2  次頁へゆくまへがきへ戻る       *                                           意の尊敬語∨の主語は孝謙天皇 された白馬節会の代りに催された宴会 きこしめす∧主催する  題詞の内の庭は内裏の庭 肆宴は天平宝字二年正月 中止 つてくれ  春だとはつきりわかるやうに 鴬よ 植木の間を鳴いて渡                               植木の樹間を鳴きわたらなむ 二十|四四九五                          打ちなびく春ともしるく鴬は                           豊明きこしめす歌                内の庭に仮に樹木を植ゑ 以ちて林帷と作して       *                                         心に 離れ離れになつてゐた友への恋慕の情を含意してゐる  友人の大原今城との再会を祝する宴での作 鴬の声を慕ふ 染みつい心には なほ恋しくてならないのです  鴬の季節はもう過ぎてしまつたとは思ふものの その声が                                染みにし心なほ恋ひにけり 二十|四四四五                  鴬の声は過ぎぬと思へども                              鴬の鳴くを聞きて作る歌                  *                                             たなびき 月は過ぎて行かうとしてゐる  鴬はもう鳴くだらうとひたすら待つてゐるうち 春の霞は                                 霞たなびき月は経につつ 十七|四〇三〇                          鴬はいまは鳴かむとかた待てば                            鴬の晩く鳴くを怨む歌