1  次頁へゆくまへがきへ戻る       *                                                                     などを踏まえた歌と思はれます  ぬばたまの夜のふけぬれば久木生ふる清き河原に千鳥しば鳴く  淡海の海夕浪千鳥汝が鳴けば心もしのに古思ほゆ  を指すか             昔の人は 具体的には柿本人麻呂や山部赤人ら先代の歌人 て来たといふが もつともな事である    夜半過ぎて鳴く川千鳥 なるほど 昔の人も鳴き声を慕つ                                  昔の人もしのひ来にけれ 一九|四一四七                            夜ぐたちて鳴く河千鳥うべしこそ                *                                           心も靡くほどあはれに鳴く千鳥である   夜半過ぎ 目覚めたまま寝床にゐると 川の浅瀬を求めて                                  心もしのに鳴く千鳥かも 一九|四一四六                            夜ぐたちに寝覚めて居れば河瀬とめ             夜の裏に千鳥の鳴くを聞く歌二首              *                                           家持秀歌選 千鳥|鴫|鶴