3 次コオナアへゆくまへがきへ戻る       *                                                                 をはり                                                     をかけてゐます             鶴が鳴くには 頼りない 覚束ない意の形容詞タヅガナシ                           葦辺さへそれと見分けることが出来ない 春の霞がかかつて   家が恋しくて寝るに寝られず ふと外を見ると 鶴が鳴く                               鶴が鳴く蘆辺も見えず春の霞に 二十|四千四百                          家思ふと寝を寝ずをれば       *                                                                     には 故郷の方が懐かしく思はれてならない  海原に霞がたなびき 鶴が悲しげに鳴き交はす こんな夜                                  悲しき宵は国辺し思ほゆ 二十|四三九九                          海原に霞たなびき鶴が音の                           防人の情と為りて思を陳べて作る歌より短歌