未詳

遠江国長下(ながのしも)郡の人。天平勝宝七歳(755)二月、防人として筑紫に派遣される。

 

我が妻も絵に描き取らむ(いつま)もか旅ゆく(あれ)は見つつ偲はむ(万20-4327)

【通釈】私の妻を絵に描き写す暇があったらなあ。旅路を行く私は、それを見ては妻を懐かしく思い出そうに。

【補記】慌ただしい出発時の思いを詠む。「いつま」は「いとま」の訛り。


更新日:平成15年03月21日
最終更新日:平成15年03月21日