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キンポウゲ科の多年草。福づく草、元日草、さちぐさとも。ちょうど旧暦正月頃に開花するので、縁起の良い花として新年の床飾りに用いられるようになったのは、江戸時代のことである。陽暦の今も正月の花として好まれ続け、歳末初春の市で鉢植が売買される。
今滋 が近きわたりなる友どちの許 に行きける帰るさ、福寿艸 の有りけるを買ひて、おのれに家づとにせむとてもてかへり、机上 にすゑて、これ見給へといひける時
正月 立つすなはち華のさきはひを受けて今歳 も笑ひあふ宿
幕末の歌人
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『霞関集』(かしこより金山の福寿草を押花にして添へてつかはす歌) 石野広通
これぞこの黄金の山に咲きそひてその色見する花の春草
『鈴屋集』(福寿草といふもの書きたるに) 本居宣長
人みなのいはふ名おひてあらたまの年のはじめに咲くやこの花
『蜀山人家集』(福寿草の画讃) 大田南畝
元日の草としきけば春風のふくと寿命の花をこそもて
『草径集』(元日草) 大隈言道
うれしくも年の始めのけふの日の名におひいでてさくやこの花
『白桃』 斎藤茂吉
『晴陰集』 吉野秀雄
朝にほふ緋氈の上に
公開日:平成22年02月27日
最終更新日:平成22年02月27日