3 次コオナアへゆくまへがきへ戻る       *                                                                 をはり                                                                               実が 照つてゐるのを眺めよう *訳 この雪がまだ消え残つてゐる間に さあ行かう 薮柑子の                                  山橘の実の照るも見む 十九|四二二六                            この雪の消残る時にいざ行かな                                       雪の日に作る歌                    *                                             はらはらと庭に降つた斑雪が 枝に消え残つてゐるのだらうか *訳 あれは 前栽の李の木が花をつけたのだらうか それとも                                  はだれの未だ遺りたるかも 十九|四一四〇                            我が園の李の花か庭に降る                              春苑の桃李の花を眺めて作る                *                                             *注 属目は 実際に光景を目にしての作であることを示す語 も 雪は降り続いてゐる *訳 三嶋野には春霞がたなびいてゐるが とは言へ昨日も今日                                 昨日もけふも雪は降りつつ 十八|四〇七九                            三嶋野に霞たなびきしかすがに                              属目